投資信託を銀行で買うと損をする?商品選びのポイントと基礎知識

2019.2.6
INVESTMENT
(写真=AntonViolin/Shutterstock.com)
(写真=AntonViolin/Shutterstock.com)
「投資信託を銀行で購入した半数が損失」、これは金融庁が2018年6月に公表したデータだ。衝撃的な内容だが、銀行で購入する投資信託がすべて悪いわけではない。見分ける力があれば自分でも選別できる。そのために最低限の知識は身につけてから購入について相談しよう。

本当に銀行で投資信託を購入した半数が損なのか?

データの対象は29行の主要銀行・地域銀行だ。中でも注目されたのは「運用損益別顧客比率」である。これは運用損益(手数料控除後)別に基準日時点の投資信託保有者を分類した比率だ。このデータによると46%の顧客がマイナスリターンに沈んでいる。

実際の投資家損益は?

「半数が損」はショッキングな情報だが、これを実際の投資家損益だと勘違いしてはいけない。運用損益別顧客比率は基準日時点で保有する投資信託が対象だからだ。それまでに運用収益確定のために売却した投資信託は含んでいない。

基準日である2018年3月末から過去5年間の株価推移は日経平均が約40%、米国のNYダウに至っては約50%も上昇した。このことを考慮すると基準日より前に相当数の売却があったとしてもおかしくない。この点を踏まえ、金融庁データの結果と投資家損益がイコールでないことには留意したい。投資信託は少額からさまざまな資産で運用できる商品であり、上手に活用すれば資産形成に役立つといえる。

長期保有に適した投資信託の見極めが重要

投資信託はそれ一つで分散投資が可能な商品であるため、値動きが市場全体にある程度左右される。つまり上昇基調の市場を対象にした投資信託であれば、厳選せずとも良好な運用成果が得られることもある。

だからといって銀行からの提案商品をそのまま受け入れてはいけない。投資信託は長期保有が原則であり、その間に市場環境も変化していく。今の売れ筋ではなく、長期保有に適しているかどうかを見極めて購入するのが賢明だ。

投資信託の選び方の基本

投資信託の選び方は決して難しくない。基本的な知識さえ知っていれば、銀行から提案された商品を取捨選択できるようにもなるはずだ。

選ぶポイントは以下の4つを確認してほしい。
  • 投資の目的と期間
  • 手数料
  • 純資産残高
  • 信託期間

運用目的と期間を考えて投資比率を決める

投資信託の運用対象は幅広いが、「国内株式」、「国内債券」、「海外株式」、「海外債券」が基本の資産クラスだ。投資目的と運用期間を考慮し、個別商品を選ぶ前に資金を何に何割ずつ投資するのか考えよう。値動きは債券より株式、国内より海外の資産が大きくなりやすい。組み合わせ方に正解はないが、過度にリスクを取りすぎないように気をつけたい。

例えば投資目的が老後資金の場合、運用期間も長いことが想定されるため株式の比率を高めた組み合わせにしやすい。教育資金が目的の運用なら、確実性を重視して債券の比率を高めるほうが安心だ。

このように目的と期間に合わせておおまかにでも投資比率を決めてから相談すると、自分でどんなリスクを取ろうとしているのか把握しやすいのではないだろうか。

手数料は低ければ低いほどいい

手数料にも注意しよう。主な手数料には「販売手数料」と「信託報酬」がある。

販売手数料は購入ごとにかかる。手数料3.24%(税込)の投資信託なら100万円投資するには103万2,400円が必要だ。金額を100万円など指定して販売手数料を含めて購入することもできる。一方、信託報酬は保有中にかかる手数料だ。年率◯%と決まっており、その日の資産残高から日割りで計算され毎日差し引かれる。信託報酬が年率1.08%(税込)の投資信託に100万円の残高があれば、「100万円 × 1.08% ÷ 365日 = 約29円」が徴収される。資産残高は毎日変動するため、信託報酬として引かれる金額も日々異なることを認識しておこう。

これらの手数料は低ければ低いほど運用成果に有利だ。先例の販売手数料と信託報酬を合わせると初年度に4.32%以上リターンがなければプラスにならない。投資信託は運用の中身が似たような商品がいくつもあり、手数料が低ければそちらを検討すべきだろう。販売手数料のかからないノーロードと呼ばれる投資信託もあり、提案商品の中になければ聞いてみることをおすすめする。

テーマ型を避けて純資産残高の高いものを選ぶ

純資産残高は投資信託の規模を表す。安定的な運用をするにはある程度の規模が必要であり、小さすぎるものは選ばないようにしたい。純資産残高が10億円を下回ると繰り上げ償還(解約)になる可能性もある。経済評論家の山崎元氏は100億円以上が目安と述べている。

気を付けたいのは運用対象を特定の業種や業界に絞ったテーマ型といわれる投資信託だ。テーマ型は発売当初は順調に純資産残高が増加していても、話題性が去ると資金流出していくものも少なくない。このような安定性に欠ける投資信託はなるべく避け、市場全体に投資するものが無難だ。

信託期間無期限の投資信託なら柔軟に対応できる

信託期間は、投資信託の運用が終了するまでの期間のことだ。2050年までと決まっているものもあれば、無期限に設定されているものもある。信託期間が終了すると「償還」となり、損益に関わらず時価で資金が払い戻される。

あらかじめいつまで運用するのか想定し、できるだけ信託期間の長い商品を選ぼう。無期限の投資信託なら予定より長く運用することになっても柔軟に対応できて安心だろう。

投資信託の中身を理解することが大切

以上4つのポイントを知っていれば、銀行からの提案商品を取捨選択できるはずだ。

しかし銀行員も営業職であるため、手数料の高い商品をすすめられることもあるかもしれない。その時に判断するのは自分であることを忘れないでほしい。判断するからには基準が必要だ。基準のないまま相談に行くとよくわからないまま購入してしまうことにもなりかねない。

大切なのは値上がりしそうかではなく、その投資信託の中身を理解することだ。そうすることで過去の運用実績に目を奪われることもなくなるだろう。

文・MONEY TIMES編集部

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