お酒の力を少し借りながら、心理的な距離を近づけたいという場面は突然やってくるものです。その際に「丸腰」ではうまくいかず、場合によっては致命的な失敗をおかしてしまう可能性もあります。そこで「スティンザー効果」や「HLA遺伝子」の特性を生かすなど、心理学的に解き明かされたメカニズムを踏まえて、うまく事を運ぶ方法を考えてみましょう。

まず紹介するのは、お酒を飲む際に座る場所の話です。アメリカの心理学者であるスティンザーは、座る場所の選び方を心理学的に研究しています。具体的な例を見てみましょう。

・自分の正面に座るのは反対意見や競争心を持つ人
・横に座るのは味方になる可能性がある人
・斜めに座るのは緊張感が少ないため親しい仲になれる人

実はこの効果はすでに日常のさまざまな場面に応用されています。百貨店などの接客では、多くの場合、店員が横について商品を説明することが多い傾向です。対面販売などでも、詳しい説明をする際は適宜移動して横から話をする場面が見られます。なぜなら横に位置取ることで、お客が店員に親近感を持ち、つい購入を決めてしまうという効果があるからです。

これをスティンザー効果と呼びます。会議や恋愛などお酒を飲む場面にうまく応用している人も少なくないかもしれません。仕事の接待や恋愛など場面によって使い分けは必要ですが、関係を近づけたいと思っている人がいたら、正面を避けて真横か斜め前、コーナーを利用して90度になる位置で座ると効果的でしょう。知らずに生まれる親近感から、話が盛り上がり、打ち解けた雰囲気の中で時間を過ごすことができます。

心理学者ケーゲルの距離感

もう1つのポイントは距離感です。心理学者のケーゲルは、物理的な距離が近いほど心理的な距離が近くなるという実験結果を明らかにしています。恋人同士の物理的な距離について、50センチを親密ゾーン、2メートルを社会的ゾーンと定めており、相手がどちらにいるかで心理的な親密度が大きく異なるそうです。

これを応用して、仲良くなりたいという異性がいる際は、より親密ゾーンに近い距離で座ることができるオシャレなバーを選び、アルコールの力を味方につけながら話をすると効果的でしょう。距離の近さから適度な緊張感が生じるうえ、視覚や臭覚、聴覚からの刺激も加わります。ここで知っておきたいのが、HLA遺伝子の話です。HLAを「白血球の血液型のようなもの」と表現する人もいます。

血液型のように4種類ではなく、数千万通りあるとのこと。男女は、HLA遺伝子の相性をお互いの臭覚を通じて判断しているといわれているのです。そのため上記理論から考えると男女の物理的な距離は近い方が良いと考えられるでしょう。「運命の赤い糸」という言葉がありますが、実はこの正体がHLA遺伝子であるという説があります。

別名で「恋愛遺伝子」と呼び、いわゆるフェロモンがこれにあたるといわれているのです。「女性は男性の匂いに恋をする」ともいいます。ロマンティックかどうかは分かりませんが、恋に落ちる瞬間の仕組みにHLA遺伝子が関わっているというのは面白い話です。

秘密の共有は強力なテクニック

知っておきたい心理学の3つ目はカリギュラ効果です。カリギュラ効果とは、禁止されるとやってみたくなるという心理のこと。開けてはいけないといわれて箱を渡されると、無性に開けたくなるあの気持ちです。これに関連するのが秘密の共有といえるでしょう。人間は、やってはいけないといわれていることをするときに脳内に興奮物質が分泌され、心拍数が上がったりスリルを感じたりするのです。

禁じられた恋愛にのめり込む人が多いのもこれに関係しています。大げさなものでなくても構いません。初恋の失敗談など他愛のない話でもいいので、ちょっとした秘密を共有してみましょう。前述したテクニックをまとめましょう。できれば90度の位置関係で、50センチに近い距離で座れるバーを選びます。恋愛ならば臭覚を意識した準備も必要です。

そのうえで秘密を共有するような会話を織り交ぜる……これで、意中の相手を振り向かせることに成功する確率がぐっと高まることでしょう。一度試してみてはいかがでしょうか。

文・J PRIME編集部/提供元・J PRIME

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