住宅ローンの金利は変動金利と固定金利のどっちが得なのか

2020.2.26
FINANCE
(写真=Puttachat Kumkrong /Shutterstock.com)
(写真=Puttachat Kumkrong /Shutterstock.com)
住宅ローンを組むときに迷うのが、変動金利か固定金利のどちらを選択するかだ。住宅ローンには「変動金利型」と固定金利の「固定期間選択型」「全期間固定金利型」という金利タイプがある。いったいどれが得だと言えるのか。

住宅ローンの変動金利型は金利上昇リスクを伴うが金利は最も低い

住宅ローンの変動金利型の特徴は返済期間中に金利が見直される点だ。金利が上がれば住宅ローンの返済額が増えるリスクがあるが、金利は最も低く設定されている。ほとんどの金融機関では金利の見直しは半年に一度、住宅ローンの返済額の見直しは5年に一度行われる。ただしソニー銀行などのように返済額の見直しを半年ごとに行う金融機関もある。

住宅ローンの変動金利型の3つのメリット

住宅ローンの変動金利型のメリットとしては、主に次の3つがある。
  • 金利が低い
  • 金利が上がらなければ返済額(支払う利息)が最も少ない
  • 元金の減るペースが早い
住宅ローンの変動金利型の最大のメリットは金利の低さだ。金利が低ければ支払う利息が少なくなり、返済額が同じなら元金をより早く返済できる。

住宅ローンの変動金利型の3つのデメリット

変動金利型の住宅ローンのデメリットとしては、主に次の3つがある。
  • 金利上昇リスクがある
  • 毎月の返済額、総返済額が借入時点では確定しないため、返済計画を立てにくい
  • 未払利息が発生するリスクがある
変動金利型の住宅ローン最大のデメリットは金利上昇リスクだ。金利が上がれば住宅ローンの返済額(利息額)が増える。住宅ローンの返済額の見直しが5年に一度行われる金融機関では、変動金利の金利が上がっても毎月の返済額がすぐに増えることはない。しかし住宅ローンの返済額に占める利息の割合が増え、元金の返済ペースは遅くなってしまう。

金利が大きく上昇すると返済額を利息が上回る「未払い利息」が発生することもある。可能性は低いが、未払い利息が発生すれば元金は減らなくなり、返済期間中に返済しきれなかった元金と利息は一括返済しなくてはならない。

<新規借り入れ>変動金利 商品別金利一覧(金利が低い順)
適用金利 商品名
0.399% ジャパンネット銀行 住宅ローン
0.415% 住信SBIネット銀行 ネット専用全疾病保障付住宅ローン
<通期引下げプラン>
0.415% SBIマネープラザ ミスター住宅ローンREAL
<通期引下げプラン>
0.440% 横浜銀行 住宅ローン 融資手数料型
0.450% 新生銀行 パワースマート住宅ローン変動金利(半年型)タイプ
<変動フォーカス>
※2月10日現在、編集部にて作成

住宅ローンの固定期間選択型は一定期間の金利が固定される

住宅ローンの固定期間選択型の特徴は3年、5年、10年などの特約期間中は金利が変わらない点だ。特約期間後はその時点の金利で再び固定期間選択型にするか、変動金利型に切り換えるかを選択する。

住宅ローンの固定期間選択型の2つのメリット

住宅ローンの固定期間選択型のメリットとしては、主に次の2つがある。
  • 特約期間中は金利が固定される
  • 全期間固定型よりも金利が低い
住宅ローンの固定期間選択型では、特約期間中に金利や返済額の見直しは行われない。特約期間中の返済額が確定するのは借入時点である。金利水準は変動金利型より高いが全期間固定金利型よりは低い。住宅ローンの固定期間選択型は教育費のかさむ時期など、一定期間なるべく低い金利で返済額を確定させておきたい人などにメリットがある。

住宅ローンの固定期間選択型の3つのデメリット

住宅ローンの固定期間選択型のデメリットとしては、主に次の3つがある。
  • 固定期間終了後には金利が上がることが多い
  • 変動金利型よりも金利は割高な傾向がある
  • 借入時点では固定期間終了後の返済額や総返済額が確定しない
住宅ローンの固定期間選択型では固定期間終了後の金利や返済額は確定しない。固定期間終了後に金利引き下げ幅が縮小され、金利が変化していなくても適用される金利が上がるケースも多い。

三菱UFJ銀行・ネット専用住宅ローンの場合をみてみよう。当初適用金利は0.59%と変動金利並に低いが、特約期間終了後は1.59%に金利が引き上がる。

固定10年(店頭金利:年3.190%)
当初適用金利:0.59%(金利引き下げ幅:▲2.60%)
特約期間終了後の適用金利:年1.59%(金利引き下げ幅:▲1.60% ※店頭金利が変化しなかった場合)

