クレジットカードには有効期限が設定されており、一般的には5年だ。なぜ有効期限が設けられているのだろうか? 有効期限が切れて更新できない場合とは、どんな場合なのか。カード番号やセキュリティコードなど、更新時に注意したいことなども含めて見ていこう。
目次
1,クレジットカードの有効期限は何年?
2,有効期限がある2つの理由
3,カード更新に必要な手続き
4,更新されたらカード番号やセキュリティコードはどうなる?
5,クレジットカード更新後にまずやるべきことは?
6,有効期限で更新できない5つの理由
7,新しいクレジットカードが届かない場合
1,クレジットカードの有効期限は何年?どこで確認できるのか
クレジットカードには、有効期限が設定されている。その確認方法などを見ていこう。
クレジットの有効期限 通常は5年だが……
有効期限はカード会社によって異なるが、一般的には5年だ。ただし、入会直後は1~3年程度。会員の信用度が増す次の更新以降は、5年程度の周期になるケースが多いようだ。
有効期限の確認方法 カード表面に記載
一般的に、クレジットカードの有効期限は表面に記載されている。「03/21」や「03-21」、「03/’21」といったエンボス加工の文字が有効期限だ。「03/21」は「月/年」を表しているので、2021年3月まで使えることになる。どちらが年でどちらが月かわからなくなったら、有効期限の上の印字「MONTH/YEAR」を見ればわかるだろう。
なお、有効期限は記載されている月の「月末」に設定されている。上の例なら、2021年3月31日まで使えるということだ。
最近は有効期限やカード番号、会員氏名のエンボス加工を廃止したカードもある。また三井住友カードは、カード裏面に印字されるようになっている。
2,有効期限がある2つの理由 再与信と経年劣化
なぜ、クレジットカードには有効期限が設けられているのだろうか。その理由として、「会員に対する再与信(途上与信)」と「カード券面の経年劣化」が挙げられる。
有効期限がある理由1,会員に対する再与信(途上与信)
有効期限が設定されている第1の理由は、「会員に対する再与信」だ。与信とは、その会員の信用を審査することである。入会時の審査以外に、更新時にも自社でのカード利用履歴のほか、他社カードやカードローンの利用状況、携帯電話端末代金の分割払いなどに問題がないかどうかをチェックする。これを再与信あるいは途上与信といい、その結果によってカードが更新されるかどうか決まる。
これは、カード発行当時とは会員の状況が変化している可能性があるからだ。カード会社にとって、数年に一度のカード更新のタイミングは再与信を行う重要な機会なのだ。
有効期限がある理由2,カード券面の経年劣化
ほとんどのクレジットカードはプラスチックでできており、長く使っていると経年劣化による汚れやキズなどで券面が傷む。すると券面の印刷がかすれて見にくくなるほか、カードの磁気部分やICチップが劣化して読み取りエラーが生じやすくなる。
定期的にカードを新しくすることで、このようなトラブルを未然に防ぐことが、有効期限がある第2の理由だ。
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3,クレジットカード更新時の手続きには何が必要なのか?
このような理由で有効期限が設定されているのだが、更新の手続きはどのようにすればいいのだろうか?
通常は自動的に更新される
基本的に新しいクレジットカードは自動的に更新され、カード会社に登録してある住所に簡易書留で届く。カード会社によって異なるが、有効期限の1~2ヵ月前から順次発送され、有効期限の2週間くらい前までには届くようになっている。
なお、すでに募集を停止している種類のクレジットカードについても、そのカードの保有者には同じ種類の新しいカードが届く。
更新間近に注意すべきこと
ただし、引越しなどで住所を変更した場合は注意が必要だ。郵便局へ転送届を出していたとしても、セキュリティ上の理由で転送されない。引越しをした場合は、必ずカード会社に新住所を伝えておこう。住所だけでなく、電話番号などを変更した際も知らせるようにしよう。
更新時期になってもクレジットカードが届かない場合は、カード会社に問い合わせる必要がある。
また、海外旅行や留学、出張などで長期不在となり、カードの更新時期と重なりそうな場合も、事前にカード裏面に記載されている問い合わせ先に電話し、新しいカードの事前発行を依頼するといいだろう。カード会社によって対応は異なるが、3~6ヵ月くらい前から発行を受け付けているところが多い。
4,更新されたらカード番号やセキュリティコードはどうなる?
