住宅ローンは金利だけでなく事務手数料も比較したほうがいい理由

2019.7.9
FINANCE
(写真=Tinnakorn jorruang/Shutterstock.com)
(写真=Tinnakorn jorruang/Shutterstock.com)
ひと言に金融機関といえど都市銀行、地方銀行をはじめ、信用金庫、信用組合、住宅金融支援機構と多様である。最近ではネット銀行の台頭により、住宅ローン選びにもさまざまな選択肢が増えてきた。住宅ローン選びに失敗しないコツは、金利だけでなく事務手数料にも注目することだ。

住宅ローンの金利や事務手数料は金融機関により大きく異なる

主要都市銀行で新規住宅ローンを店頭で借りた場合、金利の中央値は変動金利で2.475%、固定金利は3年固定で2.94%、10年固定で3.25%だ(宅金融支援機構の2019年6月の「民間金融機関の住宅ローン金利推移」による)。

住宅ローンの実効金利は各金融機関によって大きく異なる。各金融機関が設定する優遇金利制度によって大きく下げられるからだ。三井住友銀行の場合、変動金利は店頭金利で年2.475%だが、優遇金利制度により融資金利は年0.625%~年0.775%に引き下げられる。ネット銀行の住信SBIネット銀行は、変動金利は店頭金利で年2.775%、融資金利は年0.457%になる。(いずれも2019年6月現在)

金融機関ごとの事務手数料の差は意外と大きい

住宅ローンは支払い期間が長いため、少しの金利差でもトータルの支払い金額に差が出る。そのためできるだけ安い金利で借りたいと思うのは当然だ。

注意をしたいのが、住宅ローンを借りる際に必要な銀行の事務手数料だ。三井住友銀行の場合は、住宅ローンを融資する際の手数料として保証会社手数料3万2,400円(税込)が発生する。一方の住信SBIネット銀行の手数料は借入金額の2.16%であり、仮に5,000万円を借りた場合、手数料は108万円と高額だ。

金利が安くても事務手数料も含めれば、結果として支払い金額が多くなるケースもあるので、住宅ローンを選ぶ際には、金利以外にも事務手数料の金額に注意したい。

住宅ローンの金利は都市銀行でもネット申込みで店頭金利よりも安くなる

ネット銀行の場合は事務手数料が高いケースが多いが、メリットはわざわざ金融機関に行く手間がかからないということだ。利用者の増加により一般の銀行でもネットで住宅ローンの取り扱いを始めている。

一般の銀行でネットを利用して申し込むと店頭よりも金利は安くなる。三井住友銀行が提供する住宅ローンをネットで申し込むと、融資金利は通常年0.625%~年0.775%から年0.525%~年0.725%と最大で年1.95%も下がる。しかし事務手数料はネット銀行と同じ借入金額の2.16%になる点には注意だ(2019年6月現在)。

住宅ローンの繰上げ返済の手数料は意外と負担になる

住宅ローンの貸出期間の平均は26.4年だが、返済期間は平均15.2年と短い。実際に住宅ローン利用者の65.1%は、繰り上げ返済や一括返済を利用して15年以内に完済している。(住宅金融支援機構の2018年度「民間住宅ローンの貸出動向調査」による)

住宅ローンの借入時に繰り上げ返済の手数料を気にする人は少ないかもしれないが、繰り上げ返済にも手数料が掛かる金融機関が多い。一部繰り上げ返済か一括繰り上げ返済かによっても手数料は異なってくる。

例えば三井住友銀行で一部繰り上げ返済を利用する場合、手続き方法により1回につき最大で1万6,200円かかる。一括繰り上げ返済の場合は、5,400円~2万1,600円の事務手数料がかかる。住信SBIネット銀行の場合は、固定金利特約時の一括繰り上げ返済の事務手数料は1契約あたり3万2,400円かかるが、それ以外は無料となる。イオン銀行も同様で、一部繰り上げ返済の事務手数料は無料だが、一括返済の場合は5万4,000円もかかる。

このようにネットで住宅ローンを取り扱っている金融機関では、繰り上げ返済の手数料は無料になるところが多い。一方、ネットで住宅ローンを扱っていない地方銀行や信用金庫では、繰り上げ返済には事務手数料がかかる。その金額も一部繰り上げ返済の場合は5,400円程度だが、一括返済の場合は5万円以上かかるケースもある。

住宅ローンは金利だけでなく事務手数料も比較して選ぶのがベスト

住宅ローンを選ぶ際には、金融機関によって金利、事務手数料など条件が違うため、金利が安いというだけで選ぶと最終的に損をしてしまうこともある。

三井住友銀行の住宅ローンを店頭申込とネット申込で比較してみると……

三井住友銀行で住宅ローンの借入額5,000万円、元利均等方式で25年、ボーナス払いはなしの条件で融資を受けた場合を考えてみよう。

店頭申し込みの最低融資金利は0.625%。計算すると最終的な返済額は5,402万700円になる。保証会社の手数料3万2,400円を加えると支払い額の合計は5,405万3,100円だ。

一方、ネットで申し込んだ場合は最低融資金利0.525%で計算すると最終的な返済額は5,336万3,700円になる。これに事務手数料108万円を加えた支払額の合計は5,444万3,700円となり、総支払額ではネットで申し込んだ方が約39万円も多くなる。

ネットで申し込む場合、返済期間が短くなればなるほど、手数料が占める割合が高くなるため、店頭で申し込む場合と比較すると割高になる。住宅ローンを検討する際は、金利だけにとらわれず、返済期間や事務手数料など総合的に比較して選ぶことが重要なのだ。

文・山口智也(宅地建物取引士・公認不動産コンサルティングマスター)
 

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