<新規借り入れ>固定金利10年 商品別金利一覧(金利が低い順)
適用金利 商品名
0.550% じぶん銀行 住宅ローン 当初期間引下げプラン
0.580% ソニー銀行 固定セレクト住宅ローン【自己資金10%以上】
0.590% 三菱UFJ銀行 ネット専用住宅ローン固定10年プレミアム住宅ローン
0.620% ジャパンネット銀行 住宅ローン
0.650% りそな銀行 りそな住宅ローン(金利プラン当初型)融資手数料型
※2月10日現在、編集部にて作成

住宅ローンの全期間固定金利型の金利は割高だが借入時点で金利や返済額が確定

住宅ローンの全期間固定金利型の特徴は借入時点の金利や返済額が確定し、返済期間中に金利が変わらない点だ。全期間固定型の代表的な商品には「フラット35」がある。

住宅ローンの全期間固定金利型の3つのメリット

住宅ローンの全期間固定金利型のメリットとしては、主に次の3つがある。
  • 借入時点で適用金利・返済額が確定する
  • 金利上昇リスクを回避できる
  • 住宅ローンの返済計画が立てやすい
住宅ローンの全期間固定金利型は、借入時点の金利が完済まで適用されるため、返済額も借入時点で確定する。金利が上昇して返済額が膨らむリスクを回避でき、住宅ローンの返済計画を立てやすいというメリットがある。

住宅ローンの全期間固定金利型のデメリット

  • 変動金利に比べ金利が割高
  • 元金の減るペースが遅い
  • 適用金利が下がることがない
住宅ローン全期間固定金利型は、借入時点では他の金利タイプと比べ金利が割高だ。返済期間中にあまり金利が上がらなければ、変動金利型よりも多くの利息を支払うことになる。支払う利息が多ければ、元金の減るスピードも変動金利型に比べ遅くなる。

固定金利なので金利は上がりもしないが下がりもしない。金利はすでにかなり低い水準にあるため大きく下がることはないだろうが、変動金利型のように金利低下によるメリットは受けられない。

<新規借り入れ>全期間固定金利 商品別金利一覧(金利が低い順)

住宅ローン各社の比較表

金融機関 住信SBIネット銀行 三菱UFJ銀行 ARUHI auじぶん銀行 ジャパンネット銀行
金利タイプ 変動 固定期間選択 全期間固定 変動 固定期間選択 全期間固定 変動 固定期間選択 全期間固定 変動 固定期間選択 全期間固定 変動 固定期間選択 全期間固定
商品名 ネット専用住宅ローン
通期引下げプラン
ネット専用住宅ローン
当期引下げプラン 固定20年
フラット35
【保証型・買取型】
ネット専用住宅ローン
変動金利選択プラン
ネット専用住宅ローン
固定10年プレミアム住宅ローン
- ARUHI 変動S
(変動金利型)
ARUHI 変動S
(当初固定金利型)10年
ARUHI フラット35S 住宅ローン
全期間引下げプラン(変動)
住宅ローン
当初期間引下げプラン(固定10年)
- 住宅ローン 変動金利
(全期間引下型)
住宅ローン 10年固定
(当初期間引下型)
-
金利 0.415% 1.25%
(固定20年)
【保証型】0.83%
【買取型】0.94%
0.525% 0.55% - 0.70%~1.00% 1.00%~1.30%
(10年固定)
機構団信加入0.99%
団信不加入0.79%
(借入期間:21~35年)
0.410% 0.550%
(固定10年)
- 0.399% 0.620%
(10年固定)
-
保証料 不要 不要 不要 不要 不要 - 金利に上乗せ 金利に上乗せ 不要 不要 不要 - 不要 不要 -
事務手数料
(消費税込)
借入金額×2.20% 借入金額×2.20% 【保証型】借入金額×2.20%
【買取型】借入金額×1.10%
借入金額×2.20% 借入金額×2.20% - 借入金額×2.20% 借入金額×2.20% 返済額に含む 借入金額×2.20% 借入金額×2.20% - 借入金額×2.20% 借入金額×2.20% -
団体信用生命保険料 無料
(全疾病保障団信)
無料
(全疾病保障団信)
【保証型】
無料(全疾病保障団信)
【買取型】
団信加入時の借入金利(新機構団信)
団信加入時の借入金利+0.18%
(新機構団信 デュエット 夫婦連生団信)
団信加入時の借入金利+0.24%
(新3大疾病付機構団信)
無料 無料 - 無料(一般団信)
約240円/月(がん50%保障プラン)
約710円/月(がん100%保障プラン)
約1,180円/月(生活習慣病団信)
団信加入時の借入金利 (機構団信)
団信加入時の借入金利+0.18%
(機構団信 デュエット 夫婦連生団信)
団信加入時の借入金利+0.24%
(3大疾病付機構団信)
団信加入時の借入金利 (機構団信)
団信加入時の借入金利+0.18%
(機構団信 デュエット 夫婦連生団信)
団信加入時の借入金利+0.24%
(3大疾病付機構団信)
無料(一般団信、がん50%保障団信)
年利0.2%(がん100%保障団信)
年利0.3%(ワイド団信、11疾病保障団信)
無料(一般団信、がん50%保障団信)
年利0.2%(がん100%保障団信)
年利0.3%(ワイド団信、11疾病保障団信)
- 無料(一般団信)
年利0.1%(がん50%保障団信)
年利0.2%(がん100%保障団信)
年利0.3%(11疾病保障団信、ワイド団信)
無料(一般団信)
年利0.1%(がん50%保障団信)
年利0.2%(がん100%保障団信)
年利0.3%(11疾病保障団信、ワイド団信)
-
一部繰上返済手数料
(ネット経由)
無料 無料 無料 無料 無料 - 無料 無料 無料 無料 無料 - 無料 無料 -
特徴 無料で団信・全疾病保障がついてくる メガバンクの信頼と実績 利用額12年連続NO.1 住宅ローン専門の金融機関 フラット35のシェア9年連続NO.1 6つの無料サービスでおトクに借りられる 業界最低水準の金利が魅力
  詳細はこちら
(公式サイトへ)
詳細はこちら
(公式サイトへ)
詳細はこちら
(公式サイトへ)
詳細はこちら
(公式サイトへ)
詳細はこちら
(公式サイトへ)
- 詳細はこちら
(公式サイトへ)
詳細はこちら
(公式サイトへ)
詳細はこちら
(公式サイトへ)
詳細はこちら
(公式サイトへ)
詳細はこちら
(公式サイトへ)
- 詳細はこちら
(公式サイトへ)
詳細はこちら
(公式サイトへ)
-
※3月2日現在、編集部にて作成

