住宅ローン控除が3年間の延長!控除を受けるための要件を解説

2019.11.24
FINANCE
(写真=88studio/Shutterstock.com)
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消費税が10%になり、政府は消費の落ち込みを防ぐ政策のひとつとして住宅ローン控除の期間を延長した。これによって増税後でも住宅購入が後押しされると考えられるが、単純に住宅ローン控除の期間を延長しただけではない。

住宅ローン控除期間が従来から3年間延長された

住宅ローン控除延長の中身を確認する前に、従来からの住宅ローン控除がどのような仕組みなのか振り返っておきたい。

住宅ローン控除とは、住宅ローンを借りて要件に当てはまるマイホームを購入すると、一定金額を所得税から控除できる仕組みだ。控除額は住宅ローンの借入金年末残高に対し1%の金額である。

たとえば、3,000万円の住宅ローン残高なら30万円が所得税から控除され、年間の最大控除額は40万円までになる。控除期間は10年間で最大400万円を控除できる。認定住宅といわれる性能がよく長持ちする住宅や環境に配慮した住宅なら、年間で最大の控除額は50万円に増額する。
 
従来からの住宅ローン控除
控除期間 10年間
控除率 借入金年末残高×1%
最大控除額 400万円(認定住宅は500万円)
補足 所得税から控除しきれない場合は住民税から控除可能(上限13万6,500円)
(※国税庁のホームページより筆者作成)

住宅ローン控除を使えば税金の負担感はかなり抑えられるが、消費税増税によって物件価格自体が実質値上がりになる。不動産は価格が高いため、2%の増税でも数十万円の違いになり住宅取得マインドを冷え込ませることになりかねない。

そこで住宅ローン控除期間を3年間延長しトータル13年間とすることで、増税後の住宅購入を後押ししているのだ。

住宅ローン控除延長で知っておきたい2つのポイント

住宅ローン控除延長後の3年間についてはこれまで通り所得税を減税できるが、最大控除額は変わらない。知っておきたいのは3年間の延長期間で消費増税分が相殺されることと、住宅ローン控除の延長には期限があることだ。

住宅ローン控除の延長期間は計算方法が変わり消費増税分が相殺される

今までの住宅ローン控除では借入金年末残高の1%が控除対象だった。消費税増税に伴う住宅ローン控除では、10年間は従来通り同じだが、延長される3年間の控除額は以下のどちらか少ないほうが控除金額になる。

⑴借入金年末残高(上限4,000万円)×1%
⑵建物本体価格(上限4,000万円)の2%÷3年

⑵については増税分を相殺するための仕組みである。

不動産に対する消費税は建物のみにかかり、土地には課税されない。仮に2,500万円の土地と1,500万円の建物なら、消費税10%分を含めて合計4,150万円になり、消費税8%と比べると30万円多く支払わなければならない。

これが住宅ローン控除の延長によって相殺されることになる。住宅ローンを組んでから10年経過し、残り3年間の住宅ローン控除がどうなるのか見てみよう。

たとえば、毎年120万円ずつ返済し、10年後の借入金年末残高が2,950万円とする。11年目以降の住宅ローン控除は⑴か⑵のどちらかになる。⑵の場合「建物本体価格1,500万円の2%÷3年」になるため、11年目に所得税から控除できる金額は10万円である。

12年目と13年目も10万円ずつ控除することになり、単純計算では消費増税で増えた30万円分が相殺されるのだ。

消費増税によって住宅価格は上がってしまうものの、住宅ローン控除期間が延長されることで増税後の住宅購入でも不利になりにくいという政府のメッセージと言えるだろう。

住宅ローン控除の延長は2020年末までの時限措置

住宅ローン控除の延長は消費増税前後で住宅購入を検討していた人にとってうれしい政策だが、控除期間を延長するには要件がある。

住宅ローン控除の延長は消費増税に伴う政策であるため、消費税10%のかかる住宅が大前提だ。消費税8%の住宅や消費税のかからない売り主が個人である中古住宅は、従来通りの住宅ローン控除が適用される。

住宅ローン控除を延長するためには、2020年12月31日までに入居しなければならず、その期間を過ぎた場合は消費税10%の住宅でも従来と同じ10年間の住宅ローン控除になる。

つまり住宅ローン控除の延長は、消費税を増税した直後の住宅購入を冷え込ませないための時限措置なのだ。そろそろマイホームを持ちたいと考えている人は、住宅ローン控除の延長があるうちに検討しておいたほうがいいかもしれない。

住宅ローン控除延長以外の住宅購入支援政策も活用しよう

住宅ローン控除が延長されたことで、住宅購入において消費増税をあまり気にする必要はないだろう。政府は他にも以下の住宅購入支援政策を実施しており、条件が同じなら消費増税後のほうが得をするケースも多いと考えられる。
  • 「すまい給付金の拡充」
  • 「次世代住宅ポイント制度」
  • 「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置」
この中で広く該当しやすいのが「すまい給付金の拡充」だ。すまい給付金は今までなら目安となる年収510万円以下の人に最大30万円を給付する内容だったのが、消費増税後は対象が拡充され、目安の年収775万円以下の人に最大50万円が給付される。

高年収者は該当しない人もいるが、一定の性能がある住宅を取得すれば次世代住宅ポイントとして最大35万円相当が付与される政策もある。住宅ローン控除延長以外にもこうした制度が活用できるか確認してみよう。

文・國村功志(資産形成FP)
 

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