アメリカの巨大IT企業群「GAFA」の一角を成すFacebook(フェイスブック)が、7月に新しい仮想通貨「Libra」(リブラ)の構想を発表し話題となった。この世界的有名企業で働く人たちの年収は一体いくらくらいなのだろうか。Facebookの株主総会招集通知から、平均年収を紹介しよう。

株主総会招集通知とは?

株主総会招集通知(Proxy statement)とは、株主が投票を行う上で必要な情報を含む文書である。

株主総会の開催、議論・投票の課題(理事会に選任される候補者、独立登録会計事務所の選任に関する評価、役員報酬など)などの情報を、予め株主に通知することが目的だ。1934年証券取引法の第14条(a)に基づき、証券取引委員会(SEC)への提出が義務づけられている。

Facebookの平均年間給与は約2,473万円

Facebookの株主総会報告書によれば、Facebook社員の年間給与の中央値は22万8,651ドル(約2,473万円)。CEOであるマーク・ザッカーバーグ氏の年間報酬は約2,225万ドル(約24億 1,777万円)だった(※2018年12月30日までの事業年度データより)。CEOの年間報酬と従業員の年間給与中央値の比は、99:1ということになる。

Facebookが上場した翌年である2013年以降、サッカーバーグ氏の給与は年間わずか1ドルで、ボーナスも受け取っていないが、自社株の配当から莫大な富を得ている。2015年12月、ザッカーバーグ夫妻は「保有しているFacebook株式の99%を、生涯にわたり譲渡する」と宣言したが、実際は現在も15%を保有している。同氏の純資産は745億ドル、日本円で約8兆 957億円に上る。

Facebookの2018年の収益は6兆円以上

Facebookの2018年の年間収益は、前年比37%増の558億3,800万ドル(約6兆675億円)だった。その約98%を主要収益源である広告事業が占めている。

一方、決済・その他のサービスによる収益も順調に伸びており、2018年は前年比16%増の8億2,500万ドル(約896億 5,044万円)を記録した。

同社は、GoogleやAmazonほど事業を多角化していないものの、Messenger(メッセンジャー)アプリで利用できるMessenger Payment(メッセンジャー・ペイメント)で決済サービス分野に参入しているほか、発展途上国におけるインターネット環境の向上を目的に、衛星とドローンを介した数々のサービスを開発している。

また、2014年にはVR(仮想現実)スタートアップのOculus(オキュラス)を20億ドルで買収するなど、VR分野への投資にも本腰を入れているようだ。

Facebookの新仮想通貨「Libra」が新たな収益源となる可能性

Facebookのさらなる野望であり、潜在的な収益源として注目されているが、仮想通貨「Libra」(リブラ)である。Facebookは、2019年6月18日にその構想を発表した。

独自のブロックチェーン技術をベースに、国境のない決済・送金システムを構築する目的で開発が進められているLibra。しかし、世界各地の規制当局が監視を強化する意向を表明したほか、米消費者保護団体が運営主体であるLibra協会の参加企業にプロジェクトからの撤退を申し入れるなど、前途多難だ。

世界中で30億人のユーザーを誇るFacebookの金融サービスが、「法定通貨の主権を脅かす危険性を秘めている」と判断されたからだろう。2020年のサービス開始を予定しているが、規制面の課題も含め、これらのハードルを一つずつクリアしていくことができるかが、Libraの将来に大きく影響するはずだ。

同社はLibraだけでなく、引き続き市場拡大が期待される決済サービスやドローン、VR関連サービス分野における存在感も増していくと予想される。

文・MONEY TIMES編集部
 

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