クレジットカードの「セキュリティコード」とは、裏面の署名欄にある番号の最後の3桁のことだ。ネットショッピングでよく記載を求められるセキュリティコードだが、実店舗でのカード利用がメインの人にはあまりなじみがないだろう。そもそもセキュリティコードはなぜあるのか、他人に教えていいのかなどについて説明していこう。
目次
1,クレジットカードのセキュリティコードとは?
2,セキュリティコードの仕組み
3,セキュリティコードを使うのはどんな時?
4,セキュリティコードが漏洩したときの対処法
5,カード情報漏洩を招く4つのNG行動
6,セキュリティコードが判読できない場合
7,セキュリティコードの重要性
1,クレジットカードのセキュリティコードとは?場所や作られた理由
セキュリティコードとは、カード番号とは別にクレジットカードに記載されている3桁または4桁の数字のこと。安全性を向上させる目的で導入されている。
セキュリティコードの記載場所は裏面署名欄が多い
自分のカードのセキュリティコードを確認するとき、どこを見ればいいのだろうか? 国際ブランド別に、セキュリティコードの位置や桁数などを整理したので、参考にしてもらいたい。
国際ブランド | 表面/裏面 | 位置 | 桁数 |
VISA | 裏面 | 署名欄 | 3桁 |
Mastercard | 裏面 | 署名欄 | 3桁 |
JCB | 裏面 | 署名欄 | 3桁 |
アメリカン・エキスプレス | 表面 | カード番号の右上 | 4桁 |
ダイナースクラブ | 裏面 | 署名欄 | 3桁 |
カード裏面の署名欄に3桁のみが記載されていれば、その数字がセキュリティコードだ。
セキュリティコードができた理由 ネットでの不正利用防止
セキュリティコードは、ネットショッピングなどオンライン決済におけるクレジットカードの不正利用を防ぐ目的で導入された。オンライン決済をしようとする人の手元に、確かにクレジットカードがあることを証明し、それにより不正利用を防止しようとするものだ。
2,セキュリティコードの仕組み なぜ不正利用を防止できるのか?
印字してある3~4桁の数字が、そこまで安全性を高めてくれるとは思えない人もいるだろう。セキュリティコードが存在する理由を知るには、まずクレジットカードとネットショッピングの仕組みを理解しなければならない。
次からは、セキュリティコードが必要な理由と、それが不正利用を抑止する仕組みについて説明しよう。
セキュリティコード登場した背景 ネット決済の普及
インターネットが普及する前は、クレジットカードは実店舗で利用されるのが基本で、利用者と店員が対面でクレジットカードによる決済を行っていた。その場合、客は自身のクレジットカードを店員に渡し、店員はサインやパスワードで本人確認を行う。このときは当然、手元にクレジットカードの現物がなければ決済ができない。
しかしオンライン決済では、利用者と店員が対面することはない。パソコンやスマホの画面にカード番号や氏名、有効期限などの情報を入力するだけで決済できてしまう。
これは便利な反面、不正利用の可能性を生むことになった。カード番号などの情報さえあれば、手元にクレジットカードの現物が存在しなくても、他人になりすまし、他人のカードでクレジット決済ができる。しかも、その作業を行っているところを誰にも見られない。
セキュリティコードでなぜ不正利用を抑止できるのか?アナログゆえの特徴
クレジットカードの磁気ストライプやICチップには、カード番号や氏名、有効期限などの情報が記録されている。店舗では、クレジット決済時に端末でそれを読み取って決済を行う。便利な仕組みだが、「スキミング」といって専用の機械を使ってカード情報を不正に読み取り、それを悪用する犯罪が問題になっている。
以前は、不正に読み取った情報を使って偽造クレジットカードが作られていた。オンライン決済の普及にともない、情報を決済画面に入力するだけで済むようになったため、不正利用がより簡単になってしまったのだ。
そこで、不正利用を抑止するためにセキュリティコードが登場した。セキュリティコードの情報は、磁気ストライプにもICチップにも記録されていない。さらにクレジットカードの利用伝票や明細書にも記載されない。ただカードに記されているだけで、完全なアナログだ。スキミングで読み取られることがなく、カードの現物を持つ人だけが知りうる数字ということになる。
店舗でのクレジット決済時に店員が不正にメモを取ることはできるが、利用者や他の店員の目がある中で実際にそれを行うことは難しいため、クレジットカードが不正に利用されるリスクは軽減される。
安全性向上のためセキュリティコードはカード更新で変更される
カードが有効期限を迎えて更新された新しいカードが届いたら、カード番号とセキュリティコードを古いカードと見比べてほしい。カード番号は変わらないが、セキュリティコードは変わっているはずだ。カード更新後は公共料金や定期購入の支払い、よく利用するネットショップなどの決済画面で、新しい有効期限とセキュリティコードを入力しなおす必要がある。手間に感じるかもしれないが、これも安全にクレジットカードを使うための仕組みなのだ。
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3,セキュリティコードを使う場面 CVCとCVVの違いなども解説
このようなメリットがあるセキュリティコードだが、どんな状況でどのように使うのか?
