『JPRIME』より

「位高ければ徳高くあれ」ビジネスパーソンが身につけたいノブレス・オブリージュのふるまい事例

2020.9.15
ビジネス・キャリア
(画像=baranq/stock.adobe.com,JPRIMEより引用)
(画像=baranq/stock.adobe.com,JPRIMEより引用)

ノブレス・オブリージュという言葉をご存知でしょうか。フランス語の「貴族(Noblesse)」と「義務を負わせる(Obliger)」という言葉を組み合わせて、「貴族はそれ相応の社会的道義的責務を負うべきである」という意味を持ちます。ビジネスに置き換えると、組織の中で「上に立つもの」の行動規範を示す概念としてとらえられています。

グローバル化の進展に加え、新型コロナウイルス感染症によるテレワークの普及により、仕事やプライベートにおける人間関係に大きな変化が訪れているという背景もある中で、ノブレス・オブリージュは自らの振る舞いを考える1つのきっかけになります。

1899年に新渡戸稲造が英語で書いた『武士道』にも記述あり

ノブレス・オブリージュと意外な接点を持つのが、日本における武士道の考え方です。新渡戸稲造の『武士道』という書籍の中に「ノブレス・オブリージュ」という単語を使って、武士道を解説する一文があります。『武士道』は1899年に、日本人の倫理観がいかに培われてきたかを世界に知ってもらう必要があると考えた新渡戸稲造が、英語で書き上げた作品です。

The Japanese word which I have roughly rendered Chivalry, is, in the original, more expressive than Horsemanship. Bu-shi-do means literally Military-Knight-Ways-the ways which fighting nobles should observe in their daily life as well as in their vocation; in a word, the “Precepts of Knighthood”, the NOBLESSE OBLIGE of the warrior class.

私がおおざっぱにシヴァリー(chivalry)と訳した日本語は、その原語において騎士道(ホースマンシップ) というよりも多くの含蓄がある。「ブシドウ」は字義的には「武士道」、すなわち武士階級がその職業、および日常生活において守るべき道を意味する。一言にすれば「武士の掟」、すなわち武人階級の「身分に伴う義務 ノブレス・オブリージュ 」である。(『武士道』)

つまり、武士道とは武士階級の守るべき道であり、世界で言われているノブレス・オブリージュであると説いています。

武士道の精神とノブレス・オブリージュの共通点

それでは、フランス語の「ノブレス・オブリージュ」という観念と日本の封建社会の中で培われてきた「武士道」との共通点とは何でしょうか。

不言実行

武士道は掟の文書があったわけではありません。それは道徳的原理であって、口伝え、あるいは格言を範として実行することでのみ伝えられてきたものです。口だけで実行しない、または自らの手柄を他言することは武士道とは反対の行動です。

「仁」の心

著書『武士道』の中では、義、勇、仁、礼、誠、名誉、忠義という重んずべき7つの徳があり、中でも仁とは相手を思いやる心で、弱者や敗者に対する思いやりが大切である旨が書かれています。

この2つを合わせるならばすなわち、「不言実行で思いやりの心を発揮する」ことが重んじられているということであり、まさにノブリス・オブリージュそのものであるといえるでしょう。

顧客や部下に対する接し方

では、武士道にも通じるノブレス・オブリージュを、どのように実際の日常に生かしていけばよいのか考えてみましょう。もう一度ノブレス・オブリージュについて振り返ってみると、上に立つ者の心構えとして、「社会のために貢献する」「思いやりを持つ」ということが基本的な考え方です。

会社の同僚や部下、顧客との接し方を振り返ってみましょう。習慣や社風などが前面に出てしまっていないか確認したいところです。人と人との間には見えなくても力関係が存在することも多く、知らず知らずのうちに横柄な態度を取っていたり、必要以上に卑屈になっていたりしないでしょうか。

そこで、「社会のために貢献する」「思いやりを持つ」というノブリス・オブリージュの考え方を真似してみてください。人と接するときの心構えは、武士道の7つの徳で言うなれば仁、礼、誠がそれに該当します。

思いやりをもつこと(仁)

まずは、相手がいまどんな気持ちで自分と話をしようとしているか想像してみましょう。自分を相手にどう見せるかよりも、相手がどんな気持ちでいるのか、相手を思いやることが大切です。これは、ただ優しく接することだけではなく、時には厳しさを持つことも、思いやりのひとつになります。

礼を尽くすこと(礼)

相手に対する思いやりや敬意を目に見える形で表現することです。そういう意味では仁と密接に関わりのあることであり、日ごろの礼儀作法の修練も大切になります。

ごまかさないこと(誠)

うそやごまかしをしないことです。武士は言葉に重きを置いていました。「武士の一言」という言葉があるほどで、武士の約束は証文なしで認められるほど重いものだったのです。

こうしたことを部下や顧客と接する時に心掛けるだけで、対人関係が変わってくるでしょう。

ノブレス・オブリージュのすすめ

ノブレス・オブリージュは、「位高ければ徳高くあれ」という考え方として、欧米では定着しています。一方、日本にも武士道というそれに通じる道徳観念が存在しています。グローバル化の進展、テレワークの定着など、対人関係における環境が日々変わりつつある中で、ノブレス・オブリージュという視点を軸に、自らの振る舞い方を考え直してみるのもよいでしょう。

提供元・JPRIME


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