NISAのロールオーバーとは?仕組みや検討した方がよい場合も解説

2019.1.29
INVESTMENT
(写真=WoraweeMeepian/Shutterstock.com)
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2014年に一般のNISA口座で購入した株式や投資信託などの非課税期間が、2018年末で満了となった。この時、大きく注目されたのが「ロールオーバー」だ。ロールオーバーは、金融用語で「乗り換え」を意味する。投資で得た利益には基本的には20%の税金がかかるが、NISAの場合は年間120万円までの新規投資から得られる利益が5年間非課税となる。つまりロールオーバーをうまく利用すれば非課税で運用できることになる。ロールオーバーは資産運用においては大きな鍵となるのだ。

ロールオーバーとは?

まずは「ロールオーバー」について少し説明しておこう。NISA口座内の商品は非課税期間満了までに売却しない場合、特定口座等の課税口座に移すかロールオーバーすることになる。ロールオーバーした場合は、5年間の非課税期間が満了する商品を翌年のNISA非課税投資枠に移すことになる。こうすることで、さらに5年間非課税で資産を保有することができるのだ。

ただ、課税口座に移した場合もロールオーバーした場合も、金額は非課税期間満了時点での額となる点には注意が必要だ。ロールオーバーは非課税期間満了時の残高で、翌年の非課税投資枠を使うことになるので、ロールオーバーした分、翌年の投資可能額は少なくなる。120万円以上ロールオーバーした場合、翌年のNISA口座では新規の投資ができない。

非課税期間満了時の額が購入時よりも低い人はロールオーバー検討を

ロールオーバーをするべきなのは、非課税期間満了時の額が購入時よりも下がっていることが見込まれる人だ。

移管時の価格が購入時より上がっていた場合は、その後の売却で購入時より高い価格だったとしても移管時より下がっていれば売却損となり課税されない。

たとえば購入価格120万円だった商品が、移管時に150万円に値上がりしていた場合を例にしてみよう。新たな取得が150万円になるので、売却時に150万円を超えなければ利益なしのため課税されない。150万円より上がっていればその差に課税される。

もし売却価格が130万円で購入価格より高かったとしても、新たな取得価格より20万円低いので売却損ということになる。購入時の価格からみて売却価格が低ければ、必然的に売却損ということになるので課税されることはないのだ。

ところが非課税期間満了時の額が購入当初より下がっていた場合、その下がった額が新たな取得価格となってしまう。先ほどとは逆に購入価格120万円だった商品が移管時に80万円になっていたとしよう。

すると新たな取得価格が80万円になるため、その後にたとえ購入時より低い100万円で売却したとしても20万円の利益が生じたことになり課税されてしまう。

移管時に購入価格より下がっていると、実際には損をしたのに新たな取得価格との差で課税される場合が出てきてしまう。

その点、ロールオーバーすれば非課税のまま保有し続けることができる。非課税で配当を受け取ることもできるし、新たな非課税期間中に売却すれば非課税期間満了時より値上がりしていたとしても売却益も非課税なのだ。それゆえ非課税期間満了時の額が購入時より下がっていることが見込まれる人は、ロールオーバーをしたほうがいいだろう。

ロールオーバーの手続きの2つの注意点

NISAのロールオーバーには各金融機関で定める手続きが必要で、手続きしないと自動的に課税口座へ移管されてしまう。2018年末で非課税期間が満了する分についてはすでに移管手続きの締切りを過ぎているところが多いが、今後もロールオーバーを考える人は金融機関からの通知や手続き期限に注意しておく必要がある。以下に手続きの際における注意点を挙げておく。

金融機関を変更するとロールオーバーできない

NISAは、1年単位で金融機関を変更することができる。ただ、年内に一度でもNISA口座で買い付けを行っていた場合には、その年内は変更ができないという条件付きだ。買い付けを行った場合は翌年を待って変更の手続きを行う。さらに変更を行う場合には、変更を希望する年の前年の10月1日から変更推したい年の9月30日までに手続きを完了しなければならない。

この金融機関の変更とロールオーバーの関係が少々複雑なのでよく説明しておこう。

結論から言うと、ロールオーバーの手続きを行う際、最初に商品を購入した金融機関から別の金融機関に講座を変更している場合はロールオーバーができない。

例えば当初A金融機関でNISA口座を開設し商品を購入、途中でB金融機関にNISA口座を変更した場合を考えてみる。この場合、A金融機関で購入した商品はA金融機関で保有し続けることはできる。その間は最長5年間は非課税の適用対象となる。ただしB金融機関のNISA口座に移管することはできないため、非課税期間が満了となった時点で以下の対応を行う必要がある。
  • B金融機関の課税口座に移管する
  • 売却する
つまり、金融機関を変更した場合には通常口座に移すか売却するしか方法がなくなるということだ。そのため、金融機関を変更する場合には、保有の残高がロールオーバーする可能性があるかどうかを考えて行うことが大切だ。

NISA口座で購入した商品はつみたてNISAの口座にロールオーバーできない

NISA口座とつみたてNISA口座は同時に持つことはできない。つみたてNISAは長期投資に適した特定の投資信託だけに限られている。そもそもつみたてNISAにはロールオーバーの制度自体がない。

NISAからつみたてNISA口座に変更した場合で、過去にNISA口座で購入した商品のロールオーバーを希望するならつみたてNISAの口座を廃止して、再度NISA口座を設定することになる。

非課税期間満了後の出口戦略も考えよう

NISAの非課税投資枠は年間120万だが、非課税期間満了時に値上がりしていた場合は120万円を超える部分についても非課税投資枠に移管可能だ。NISA導入当初はロールオーバーできる額は非課税投資枠までとなっていたが、現在はロールオーバー可能な金額に上限はない。
    
NISAは金融機関によって手数料や扱える商品の種類が異なる。そのためどこに口座を開設するか、商品選びなどの入り口が大事と言われる。しかし、非課税期間満了後の出口戦略も考えておかなければ損をするケースもあるのだ。金融庁の平成31年度税制改正要望項目では、NISA制度の恒久化が盛り込まれており、今後も引き続き非課税期間満了時の取り扱いをどうするか選択する必要が出てくる。

NISAは非課税だからと放置するのではなく、保有している商品の値動きをチェックし、売買のタイミングや保有継続の判断を自分で行い、必要に応じた手続きができるようにしたいものだ。

文・柴田千青(ファイナンシャル・プランナー)

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