ほとんどのネットショップで入力を求められる
現在、多くのネットショップやオンライン決済サービスでは、カード番号、氏名(カード名義人)、有効期限のほか、セキュリティコードの入力が求められる。
決済画面で必要事項を入力した後、最終段階で「セキュリティコードを入力してください」との指示が出るので、それに従いカード券面で数字を確認して入力する。以前に利用したことがあり、カード情報が登録済のネットショップであっても、セキュリティコードのところだけ空欄になっており、毎回入力するようになっている。
決済画面によっては、最初に国際ブランドがアメリカン・エキスプレスかそれ以外かを問われることがある。これは、アメリカン・エキスプレスだけがセキュリティコードが4桁なので、セキュリティコードの入力欄の桁数が変わるからだ。
セキュリティコードと「CVC」「CVV」は同じ意味
ネットショップによっては、セキュリティコードが「CVC」あるいは「CVC2」、「CVV」あるいは「CVV2」と表記されていることがある。何を入力すればいいか迷ってしまうかもしれないが、前者はMastercardの、後者はVISAのセキュリティコードの表記法だ。アメリカン・エキスプレスでは、「CID」と表記されていることもある。海外のサイトなら、「Card Verification Number」と書かれているかもしれない。
いずれもセキュリティコードを指す用語なので、通常のセキュリティコード欄と同じように数字を入力すればいい。
入力を必要としない場合とその理由
セキュリティコードを入力することなくクレジット決済ができるネットショップもある。しかし、大手ネットショップやネットモール、公共料金のオンライン決済などで見かけることは少ない。「不正利用に対する対策はどうなっているのか?」と思う人もいるかもしれないが、そのようなサイトでは、過去の利用履歴や購入商品などを精査して、不正利用の可能性があるかどうかを確認しているようだ。
利用者がセキュリティコードに慣れていないと、入力の際に何回か誤入力をして決済画面がロックされることもある。企業側にとっては販売機会を失うことになってしまうため、そうならないために入力を求めないのだろう。
このような理由から、セキュリティコードの入力を必要としないネットショップが存在すると考えられる。
4,セキュリティコードが漏洩したときの対処法
安全上重要な意味を持つセキュリティコードだが、漏洩した場合はどうすればいいのだろうか?
