「ミライノ カード PLATINUM」は、旅行などの際にプラチナグレードのサービスを享受できる上に、1.2%という高いポイント還元率を併せ持つステータスカードだ。貯めたポイントをお得なレートで支払い充当できたり、現金化できたりするのも魅力。空港ラウンジサービスや付帯保険も含めて、このクレジットカードの特徴を解説していく。

目次
1,「ミライノ カード PLATINUM」の基本スペックと審査基準
2,「ミライノ カード PLATINUM」の5つのメリット
3,「ミライノ カード PLATINUM」のポイントサービス、還元率
4,「ミライノ カード PLATINUM」の3つのデメリット
5,「ミライノ カード PLATINUM」はどんな人におすすめなのか?

1,「ミライノ カード PLATINUM」の基本スペックと審査基準――還元率1.2%、プライオリティ・パス付帯

住信SBIネット銀行が発行するクレジットカード「ミライノ カード PLATINUM」。「ミライノ カード」シリーズの最上位グレードであるこのカードには、通常還元率1.2%、プライオリティ・パス付帯といったプラチナカードらしい特徴がある。

まずは、このカードの基本スペックを見ていこう。

基本スペック……QUICPay一体型クレジットカード

国際ブランド JCB
年会費 2万7,500円(税込)
ポイントサービス ミライノ ポイント
通常ポイント還元率 1.2%
ポイント交換対象 カード利用代金への充当
【スマプロポイント経由】
現金
JALマイル
空港ラウンジサービス 国内主要32空港
ハワイ・ホノルル
プライオリティ・パス
(世界1,300ヵ所の空港ラウンジ)
付帯保険 海外旅行傷害保険(自動付帯)
国内旅行傷害保険(自動付帯)
ショッピングガード保険(利用付帯)
モバイル端末保険(自動付帯)
追加カード ETCカード
電子マネー QUICPay(カード付帯)
※別途専用カードも発行できる

審査基準……年収700万円以上と明記

申し込み対象として、「20歳以上(学生不可)/年収700万円以上」と明記されている。これは、審査基準そのものと考えていいだろう。年収以外では年齢だけが記載されていることから、勤務先や勤続年数などはあまり重視されないと思われる。

ただし、過去にクレジットカードやカードローン、携帯電話端末の分割払いなどで延滞があると、年収条件をクリアしていても審査通過は難しいだろう。

ステータス性……プラチナカードとしてはそこまで高くはない

銀行系クレジットカードではあるが、プラチナカードとしては年会費が比較的安いため、持っているだけで自慢できるカードではない。

参考までに、ワンランク下にあたる「ミライノ カード GOLD」と比較してみよう。

ミライノ カード PLATINUM ミライノ カード GOLD
年会費(税込) 2万7,500円 3,300円
※年間100万円以上の
利用で次年度無料
申し込み対象 20歳以上(学生不可)/
年収700万円以上
20歳以上
(学生不可)
通常ポイント還元率 1.2% 1%
空港ラウンジサービス 国内主要32空港
ハワイ・ホノルル
プライオリティ・パス
(世界1,300ヵ所の空港ラウンジ)
国内主要32空港
ハワイ・ホノルル
旅行傷害保険 海外最高1億円
国内最高1億円
海外最高5,000万円
国内最高5,000万円
ショッピング
ガード保険
年間100万円限度
(海外・国内)
年間50万円限度
(海外)
モバイル端末保険 年1回最大5万円 なし
スマートプログラム 2ランクアップ 2ランクアップ

「ミライノ カード GOLD」には、プラチナカードらしい申し込み対象や空港ラウンジサービス、付帯保険が設定されていることがわかる。一般的なゴールドカードと比べると、一目置かれるのは間違いないだろう。

2,「ミライノ カード PLATINUM」の5つのメリット――空港・トラベルサービスや銀行優待など

ここからは、「ミライノ カード PLATINUM」にはどのようなメリットがあるのか解説していこう。

メリット1,空港サービスが充実――プライオリティ・パスで空港ラウンジ無料、手荷物無料宅配も

・世界1,300ヵ所以上の空港ラウンジが無料利用できるプライオリティ・パス付帯

このカードには世界148ヵ国、600を超える都市にある1,300ヵ所以上の空港ラウンジを無料で利用できる「プライオリティ・パス」がついている。

これは、「プライオリティ・パス プレステージ会員」の特典に相当するもので、通常であれば429米ドルの年会費がかかるサービスだ。国際線をよく利用する人なら、これだけで十分年会費の元を取れるだろう。