住宅ローンの変動金利型を利用している人は約6割

この数年は約6割の人が変動金利型を選択し、固定期間選択型、全期間固定金利型と続く(※住宅金融支援機構「2018年度住宅ローン利用者の実態調査(第2回)」より)。
※住宅金融支援機構の調査結果をもとに筆者作成
 
変動金利型が選ばれる理由は、金利の低さにほかならない。例えば3,000万円を元利均等返済(ボーナス返済)なしで25年ローンを借りる場合、月々の返済額や総返済額には次のような差が生じる。
  • 変動金利型(年0.525%)……10万6,727円(総返済額3,201万8,217円)
  • 全期間固定金利型(年1.280%)……11万6,904円(総返済額3,507万1,294円)
変動金利型と全期間固定金利型を比べると、毎月の返済額では全期間固定金利型が約1万円多い。返済期間中に金利の変動がなかったとすれば、総返済額は300万円以上も多くなる。これだけ差があると変動金利型を選ぶ人が多いのもうなずける。

住宅ローンの変動金利型のメリットは金利が上昇すると帳消しになることもある

住宅ローン借入後に金利が上昇し、変動金利の返済額が固定金利の返済額より多くなることもある。

金利上昇に伴う変動金利型の住宅ローンの返済額の変化

金利0.5%で借りた変動金利型(※1)の毎月の返済額は10万6,400円だ。5年後に金利が0.5%上がり1.0%になると、11万1,736円に、1.0%上がり1.5%になると11万7,239円になる(6年目以降完済まで金利が上昇しなかった場合)。

毎月の住宅ローンの返済額が金利1.0%の全期間固定金利型の返済額を上回るのは、5年後に金利が0.7%上がり、適用金利が1.2%になった場合だ(1.2%の金利が完済まで続くと仮定)。変動金利型の返済額は当初の5年間で元金の返済が進んでいる分、同じ1.0%まで金利が上がったとしても返済額は全期間固定金利型を下回る。
 
変動金利型
(当初借入金利0.5%)
固定金利型
(借入金利1.0%)
5年後の金利 5年目までの毎月返済額 6年目からの毎月返済額
0.5% 10万6,400円 10万6,400円 11万3,061円
0.7% 10万8,515円
0.9% 11万0,656円
1.0% 11万1,736円
1.2% 11万3,917円
1.5% 11万7,239円
※住宅金融支援機構・返済プラン比較シミュレーションを使い筆者試算
※1.借入条件:借入金額3,000万円・借入期間25年・元利均等返済・ボーナス返済なし