クレジットカードが更新されると、カード番号やセキュリティコードはどうなるのだろうか?
クレジットカード番号は変わらない
更新後も、カード番号は変わらない。ただし、更新時に他の種類のカードに切り替えると、カード番号は変わる。たとえば、一般カードからゴールドカードに切り替え場合などだ。
たとえば、一般カードから「セブンカード・プラス(ゴールド)」や「イオンゴールドカード」などに切り替えた場合はカード番号が変わるので、ネットショップなどで登録している番号も忘れずに変更しよう。
セキュリティコードは変わる
カード番号は変わらないが、セキュリティコードは変更される。セキュリティコードとはカードの裏面に印字された数字の末尾3桁のこと。なお、アメリカン・エキスプレスは表面に4桁で印字されている。
セキュリティコードは、クレジットカードの実物が使用者の手元にあることを確認するためのものだ。この情報は、クレジットカードの磁気ストライプやICチップには記録されておらず印字のみなので、カードリーダーなどによって不正に読み取られる心配もない。
カードの利用伝票や明細書に記載されることもなく、カードを持つ本人しか知ることができないため、オンライン決済時における不正利用のリスクを軽減する効果がある。
通常、クレジット決済画面に入力されたセキュリティコードをオンラインショップなどが記録として残すことは禁じられている。しかし、ショップ側が不正に記録したセキュリティコードがカード番号や有効期限などの情報とともに漏洩する事件が起きることがある。
その場合はカードを再発行するしかないが、知らないうちに漏洩してしまっていることもあるだろう。このようなリスクを低減するという目的で、カードの更新のたびにセキュリティコードが変わるのだ。
5,クレジットカード更新後にまずやるべき3つのこと サイン、情報更新、旧カードの破棄
新しいカードが届いたら、必ずやらなければならないことがいくつかある。いずれも重要なことなので、カードが届き次第、すぐにやるようにしよう。
1,署名欄にサインする――上書きサインは不可
新しいクレジットカードが届いたら、すぐに裏面の署名欄に自筆でサインしよう。サインがないと、紛失・盗難などでカードが不正利用された場合でも補償されない。また署名欄が空欄のカードは、店舗でクレジット決済を断られることもある。
サインはどのようなものでもいいが、真似しにくいようフルネームを漢字で書くのがベターだ。消えないように油性ペンで記入し、書き損じた場合はカード裏面に記載された問い合わせ先に連絡して再発行してもらう。サインを上書きしたカードは、基本的に利用できないので注意しよう。
2,公共料金などの自動支払い・ショッピングサイトの情報更新
電気料金やガス料金などを毎月自動的にクレジット払いにしている場合や、ネットショップなどにクレジットカードを登録している場合、有効期限が過ぎるとクレジット決済ができない状態になる。その場合は、新しいカードの有効期限とセキュリティコードを改めて入力する必要がある。
カード会社によって対応が異なるが、公共料金についてはカード会社が自動更新してくれることもある。自分で情報を更新する必要があるか、カード会社が対応してくれるかは、更新前に調べておきたい。
3,古いカードを破棄する――付帯機能に注意
更新された新しいカードが届いたら、古いカードはハサミなどで切り刻んで破棄する。
このとき、不正利用されないよう、個人情報が保存されている磁気ストライプやICチップの部分のほか、名前・カード番号・サインなどの部分をできるだけ細かく裁断し、できればそれぞれを別の日にゴミとして廃棄するようにしたい。JCBではカードにハサミを入れる位置まで詳しく解説しているので、参考にするといいだろう。
裁断・破棄の前に確認しておきたいのは、そのカードが電子マネーやポイントカード、あるいは銀行キャッシュカードなど、クレジットカード以外の機能も併せ持っているかどうかだ。たとえば、カード付帯の電子マネーのチャージ分が裁断によって使えなくなってしまうことがある。
クレジットカード以外の機能については、新カードへの移行・引継ぎなどができるかどうか、できない場合はどうすればいいかを事前によく確認しておこう。
6,有効期限になってもクレジットカードが更新できない5つの原因
カード会社に登録してある住所が正しいにもかかわらず、有効期限を過ぎても新しいクレジットカードが届かないことがある。更新されず有効期限を迎えたクレジットカードはそれ以降使うことができず、継続購入やリボ払い返済などで支払い残高があれば、それらが一括で請求される可能性も否定できない。
