2020年は新型コロナウイルスの世界的感染拡大があり、私たちの生活・働き方の中でオンライン化・デジタル化が進められた年だった。そんな中、国内動画広告の市場規模はどのように変化したのだろうか。

株式会社サイバーエージェントと株式会社デジタルインフェクトは共同し、インターネットで配信される動画広告の年間広告出稿額を推計、国内動画広告市場の規模を予測した。

動画広告市場は2019年を上回る水準で成長

この調査では、2020年の動画広告の市場は2019年を上回る水準で成長したことが予測された。その背景として重要なのが、やはり新型コロナウイルスの感染拡大だ。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、日本経済は不安定化した。一時的に広告出稿額を抑制した企業が多かったらしい。

しかし一方で、感染拡大は動画広告には必ずしもマイナスのみの影響を与えたわけではなかったようだ。コロナ禍での外出自粛、新しいライフスタイルへのシフトにより、外出せずに自宅で商品やサービスを消費する「巣ごもり消費」の需要が高まった。また、自宅でのオンラインによる動画視聴の時間は幅広い世代で増えた。提供される動画コンテンツは増え、質も磨かれていったようだ。

このような状況では、動画広告の魅力はますます高まるだろう。全体として広告予算を抑えつつも、動画広告には魅力を感じ、引き続き投資する企業が多い傾向にあったようだ。

2020年の国内動画広告市場は昨年対比114%の2,954億円の見通し

この調査での国内動画広告市場規模推計・予測の結果をデバイス別に示したのが下のグラフだ。

(画像=MarkeTRUNKより引用)

出典:サイバーエージェント、2020年国内動画広告の市場調査を発表

2020年の市場規模は前項の背景もあり、昨年対比114%の2,954億円に達する見込みとなっている。特に昨年からの増加が著しいと予測されているのがスマートフォン向けの動画広告だ。

スマートフォン向けの動画広告は昨年対比114.8%の2,635億円の見通しとなっている。動画広告全体の89%を占めることになる。この調査では、スマートフォン向けの動画広告が動画広告市場を牽引し、市場規模がますます成長していくことを予測している。

この予測を裏付ける背景としては、5Gの普及、大手キャリアによるモバイル通信料金の引き下げなどが挙げられている。これらを背景に、今後もスマートフォンによる動画広告の視聴は拡大していくだろう。