住宅ローンの変動金利と固定金利のどっちがいいかはリスク許容度に応じて選択

変動金利と固定金利のどっちがいいかは、住宅ローンを利用する人によって金利タイプの向き・不向きはあるので絶対的な正解はない。各金利タイプのメリット・デメリットを理解し、返済シミュレーションなどを行った上で、自身が最も良いと考える住宅ローンの金利タイプを選べばいい。

住宅ローンのような長期的な金利の動きはプロでも金利自体は予測・コントロールできないが、金利変動リスクの大きさは金利タイプの選択によって自分でコントロールできる。金利変動リスクをどの程度許容できるかが、金利タイプを選ぶ際の最も重要なポイントだ。

短期的な金利であればある程度予測できる

金利は日銀の金融政策によってコントロールされており、短期的な動きはある程度予測できる。2020年2月現在、日銀は物価上昇率が安定的に2%を超えることを目標として、ゼロ金利政策、金融緩和を続けている。2019年の消費者物価(生鮮食品を除く)の上昇率は0.6%であり、目標の2%には遠く及んでいないことから低金利の状態は当面続くものと予想される。

住宅ローンの固定金利型より変動金利型が向いている人とは

次のような人は固定金利型より変動金利型住宅ローンが向いているだろう。

住宅ローンの返済余力の大きい人(リスク許容度の高い人)

返済余力の大きい(資力に余裕がある)人は、金利上昇への対応力も高い。金利が上昇した場合には繰り上げ返済によって残債を減らすなど、リスクをある程度コントロールできる。こういうタイプは金利面で優位性のある変動金利型が向いていると言える。

住宅ローンの借入期間が短い人・将来繰り上げ返済を予定している人

借入期間が短いほど金利上昇による影響は少ない。住宅ローンの借入期間が短い人や将来繰り上げ返済により借入期間を短縮する予定の人は変動金利型が向いている。一つの目安は借入期間20年以下だ。

全期間固定金利型の住宅ローンが向いている人とは

次のような人は変動金利型より全期間固定金利型住宅ローンが向いている。

住宅ローンの返済計画を確定させておきたい人

毎月の返済額や総返済額を借入時点で確定しておきたい人は、全期間固定金利型の住宅ローンが向いている。

返済期間中にあまり金利が上がらなければ変動金利型の住宅ローンよりも負担が大きくなるが、返済額が確定している安心感がある。余裕のできたタイミングで繰り上げ返済をすれば返済負担を軽減することもできる。

住宅ローンの返済額が増えると返済できなくなる可能性のある人

返済余力の小さい人には、住宅ローンの借入時点での返済額が少ない変動金利型のほうが適しているように思える。しかし金利が上昇して住宅ローンの返済額が増えると返済できなくなる可能性のある人は固定金利型を選択しておくのが賢明だ。

そもそも固定金利では負担が重いという場合は、住宅ローンの返済計画に無理があり返済できなくなる可能性が高い。住宅を購入するのであれば、少なくとも全期間固定金利型で住宅ローンを組んでも無理なく返済できるようになってからにすべきだろう。

新しく住宅ローンの借り入れを検討する

◇変動金利の低さは業界トップクラス、無料で全疾病保障付き
>>「住信SBIネット銀行」の住宅ローンはこちら

◇住宅ローン取り扱い残高民間NO.1!7大疾病保障など団信の特約が充実
>>「三菱UFJ銀行」の住宅ローンはこちら

◇低水準の金利がうれしいメガバンク、独自サービスも充実
>>「三井住友銀行」の住宅ローンはこちら

◇フラット35実行件数シェア1位!保証料・繰上返済手数料も無料
>>「ARUHI」の住宅ローンはこちら

◇保証料・一部繰上げ返済手数料が無料、イオンでの買い物も毎日5%
>>「イオン銀行」の住宅ローンはこちら

◇70金融機関から比較・申し込みができる
>>「住宅本舗」で住宅ローンを探す

文・竹国弘城(ファイナンシャル・プランナー)
 

【関連記事】
住宅ローン控除は2年目以降も確定申告が必要か?忘れた場合はどうなる?
住宅ローンをこれから組むなら変動金利と固定金利のどっちが得か
40代で家を買うのは遅過ぎるのか?住宅ローンを組むときのポイントは?
住宅ローンは年収800万円でいくらまで組めるのか
iDeCo(イデコ)と住宅ローン控除の併用がデメリットとなるパターンとは

PREV iDeCo(イデコ)を40代から始めるのは遅いのか メリット、デメリットをわかりやすく解説
NEXT クレジットカード番号の見方や意味――16桁の法則、会社識別番号、悪用されないための仕組みなど

READ MORE...