・国内とハワイの空港ラウンジも無料で利用できる

JCBが提供する、国内主要32空港とハワイ・ホノルルのダニエル・K・イノウエ国際空港のラウンジを無料で利用できるサービスもある。利用できるラウンジのある国内空港は、以下のとおり。

新千歳空港 函館空港 旭川空港 青森空港
秋田空港 仙台空港 新潟空港 富山空港
小松空港 成田国際空港 羽田空港 富士山静岡空港
中部国際空港
セントレア
関西国際空港 神戸空港 大阪国際空港
(伊丹)
岡山桃太郎空港 米子空港 広島空港 出雲空港
山口宇部空港 高松空港 徳島空港 松山空港
北九州空港 福岡空港 大分空港 長崎空港
熊本空港 宮崎ブーゲン
ビリア空港
鹿児島空港 那覇空港

・国内の主要空港で手荷物無料宅配サービス

空港でのサービスで特筆すべきは、手荷物無料宅配サービスだ。これは、JCBトラベルデスクで1組5万円以上の対象旅行商品を申し込んでカードで支払った場合に、往復分の手荷物無料宅配券が1枚ずつプレゼントされるというもの。

羽田空港国際線、成田空港、中部国際空港、関西国際空港が対象となる。

「ミライノ カード PLATINUM」のこれらのサービスは、国内・海外旅行の移動のさらに快適にしてくれるはずだ。

メリット2,JCB提供のトラベル・グルメ・レジャー特典なども利用可――JCBプラザ、レストラン30%オフ、USJラウンジなど

このカードの国際ブランドは「JCB」。JCBが提供するさまざまなトラベルサービス、グルメ・レジャー特典なども利用できる。主なものは、以下のとおり。

・トラベルサービス・特典

サービス名 内容
JCBプレミアム
ステイプラン
厳選したホテルと旅館で優待料金や限定特典を提供
海外ラグジュアリー・
ホテル・プラン
海外の最高級ホテル宿泊時にさまざまな特典を提供
JCBプラザ/
JCBプラザラウンジ
世界各地の主要都市にあるJCBの
海外サービス窓口「JCBプラザ」
「JCBプラザラウンジ」を利用できる
JCBプラザコールセンター
(日本/海外)
日本のコールセンターでは海外渡航前に
現地JCB加盟店の予約手配ができる
海外のコールセンターは緊急時の
電話サポート対応を提供
たびらば
(ウェブ/アプリ)
渡航先のJCB加盟店の優待情報を
提供するネットサービス
人気レストランの無料予約機能なども利用できる
ワイキキトロリー
乗車賃無料
ハワイでワイキキ-アラモアナ間の
シャトルバスが無料に
JCB GLOBAL WiFi割引 海外用WiFiルーターレンタルが20%オフ、
受渡・返却手数料無料に
海外レンタカー割引 ハーツレンタカー、ダラーレンタカー、
バジェットレンタカー、
ニッポンレンタカーなど複数社の
海外レンタカーが5~25%オフ
JCB空港優待ガイド 国内主要国際空港内のJCB加盟店で
使える優待クーポンガイド
空港免税店割引 成田国際空港、関西国際空港の免税店
「ANA DUTY FREE SHOP」で
5%または10%割引になる優待クーポン券を提供

特に「JCBプラザ/JCBプラザラウンジ」は、ハワイ・ホノルルやシンガポール、バンコク、パリ、ロサンゼルスなど、旅行先として人気の都市に設置されているので、旅をより便利にしてくれるだろう。

・グルメ・レジャーサービス・特典

サービス名 内容
ダイニング30 全国の対象レストランで事前予約の上、
専用クーポン提示とカード支払いで30%オフに
ユニバーサル・スタジオ・
ジャパン JCB LOUNGE
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の
「ザ・フライング・ダイナソー」
施設内JCBラウンジを利用できる。
ラウンジではアトラクション
優先搭乗などのサービスを提供

ユニバーサル・スタジオ・ジャパンによく訪れる人は、特別感のある体験ができるだろう。

メリット3,年中無休のコンシェルジュデスクで各種手配の手間を省ける

「ミライノ カード PLATINUM」には、プラチナカードらしくプラチナ・コンシェルジュデスクのサービも用意されている。コンシェルジュデスクでは、ホテル・航空券・レンタカーの手配や、ゴルフ場や各種チケット、レストランなどの予約に関して、24時間365日サポートを受けられる。

