世界最大級のヘッジファンドを経営するレイ・ダリオ氏、投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェット氏、イングランド銀行を潰した男の異名を持つジョージ・ソロス氏、この3人は誰もが知る伝説的な投資家である。

当然、この生きる伝説たちの動きは常に注目されており、銘柄の売買動向やどのような業界に注目しているかはニュースになる。

有名投資家の投資行動を真似だけするのは決して賢い方法とは言えないが、それでも面白い気づきやヒントを得られるものである。その3人が保有する銘柄をピックアップし解説していこう。

IT業界の巨人IBMに注目するダリオ氏、バフェット氏

レイ・ダリオ氏が注目した銘柄はIT業界の巨人であるIBMだ。過去10年、IBMは巨大なコンピューターハードウェアを製造するハード企業からビックデータやクラウドサービスを軸としたサービス企業への移行を進めている。

ダリオ氏は2016年の第3四半期にIBM株を約1,700万ドル分購入している。ポジションのサイズとしては大きくないが、IBMが進める新しいビジネスモデルへの移行を支持することを表している点では意義ある投資といえそうだ。IBM株はバフェット氏も保有している。

サービス企業への移行は順調に進んでおり、今回の移行のカギとなる事業の売上はIBM全体の40%を占めるまでに成長している。この割合は2013年度には22%、2015年度には35%であったため、IBMの主力事業として順調に成長しているようだ。アナリストは2018年度のIBMの収益はわずかに減少すると予想しているが、一株当たり利益は再び増加すると見込んでいる。

ダリオ氏がIBM株を購入した2016年第3四半期以降株価も順調に推移しており、2017年1月時点で配当利回りは3%強、株価の割高割安を判断する代表的な指標である株価収益率(高ければ高いほど割高、低ければ割安)は約12倍と相対的に割安な水準となっている。

銘柄としても十分魅力的だといえるが、ダリオ氏やバフェット氏が保有しているという事実は更にこの銘柄の魅力を高めそうだ。  

自動車安全システムのサプライヤーに投資するバフェット氏

投資の神様バフェット氏は、IBMのような大型株(大企業で時価総額が大きく発行済み株式数も多い株式)だけではなく、中型株にも注目している。中小型株は大型株ほどリサーチもされておらず、知名度も低い。しかし、バフェット氏が中小型株のポジションを増やすときは他の投資家もその動向を察知するようだ。

バフェット氏が注目している中型株銘柄の1つにWABCOがある。WABCOは商用車向けに安全システムや制御システムを供給している企業である。米国株式としては珍しく、本社はベルギーに位置している。売上全体の57%は欧州であげており、米国での売上はわずか16%に過ぎない。売上の57%はトラック・バス市場であげているが、BMWやVOLVOなど名だたる企業とも取引がある。

売上の大部分を欧州に依存しているが、これがWABCOの収益に貢献するとの見方が出ている。北米での大型トラックの生産台数が減少するとの予想が出ている一方、欧州では現状の水準が維持されるとの見方が出ているためだ。実際、WABCOの欧州での売上は過去5年平均を3%上回っており、翌年の成長も期待できそうだ。また、長期的には欧州での環境規制もWABCOにとって追い風となりそうだ。

WABCOは自社のグリーン技術で燃費効率を15%以上向上できるとしている。WABCOの株価収益率は17倍となっており、IBMと比較すると決して割安な株価水準とはいえない。しかし、長期予想はポジティブなものであり、投資先候補としては一考に値するかもしれない。

サイバーセキュリティに注目するソロス氏

3人目のジョージ・ソロス氏が注目しているのはサイバーセキュリティの分野だ。ソロス氏は最近になってフォーティネット、シマンテック、パロアルトネットワークスなどのソフトウェア会社の株式を購入している。

2016年のサイバーセキュリティ業界は全体的に決して良い年とは言えなかった。しかし、たとえばフォーティネットのケースでは、アナリストは2016年の売上は25%の増加、2017年は17%の増加を予想しており成長性は非常に高い。また、サイバーセキュリティ企業はキャッシュ創出能力も高く、株価も決して高い水準ではないうえ、IBMなどの大企業に買収される可能性もある。買収される場合は現在の株価にプレミア(上乗せ)がつくため、株価の急上昇が期待できる。

今後の成長性が非常に期待できる業界だといえるだろう。

投資する企業の特徴の把握をしっかりと

今回は伝説の投資家3人が注目する銘柄を解説した。どの銘柄もそれぞれ違った価値を投資家に提供していることがわかる。IBMは割安で事業の将来性にも期待できる銘柄であり、WABCOは安定した成長性が期待できる銘柄であり、サイバーセキュリティの銘柄群は今後の高い成長性を期待できる銘柄であった。

どの銘柄に投資すべきは投資方針などによっても異なってくる。まずは自分が投資しようと考えている銘柄がどのような投資価値を提供してくれそうなのか、どのような特徴があるのかをしっかりと把握しておくことが重要だ。

文・樟葉空(アナリスト)

実際に株式投資を始めてみる

口座開設数1位、IPO取扱数1位、投信本数1位、外国株取扱国数1位
>>SBI証券の口座開設はこちら

口座開設数2位、外国株や投資信託に強く、マーケットスピードも使える
>>楽天証券の口座開設はこちら

米国株の取り扱いが豊富、ワン株も取引可能
>>マネックス証券の口座開設はこちら

株主優待名人の桐谷さんも開設、少額取引の手数料が0円
>>松井証券の口座開設はこちら

取引コストが抑えられ、中上級者も検討したい
>>ライブスター証券の口座開設はこちら

単元未満株、平等抽選IPO、充実の証券レポートも
>>au カブコム証券の口座開設はこちら

IPO当選確率を上げるなら!ツールも魅力的
>>岡三オンライン証券の口座開設はこちら

手数料が業界最安値水準な上に取引でポイントがたまる
>>DMM.com証券の口座開設はこちら

現物・信用ともに低コスト!
>>GMOクリック証券の口座開設はこちら  

【関連記事】
ネット証券は情報の宝庫?日経新聞から四季報まですべて閲覧可!?(PR)
40代でやっておきたい「投資・運用」3つのステップ
国内ソーシャルレンディング4選 初心者でもできる?利回り以外の着目点
「月1,000円から」「おつりで投資」スマホで投資できるアプリ4選
つみたてNISAを始める 金融機関選び 4つのポイント(PR)