最近未公開株に投資するプライベート・エクイティ・ファンド(PEファンド)の流通市場が脚光を浴びている。

ファンドの償還前に売却できるマーケットが成熟したことで、未公開株の流動性が増しているからだ。

年金基金や投資銀行などがポートフォリオの見直しをする際にPEファンドを売却しやすくなり、投資家の需要が拡大しているのだ。2015年の流通市場の取引額は410億ドル(約5兆円弱)で、この10年間は年率約17%のペースで拡大している。

PE投資の手法は4種類

PEファンドへの投資は、タイミングによって4種に分けられる。

「ベンチャー・キャピタル投資」は、未上場企業へ投資し、投資先の企業が上場(株式公開)することによって得られる上場益を主としたファンドの運用益を収益源とするものだ。

「バイアウト投資」は事業会社や金融機関の株式持分に投資すると同時に、その企業の経営に深く関与して企業価値を高めることから、投資を始める。

「ディストレスト投資」は経営不振の企業に対する債権を割引価格で購入した後、経営再建に向けて積極関与することで投資回収を目指す投資手法。

最後に「セカンダリー投資」は、株式をすでに発行している未上場企業の株式へ投資を行い、リターンを獲得する投資手法である。

個人がPEファンドを購入するには?

方法は2つあり、一つはブラックロックが組成している「iシェアーズS&P上場プライベート・エクイティETF」に投資する方法だ。これは国内では野村証券の窓口のみで販売している。

もう一つは日興アセットマネジメントが運用している「日興アッシュモアグローイングマルチストラテジー」という投資信託に投資する方法だ。このポートフォリオの中で、スペシャルシチュエーション戦略の一つとしてPEファンドが組み込まれているため、間接的に投資することができる。

ただ当然リスクもある。気をつけたいのは、「流動性リスク」「Jカーブ効果」「価格の不透明性」の3つが挙げられる。「Jカーブ効果」は短期的に予想と逆方向に価格が動く現象のことである。投資をする際にはこうしたリスクを検討した上で取り入れることが必要だ。

国内で個人投資家がPEファンドに投資をする手段や情報は限られているのが現状だ。投資対象を増やす意味でも、PEファンドに関する情報提供が活発になることに期待したい。

文・ZUU online編集部

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