情報漏洩による被害額は増加 34.1%増の68億円
一般社団法人「日本クレジット協会」によると、2019年7~9月の不正利用被害額は68億円。前年対比で34.1%増加している。
これを受けて、銀行系クレジットカード会社で構成される日本クレジットカード協会は、カード加盟店に対してカード情報を保持しないことを推奨している。情報の保持が必要な場合は、5つの国際カードブランド(Visa、Mastercard、JCB、アメリカン・エキスプレス、ディスカバー)が共同で策定したカード情報を守る国際基準「PCI DSS」に準拠することを求めている。
同協会が2010年に定めたガイドラインでは、ネットショップなどがセキュリティコードを保持することも厳しく禁止しているが、実際は、セキュリティコードを含むカード情報が漏えいする事件がたびたび起きているのが実情だ。
クレジットカード情報が漏洩した際の対処法
もし、自分のクレジットカード情報が被害に遭ったことが明らかになったなら、カード会社に連絡してすぐにカードの利用停止を申請しよう。その後、新しいカードを再発行してもらうことになる。新しいカードでは、カード番号だけでなくセキュリティコードも変わる。
漏洩したカード情報にセキュリティコードが含まれていない場合でも、不正利用リスクが高いことに変わりはないので、早急にカードの利用停止と再発行を申請すべきだ。再発行に手数料がかかる場合でも、多くは漏洩を起こした企業が負担してくれる。
なお、自分の過失でカード情報が漏洩してしまうケースもあることを、念頭に置いておきたい。
5,カード情報漏洩を引き起こしてしまう4つのNG行動
カード会社や登録したネットショップからカード情報が漏洩してしまうこともあるが、自分の使い方が原因になることもある。カード決済を安全に行うために、してはいけないNG行動を紹介しよう。
NG行動1,メモを取る
クレジットカードを普段持ち歩かない人はカードをしまい込んでいて、それを毎回取り出すのが面倒でセキュリティコードをメモしているかもしれない。
これは自ら不正利用リスクを高める行為であり、特にクラウドサービスなどにカード番号などとセットで記録していた場合、それが不正にアクセスされてクレジットカードの不正利用につながることもあり得る。
NG行動2,フィッシングサイトにアクセスしてしまう
企業の公式サイトを装った偽サイトに誘導して、カード情報などを入力させる「フィッシング詐欺」にも注意したい。フィッシング詐欺は多くの場合、実在する企業名でメールを送り付け、その中のリンクを経由して偽サイトへ誘導する手口だ。基本的にはメール内のリンクはクリックせず、確認したいことがあれば、検索サイト経由で公式サイトにアクセスするようにしたい。
NG行動3,SNSに投稿しない
言うまでもないことだが、クレジットカードを撮影した写真などはSNSには絶対に投稿してはならない。モザイクや塗りつぶしの処理をしていたとしても、不正利用リスクを高める行為には変わりない。
NG行動4,家族に教える
セキュリティコードは他者に教えるものではなく、それは家族も同じだ。そもそも、クレジットカードは規約上本人しか使うことができず、家族に貸すことも規約違反となる。それが発覚した場合、利用停止処分や強制退会処分を受けることもある。
家族が使ってはならない以上、セキュリティコードを教える必要もない。セキュリティコードを教えるというのは、家族に自分のカードを使わせる機会を与えていることになるので、そのような規約違反になりかねないことは避けるべきだ。
6,セキュリティコードが判読できない場合はカード会社に連絡
カードを使用しているうちに、印字がかすれてセキュリティコードの判読が難しくなってしまうこともあるだろう。あるいはサインのインクがにじんだり、サインをセキュリティコードの上に書いてしまったりする可能性もある。この場合はカード会社に連絡して、対処方法を相談しよう。多くの場合、カードが再発行されることになるだろう。
1桁分だけ判読できない場合、決済画面のセキュリティコード欄に「正解」になるまで数字を順番に入力しようとする人もいるかもしれない。しかし、何度も間違えると不正利用を疑われる可能性もあるので、そのような行為は避けたい。
7,セキュリティコードの重要性をよく認識して慎重な扱いを
セキュリティコードについて最低限知っておきたいことは、カードのどこに記載されているかということと、ネットショップなどのオンライン決済画面においてどのように入力すればいいかだ。それだけ知っていれば、クレジットカードの利用において特に支障はない。
セキュリティコードが、文字通りセキュリティのために存在しており、不正利用の抑止に役立っていることを理解すれば、セキュリティコードは厳重に管理すべきであることに気づくはずだ。
カード番号と同じか、それ以上に重要なセキュリティコードは、どんなに慎重に扱っても慎重すぎるということはない。
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