トラベル系やグルメ系の優待を、賢く活用する上でも役立つだろう。

メリット4,振込手数料など「住信SBIネット銀行」の優遇サービスが受けられる

銀行が発行するカードだけあって、クレジットカードの利用代金引落口座を住信SBIネット銀行に設定することで、同行の優遇サービスを利用できる。優遇内容は、以下のとおり。

・優遇1,カードローン金利が年0.1%引き下げ

住信SBIネット銀行のカードローン金利が0.1%引き下げられる。ただし、同行のカードローンのうちオリックス・クレジットとジャックスが保証するカードローン契約については対象外だ。

・優遇2,スマートプログラムが2ランクアップ

4段階ある住信SBIネット銀行の優遇プログラム「スマートプログラム」のランクが、2ランクアップする。ランクに応じて、ATM利用手数料と振込手数料が無料になる回数が設定されている。

振込手数料無料回数
(他行あて)
ATM利用手数料
無料回数(引き出し)
ランク4 月15回 月15回
ランク3 月7回 月7回
ランク2 月3回 月5回
ランク1 月1回 月2回

なお、住信SBIネット銀行、三井住友信託銀行あての振込手数料は、回数無制限で無料だ。

住信SBIネット銀行に口座を持っていると無条件でランク1となり、「ミライノ カード PLATINUM」会員がカード利用代金の引落口座を同行に設定すると、2ランクアップしてランク3となる。また、総預金の月末残高が30万円以上ならランク2になるので、その上で「ミライノ カード PLATINUM」の2ランクアップが適用されるとランク4となる。これは、比較的達成しやすい条件と言えるだろう。

住信SBIネット銀行の他行あて振込手数料は、通常1回157円(税込)、ATM利用手数料(引き出し)は通常1回110円(税込)なので、ランク4では月に最大4,005円(税込)もお得になる。

メリット5,手厚い補償の旅行傷害保険など付帯保険が充実――最高1億円、家族特約付き

「ミライノ カード PLATINUM」には海外・国内旅行傷害保険、ショッピングガード保険、モバイル端末の保険が付帯する。

・旅行傷害保険……自動付帯で、海外の治療補償額が大きい

旅行傷害保険は海外・国内とも最高1億円で、旅行代金のカード支払いの有無に関係なく付帯する(自動付帯)。海外・国内とも、家族にも保険が適用される「家族特約」がつく。

【海外旅行傷害保険(自動付帯)】

補償内容 保険金額
本会員 家族特約対象者
死亡・後遺障害保険金 最高1億円 最高1,000万円
傷害治療保険金 最高1,000万円 最高500万円
疾病治療保険金 最高700万円 最高350万円
賠償責任保険金 最高1億円 最高5,000万円
携行品損害保険金 最高100万円(※) 最高50万円(※)
救援者費用保険金
※保険期間中
最高500万円 最高250万円
(※)1旅行・1年間、携行品1つ(1点または1対)あたり10万円限度(自己負担額3,000円)

【国内旅行傷害保険(自動付帯)】

補償内容 保険金額
本会員 家族特約対象者
死亡・後遺障害保険金 最高1億円 最高1,000万円
入院保険金 日額5,000円 日額2,500円
通院保険金 日額5,000円 日額2,500円

海外の治療補償額が大きいため、万が一海外でケガをしても安心して治療を受けることができるだろう。

・ショッピングガード保険(利用付帯)……年間最高100万円の補償

国内外で購入した品物について破損や盗難などの損害が生じた場合、購入日の翌日から90日間、年間最高100万円まで補償される。旅行傷害保険の保険金額と比較すると、こちらは少し物足りない印象がある。

・モバイル端末の保険(自動付帯)……年1回最大5万円

「ミライノ カード PLATINUM」の付帯保険で独特なのが、「モバイル端末の保険(通信端末修理費用保険)」だ。これは、スマートフォンなどモバイル端末機器が破損・損壊・水濡れ・水没・故障・盗難に遭った場合、年1回・最大5万円まで補償を受けられるというもの。カード会員本人だけでなく、会員と同居の家族が所有するモバイル端末機器も補償対象となる。

対象機器と補償金額は、以下のとおり。

修理可能な場合 修理不能の場合
(修理不能による
有償交換含む)
スマートフォン 最大5万円
/年1回
最大1万2,500円
/年1回(※)
タブレット端末
デスクトップパソコン
ノートパソコン
スマートウォッチ
モバイルゲーム機
モバイル音楽
プレーヤー

