日産に衝撃、99%の利益減のワケは? 先進運転技術やセダン充実が復活の鍵に

2019.9.8
BUSINESS
(写真=Grzegorz Czapski/Shutterstock.com)
(写真=Grzegorz Czapski/Shutterstock.com)
営業利益が98.5%減――。日産自動車が2019年7月に発表した2019年4~6月期の連結決算の内容を見て衝撃を受けた人は、日本中で少なくないはずだ。1万人以上のリストラを敢行する計画も、注目を集めた。果たして、日産に起死回生の一手はあるのか。

日産が決算発表 前年同期と比べ99%の減益

日産の2019年4~6月期決算では、連結売上高は2兆3,724億円で、前年同期比12.7%減に留まった。前年同期は1,000億円強もあった営業利益は、同98.5%減の16億円まで減ってしまった形だ。第1四半期としては過去最低となり、市場の予想を大幅に下回った。

本業のもうけを示す営業利益がここまで急激に下がった原因は、アメリカなどグローバル市場における販売の低迷や、規制対応に向けた投資がかさんだことなどが挙げられる。自動運転の技術開発費も、収益の圧迫につながったと見られている。

2022年度までに1万2,500人規模の人員削減を敢行

厳しい決算発表をせざるを得なかった日産だが、こうした状況に対する打開策も同時に発表している。その内容は「事業構造改革の推進」というタイトルで、投資家や報道機関向けに明らかにされた。

その中でも注目されたのが、人員削減に関する内容だ。2022年度までに1万2,500人規模の人員削減を行うことを明らかにしている。それと同時に、海外工場の閉鎖や製造ラインの停止などを通じ、グローバル生産能力を10%削減することで、稼働率を高めることも発表された。

また商品ラインアップを2022年度までに10%以上効率化するとしており、モデルを絞ってより効率的に販売促進策を打っていく方針と見られる。日産は発表資料の中で、こうした施策について「既に一部着手していますが、顕著な成果が得られるまでには、一定の時間を要する見込みです」としている。

「技術の日産」の真骨頂・先進運転技術支援に注目

ただ、こうしたコスト構造や生産体制の見直し以外にも、起死回生に向けた武器はある。それが先進運転技術に関する取り組みだ。まさに「技術の日産」の真骨頂の部分であるといえる。

2019年7月には、日産の先進運転支援技術「プロパイロット2.0」を搭載した新型スカイラインが発表された。プロパイロット2.0では高速道路の同一車線内を走行中に、一定条件下でハンズオフ(手放し運転)が可能になる技術が搭載されており、将来的な完全自動運転につながるものといえる。

そのほか、最近では新型セダンのラインアップをグローバルに充実させていくことも発表している。

ほかのメーカーの決算状況は?トヨタは増収増益、三菱・マツダは厳しい状況

では、自動車業界の他のメーカーの決算状況はどうか。

2019年3月期の連結決算において、日本企業で初となる売上高30兆円を達成したトヨタ自動車は、2019年4~6月期は増収増益を確保した。売上高は前年同期比3.8%増の7兆6,460億円、営業利益は同8.7%増の7,419億円に上っている。ただ、2020年3月期の通期見通しは為替変動などの影響を加味し、売上高を前回予測より5,000億円低い、29兆5,000億円に留めた。

一方で、日産と同様に厳しい数字となったのが三菱自動車やマツダだ。三菱自動車の4~6月期の営業利益は、同86.3%減の約39億円に留まり、経常利益も約13億円の赤字に転落した。マツダも営業利益が78.8%減となり、厳しい状況が続く。

そのほか、ホンダもインド市場の減速が原因で、営業利益が15.7%減となった。スズキもインド市場における販売減少などが響き、四輪事業の営業利益が50.1%減となっている。

日産はCASE領域での巻き返しに注目

いま自動車業界では、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)の技術が進展しつつあり、各社にとって技術革新や新たなサービスの構築が主要な課題となっている。CASE戦略次第では、現在の自動車業界の構図も大きく変わる可能性がある。

今回の決算がとりわけ厳しかった日産だが、CASE領域で巻き返せる可能性は十分にある。日産の先進的な取り組みには、今後も要注目だ。

文・MONEY TIMES編集部
 

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