接客業に欠かせない「ホスピタリティ」。その言葉からは「おもてなし」や「礼儀正しさ」「丁寧な言葉使い」などが連想されるが、ホスピタリティが意味するのは果たしてそれだけなのだろうか。今回ご紹介する渋谷『ももまる』は、ひと味もふた味も違うホスピタリティが味わえる店舗だ。

さまざまな店が軒を連ね、しのぎを削るグルメ激戦区・渋谷。そんな街で、大ブレイク中の『ももまる』では、ピンクのコスチュームをまとった店主・レディーモモ氏のアクロバティックな接客が話題を呼んでいる。『ももまる』流の接客の魅力と、リピーターが絶えない秘密を探った。
 

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アクロバティックな接客で客の心をつかむ(画像=Foodist Media)

サプライズの連続! インスタ映え間違いなしの店内

渋谷駅周辺の喧騒から離れた場所に位置する渋谷区桜ヶ丘。小体な良店がぽつりぽつりと並ぶエリアに『ももまる』はある。

「『ももまる』の一番の魅力は、なんと言っても他店にはないサプライズ! おしぼりの配り方から全然違います。ほかにも、“何コレ!?”と思ってしまう面白いメニュー名や料理など、ここでしか体験できないサプライズを楽しむことができます」
 

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全部で25席ある『ももまる』の店内。ピンク好きのモモ氏の店はレジまでピンクだ(画像=Foodist Media)

『ももまる』の魅力について、このように語るレディーモモ氏。「サプライズ」を意識したサービスを行うに至った経緯は、『ももまる』名古屋店で働いていたモモ氏がホットパンツを穿いてみたことから始まるという。お客さんからのツッコミに対し、いかに面白く受け答えするかを考えているうちに現在のようなパフォーマンスをするようになったのだそう。

「飲食店で、ご飯が美味しいことや、サービスがしっかりしていることは当たり前。お客様に店まで足を運んでもらうには、何か付加価値がないとダメだと思っています。それが、このパフォーマンスですね。日本では接客イコール“いかに丁寧な対応をするか”といった風潮がありますが、接客のあり方って最終的にお客様を喜ばせられれば何でもアリなんじゃないかな?」
 

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黒板にはユニークな名前のメニューが並ぶ(画像=Foodist Media)

店の「空気」は常にチェック!

『ももまる』の常連にはビジネスマンや国内外の著名人も多く、接待に使われることもあるという。彼らがリピートしたくなる理由はどこにあるのか。

「サプライズと同じくらい大切にしているのは“いかに良い空気を作るか”です。お客様の会話が楽しそうに弾んでいる店の空気は潤っていますが、活気のない店では空気が乾いている。なので、ちょっと静かだなと感じたら、音楽のボリュームを変えたり、パフォーマンスをしたりして、良いお店の雰囲気を保てるように心がけています」
 

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店内には著名人のサインがズラリ(画像=Foodist Media)

接客と料理は良くて当たり前。そこにちょっとしたサプライズを!

モモ氏の接客に対するこだわりは、それだけではない。ドリンクの減り具合や料理の提供状況を常にチェックするのはもちろん、常連客の好みのドリンクはすべて覚え、頼まれた瞬間に提供するようにしている。

もちろん、料理にも抜かりがない。料理人の家庭に生まれ、自身も札幌のラーメン店や名古屋の居酒屋で修行を積んだモモ氏が提供するメニューは、全部で60種類ほど。名古屋の店舗と同じものも多いが、塩の分量を変えるなど東京風にアレンジしている。ドリンクもビールやハイボール、焼酎、ワインなど幅広く揃える。
 

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ハート型がかわいい名古屋名物「リング焼き」690円。山芋をふんだんに使っており、フワフワ食感を楽しめる。生地の配合もオリジナルでソースは大阪と広島から取り寄せたものを使用(画像=Foodist Media)

「料理も一切妥協せずに作っています。ラーメンは10種類ほどあり、さっぱり系からしっかりした味わいのものまで、いろいろご用意しています。それ以外のメニューも『ももまる』でしか味わえないものばかりです。お客様に気持ちよく過ごしてもらうため、美味しい料理を提供するのは当たり前。パフォーマンスがメインではないんです。接客や料理をしっかりとし、さらにちょっとしたサプライズを用意することで、お客様が“この店は面白いな!”と思い、リピートしていただけるんだと考えています」
 

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ビールに合うように胡椒をきかせたジューシーな「ももまる自家製餃子(590円)」。醤油をつけず、そのまま食べても美味しい(画像=Foodist Media)

「誰かに紹介したくなる」店づくり

「他店といかに違うか」「オリジナリティを出せるか」を常に大切にしているモモ氏は、インスタグラムやTikTokといったSNSも見事に活用している。

「SNSで店の魅力を発信する際の一番のポイントは、たくさんある写真や動画の中で目を留めてもらうために工夫することです。そのためには、写真の色味やポージングなどにこだわり、ほかの投稿と差別化を図る必要があります。空き時間には、海外のシェフのパフォーマンスや人気がある動画をチェックして、いかにお客様を楽しませられるか考えています」

訪れた客が楽しい写真を撮れるようにするための工夫も欠かさない。店内をカラフルにペイントしたり、客用の「PINK眼鏡」を用意したりすることで、店での時間をより楽しんでもらい、かつ友人にもシェアしたくなる写真や動画を撮ってもらう。「誰かに紹介したくなる」店づくりで、自然と口コミが広まっていく好循環を生み出しているのだ。
 

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写真を撮る楽しさが増す小道具。メガネの他に握力の測定グッズなども(画像=Foodist Media)

次の目標は、NY出店! レディー・ガガにも来て欲しい

大のレディー・ガガファンだというモモ氏。そんなモモ氏の野望はニューヨークへの出店だ。

「名古屋の『ももまる』がこれから頑張るぞっていうときに、ちょうどレディー・ガガがブレイクしていたんです。曲にも勇気づけられましたし、さいたまスーパーアリーナまでライブに行ったこともあります。ニューヨークに出店した際には、ぜひ本人に来店して欲しいですね!」

ホスピタリティに溢れ、魅力たっぷりの『ももまる』。海外でその名前を聞く日も近いかもしれない。
 

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「接客は筋トレだ!」と語るモモ氏(画像=Foodist Media)

『ももまる』
住所/東京都渋谷区桜丘16-7 鈴木ビル B1F
電話番号/03-6416-0042
営業時間/18:00~翌4:00
定休日/月曜
席数/25

文・立岡美佐子/提供元・Foodist Media

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