(※)1万2,500円を上限として端末購入金額の25%が支払われる

ネット銀行のサービスを利用する際は、スマホやタブレットを使うことも多いだろう。モバイル端末の故障や破損に備えられる、この保険のメリットは大きい。

3,「ミライノ カード PLATINUM」のポイントサービス、還元率――スマプロポイント経由で現金化もできる

このクレジットカードは、旅行や銀行利用の際にメリットを感じられるカードだが、1.2%という高いポイント還元率も魅力だ。

貯まるポイントと還元率……1.2%還元で「ミライノ ポイント」が貯まる

貯まるポイントは「ミライノ ポイント」で、毎月のクレジット利用金額の合計に対して1,000円ごとに6ポイント(12円相当※1ポイント=2円相当)が貯まる。

ポイント還元率は1.2%、ポイントの有効期限は3年間だ。

ポイントの交換対象……カード利用代金の充当にも

「ミライノ ポイント」は1,000ポイント以上(100ポイント単位)で、カード利用代金の支払いに充当できる。レートは1ポイント→2円なので、1,000ポイントだと2,000円分だ。多くのクレジットカードでは支払い充当する場合、還元率は0.3~0.5%になることが多いので、かなり良いレートと言える。

また、住信SBIネット銀行の商品・サービス利用などで貯まる「スマプロポイント」にも、1,000ポイント以上(100ポイント単位)で交換できる。レートは1ポイント(ミライノ ポイント)→2ポイント(スマプロポイント)なので、1,000ポイントだと2,000スマプロポイントに交換できることになる。

【ミライノ ポイントからの交換】

交換対象 必要なミライノ
ポイント数
交換対象単位
カード利用代金への充当 1,000P~
※100P単位
2,000円分~
スマプロポイント 2,000P~

「スマプロポイント」は、現金かJALマイルに交換できる。現金には500ポイント以上(100ポイント単位)で、1ポイント→1円のレートで交換できる。JALマイルには500ポイント以上(100ポイント単位)で、100ポイント→40マイルのレートで交換できる。

【スマプロポイントからの交換】

交換対象 必要なスマプロポイント数 交換対象単位
現金 500P~
※100P単位
500円~
JALマイル 200マイル~

「スマプロポイント」には、カード利用代金の引落額が5万円以上の月に100ポイントが付与されるボーナスポイントの仕組みがある。また、住信SBIネット銀行の商品・サービスの利用で、所定のポイントを月ごとに獲得できる。

4,「ミライノ カード PLATINUM」の3つのデメリット

「ミライノ カード PLATINUM」のメリットだけでなく、欠点もしっかり把握しておこう。ここからは、他のクレジットカードと比較して、デメリットと考えられる3つのポイントを見ていく。

デメリット1,JCBは海外の加盟店が少ない

JCBは国内では加盟店が多いが、VISAやMastercardと比べると海外では加盟店が少ない。海外渡航時は、VISAブランドかMastercardブランドのカードを併用することをおすすめする。

デメリット2,審査の年収条件がかなり厳しい

年会費が2万円台のプラチナカードの審査条件としては、年収700万円以上というのは少々ハードルが高いかもしれない。

700万円以上の年収があるなら、「三井住友カード プラチナ」や「アメリカン・エキスプレス・プラチナ・カード」といったハイステータスカードも狙える。よって、この「ミライノ カード PLATINUM」を選ぶ理由は乏しいと言わざるを得ない。

デメリット3,家族カードが発行されない

旅行傷害保険に家族特約が付いているが、家族カードは発行されない。したがって、家族で家計支払やポイントをまとめることができない。

5,「ミライノ カード PLATINUM」はどんな人におすすめなのか?

それでは、「ミライノ カード PLATINUM」はどんな人におすすめなのだろうか。それは、メリット・デメリットやポイントサービス、還元率を改めて確認することで見えてくる。

複雑なポイントアップの仕組みがなく、通常のポイント還元率が1.2%と高いため、普通に使っているだけでポイントがどんどん貯まっていく。よってポイントアップするために、あれこれ工夫するのが面倒な人に向いている。貯めたポイントの使い道が特に決まっていないという人でも、カード利用代金に充当でできるので困ることはないだろう。

「ミライノ カード PLATINUM」はポイント還元率が高く、ある程度のステータスがあり、海外旅行の際に活用できるクレジットカードを探している人にとっては有力候補になるだろう。

執筆・モリソウイチロウ

「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカード分野では専門サイトでの執筆経験もあり。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。

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