なお、カード会社に連絡して更新されない理由を尋ねても教えてもらえない。更新できない理由は推測するしかないが、以下の5つが原因であることが多い。
原因1,一定期間クレジットカードを利用しなかった
1つ目は、「一定期間クレジットカードを利用しなかった」場合だ。カード会社によって「一定期間」の定義はことなるが、カードの発行や送付には費用がかかるため、長い間カードを利用していない人は自動更新の対象から外されることがある。今後も保持していたいカードであれば、年1回程度は利用しておいたほうがいいだろう。
原因2,延滞を繰り返している
先にも触れたが、以前の更新から数年経過しているため、カードの更新にあたってカード会社は改めて会員の再与信(途上与信)を実施する。その際に問題になるのが、カード利用代金の支払い延滞だ。
有効期限内に延滞が1~2回で、かつカード会社から延滞の連絡を受けてすぐに入金すれば、支払い用口座への入金忘れと見なされ、さほど問題視されないだろう。しかし延滞を繰り返し、カード会社からの督促があってもなかなか入金しない場合は、信用のおけない会員と見なされカードの更新が難しくなる。
延滞に関しては、有効期限を迎えるクレジットカードだけでなく、信用情報機関を通じて他社のクレジットカードやローンなどについても調査される。
原因3,キャッシングやカードローンの借入額が多い
自社だけでなく他社も含め、キャッシングやカードローンなどの借入額が多いと与信ではマイナス要素となり、カードが更新されないことがある。
余裕があれば、カード更新時期に一気に返済するのも手だ。それが難しい場合は、普段から借入額が大きくなりすぎないようにして、少しでも余裕のあるときに返済を進めておきたい。
原因4,多重申し込みをした
短期間(半年間)に、複数のクレジットカードに連続して申し込むことを「多重申し込み」という。これも与信ではマイナス要素となるので注意したい。カードが更新されない可能性を考えて、別のカードを複数まとめて申し込むようなこともマイナスに働くので避けるべきだ。
原因5,規約違反が発覚した
規約違反が発覚した場合は強制解約となるか、有効期限が到来した時にカードが更新されない可能性がある。規約違反は、たとえば家族や知人へクレジットカードを貸すことや、ギフト券や高級時計など換金性の高い商品をクレジット支払いで購入した後、すぐに売却して現金を得る行為(ショッピング枠の現金化)などだ。
規約違反ではないとしても、同じギフト券を大量に繰り返し購入するような不自然な利用もまた、規約違反を疑われてカードが更新されない可能性がある。
また規約違反ではないが、カード会社の問い合わせ先に対してクレーマーと言えるような言動があった場合も、カードが更新されない可能性がある。
どのNG行動も、再与信(途上与信)において信用に値しない人間と判断される要素になる。引き続きカードを使いたいなら、自ら信用を損ねない行動を心掛けたい。
7,有効期限が過ぎても新しいクレジットカードが届かない場合は?
有効期限が過ぎても新しいクレジットカードが届かない場合は、まずは不在で郵便物を受け取れずに返送されていないか、あるいは不在票に気づかず郵便局で取り置きになっていないか調べよう。発送の事実があるかどうか、カード会社に確かめてもいいだろう。引越し前の住所に送られてカード会社に返送されていたなら、住所変更の手続きをして改めて発送してもらう必要がある。
カード会社の返答が「更新はしない」であれば、そのカード会社での更新はあきらめるしかない。更新されない理由に心当たりがあり、それが前述の理由の2~4のいずれかであれば、信用情報に「傷」がついていると考えられ、他のカード会社で新たにカードを作ることも難しいと考えられる。
その場合はVISAやMastercardなど、国際ブランドのついたデビットカードやプリペイドカードを作ることぐらいしか、代替手段はない。
クレジットカードで問題を起こした場合でも、解約後5年経つとその情報は消える。それまではデビットカードやプリペイドカードを利用し、借入額が残っている場合はそれを返済した上で、再度他のカード会社で申し込むと新しいクレジットカードを作れる可能性がある。
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