2018年から2019年の注目キーワード「サブスクリプション(サブスク)」。クルマ、洋服、家具……。あらゆるカテゴリで「サブスク化」が進んでいます。そして、最近話題となることが多いのが飲食店サブスク。ここでは、一般飲食店、高級店に分けてコスパをチェックしていきます。飲食店サブスクは利用すべき? それとも見送った方がいいでしょうか?

一般飲食店のサブスク:月額4,000円で飲み放題の居酒屋プラン

まずは、ラーメン店、居酒屋、カフェなど一般飲食店のサブスクの状況を見ていきましょう。このカテゴリのサブスクは、“ミドル&ヘビーユーザーであれば”間違いなくコスパが高いと言えます。過当競争の飲食業界では、インパクトのある料金設定でないと会員数が伸びません。そのため、ユーザーに魅力的な料金を提案する必要があるようです。

飲食店で注目の集まるサブスクとしては、「野郎ラーメン」あります。2017年と早い段階からスタートしたこともあり、メディアからの注目が集まりました。 その内容は、月額9228円で1日1杯のラーメンが食べ放題。780円・830円・880円の3種類のメニューから選べます(いずれも税込価格)。仮に、一番安い780円を毎回食べたと考えると、下記のようなシミュレーションになります。

  • 780円×10回=7800円(1428円損)
  • 780円×20回=15600円(6372円得)
  • 780円×25回=19500円(10272円得)

    利用者から見た時の採算分岐点は「月12回以上利用」。約2日に1回ペースで「野郎ラーメン」に通っているなら明らかに得になります。

    この他、注目度の高いサブスクとしては、「コーヒーマフィア」のコーヒー飲み放題(3,000円)や「金の蔵」の飲み放題(4,000円)などがあります。いずれも圧倒的なコスパの高さです。例えば、「金の蔵」のサブスクでは、約60種のアルコール飲料などが対象。同様の飲み放題プランは1,800円なので数回来店するだけで元が取れる計算です。定額利用には「できれば2品以上のメニュー注文」という店舗からのお願いがありますが、200円台-300円台のリーズナブルなおつまみも豊富。1回当たりのおつまみコストを1,000円以内に抑えれば、3万円前後で毎日晩酌することも可能です。

高級店のサブスク:毎晩通っても3万円六本木のフレンチ

高級フレンチ(ワインバー)のサブスクも話題を集めています。六本木の「プロヴィジョン」の月額料金は3万円。この価格だけを見ると割高のように感じられるかもしれませんが、1ヵ月内に何度繰り返し来ても3万円(会員を含め4人まで)。一般的に、六本木界隈で落ち着いたワインが楽しめる店だと8,000円から1万5,000円程度はするでしょう。それを考えるとコスパはかなり高いと言えます。

ただし、富裕層向けサービスということもあり、「元をとろう」という利用者はあまりいないよう。別途費用の高級ワインを注文する利用者が目立つとのことです。

サブスク飲食店が狙っているのはクロスセル

話題のいくつかの店舗を見る限り、飲食サブスクのコスパはかなり高いと言えます。足繁く通う飲食店がサブスクをやっているなら契約を検討してもいいのかもしれません。

しかしなぜ、飲食サブスクはこのような“ユーザー有利な料金設定”でもやっていけるのでしょうか? 大半の店舗が狙っているのはクロスセル、つまり「ついで買い」です。カフェであればフードメニュー、ワインバーであればオプションの高級ワインが注文されることで採算がとれるというわけです。

逆に店舗側からすると、このクロスセルが機能しなければ、採算がとれないということになります。飲食業界は人件費や仕入れがあるため、一般的に利益率が低い業界と言われます。サブスクが負担になって利益率がさらに低下すればかなりの重荷になります。

その意味で今後、飲食店サブスクが本当に広がっていくのか、サブスクが重荷になってサービスや味が悪くなる店舗がないかなど、消費者として動向を冷静に見ていく必要がありそうです。

文・J PRIME編集部/提供元・J PRIME

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