『ZUU online library』より

50歳からの「キャリアビジョン構築」のためのポイント

2020.5.23
BUSINESS
(画像=Bankrx/Shutterstock.com、ZUU online libraryより引用)
(画像=Bankrx/Shutterstock.com、ZUU online libraryより引用)
(本記事は、前川孝雄氏の著書『50歳からの逆転キャリア戦略 「定年=リタイア」ではない時代の一番いい働き方、辞め方』PHP研究所の中から一部を抜粋・編集しています)

50歳からの20年を見通す未来年表を作る

「ぐるぐる質問」で自分の使命、やりたいことを探る

「キャリアビジョン構築」のためにお勧めしたいのが、50歳からの20年程度を見通し、たった1回しかない自分の人生をどう使いたいかを考えてみることです。

やりたいことに関しては、心に温めているテーマがある人もいるでしょう。しかし長年、組織の論理に従って生きてきたミドルの中には、「やりたいことが何も思い浮かばない」という人も実際にいます。

そんな人は、「ミッション・ビジョンを考える『ぐるぐる質問』」(『50歳からの逆転キャリア戦略』167ページ参照)に回答してみてください。改めて自分の仕事や人生を振り返り、自分の内面と対話しながら、じっくり時間をかけて一つひとつ回答を考えていく中で、いろいろな思いが浮かんでくるでしょう。そして、自分が本当は何を望んでいるのか、これからの人生をどのように送り、何を成し遂げたいのかが、徐々に像を結んでいくはずです。

それこそがあなたの使命(ミッション)です。そして使命を果たし続けた先にあるワクワクする将来像がキャリアビジョンです。「Uターンして地元を元気にしたい」というミッション、「地元の中小企業向け経営コンサルタントとして活躍する」というビジョンという具合です。

例えば、「質問 最も楽しかった仕事の経験は何ですか?」と「質問 自分の人生があと1年だとしたら、どのようなことがしたいですか?」の回答が近い内容だったら、それがあなたが本当にやりたいこと=キャリアビジョンなのかもしれません。

あるいは、「質問 印象に残る『身近な人から言われた言葉』にはどんなものがありますか?」の回答に、自分だからこそできる使命を見出すこともあるでしょう。「質問 最もつらかった仕事の経験は何ですか?」の回答の裏側に、あなたの本当の望みがあるのかもしれません。

どの質問のどんな回答に未来へのヒントがあるかは人それぞれです。この思索は自分を知るプロセスなのです。

具体的な目標を書き出すと、今の自分に何が足りないかがわかる

自分のミッション、人生の後半戦に本当にやりたいキャリアビジョンが見えてきたら、その実現に活きる自分の強み、経験が不足していたり鍛えられていない弱みは何かを整理します。

そして、強みはさらに強化するために、弱みは補強するために、やっておくべきことをリストアップします。どのような仕事や学びがありうるかを、自由に考えてみてください。きっといろいろな選択肢が浮かんできます。

そして、キャリアビジョン実現の暁に求めたい「働きがい」と「働きやすさ」を具体化します。前者は、やりたい「仕事内容」、得たい「承認」、感じたい「達成感」で具体化するとよいでしょう。後者は、最低限必要な「収入」、働く「時間」、構築したい「人間関係」で具体化するとよいでしょう。

つい後者の「働きやすさ」を重点的に考えがちですが、第二、第三の職業人生で大切なのは前者の「働きがい」です。

次はキャリアビジョンを実現するプロセスを設計していきます。思い描いたやりたいことに基づいて、5年後、10年後、15年後、20年後の自分がどのように働いているかを、具体的に年表に書き込んでいきます。

数年ごとにステージを区切って、各ステージ(期間)が自分のキャリアにとってどういった位置づけにあたるかを考えていくのです。

なお、今の時点で実現可能かどうか厳密に考える必要はありません。収益がどうとか、納期がどうとか、品質がどうとか、サラリーマンとして求められ続けてきた制約や義務は取っ払って考えましょう。自分の人生であり自分の夢なのですから、「こうなったらいいな」ということを自由に書いていけばよいのです。

もし今、部下のマネジメントに興味や働きがいを感じていて、将来的には「人を育てる」ことを仕事にしていきたいと考えている人なら、例えば次のようなシミュレーションを作成できるかもしれません。

55歳─副業でセミナーの講師を務める。
60歳─最初の著作を発表する。
65歳(定年)─人材育成を専門とするコンサルティング会社を立ち上げる。
70歳─独自の理論を完成させ、講演活動を通して広く社会に伝える。

このように具体的な目標を書き出していくと、今の自分に何が足りないのか、今何をやればいいのかが一層はっきりと見えてきます。

「5年後にセミナー講師をやるとしたら、今から人に教えられるだけの経験を現場で積み重ねておく必要があるし、主要な先人の理論についても研究しておかなければ。今までに講師を経験したことはないから、講師として必要な技術については外部の講座などで学んでおきたい。社内で勉強会を立ち上げて講師役を務めるという方法もあるな」と、次々に具体的な行動のプランが思い浮かぶはずです。

自分の転機がいつになるかを自分で明確にする

「今から20~30年働く未来シミュレーション年表」(『50歳からの逆転キャリア戦略』301ページ参照)を書くことで自分の転機も明確になります。定年と同時に起業するなら、まさにそのタイミングが人生の転機。

それまでにプロとして自立するための理論・スキル・経験値を磨いておく必要がありますし、顧客を紹介してもらえるよう、友だちをはじめ人とのつながりや信頼関係をしっかりと作り直しておくことも大切。起業資金も予算立てて準備しておかないといけません。

何より、起業したら会社のサポートという補助輪なしで生きていくことになります。独立した自分を思い浮かべると、ワクワクすると同時に、「大丈夫だろうか」と不安な気持ちになることもあるでしょう。それが大切なのです。その不安を今から一つひとつ解消していくのですから。

実際に、「今から20~30年働く未来シミュレーション年表」をまとめてみると、意外と時間がないことにも気づくはずです。何も目標がないと、定年までの10年、15年は長く感じられるもの。しかし、やるべきことが見えてくると、今からの1年1年がいかに大切であるかが実感できるのです。自然とエンジンがかかることになるでしょう。

ある大手企業で部長を務めている50歳過ぎの男性が、私が営むFeelWorksが開講する講師養成講座に通っていたことがあります。その男性は、10年後ぐらい先に定年してから故郷でコンサルタントとして起業したいと考えていました。

ところが、講座で学びながらやりたいことが明確になり、未来をシミュレーションする中で人生の時間が限られていることを痛感。「10年後に起業しようという自分は、実は本気で考えていなかったし、何も行動していなかった」と猛省し、1年後には会社を早期退職しました。今は苦労をしながらもコンサルタントとして元気に駆け回っています。

気づきと学び直しのモードに入ったあなたは、50歳を超えてなお、日々変化し、成長し、視野も広がっていきます。現実が見えてくることもあるでしょうし、自分の新たな可能性を感じることもあると思います。

それにしたがって、やりたいことや目標が変わることもあるはずです。それで構いません。そのつど未来シミュレーションを修正しながら、常に自分がどこに向かっているのかを確認し続けることが重要なのです。

「今から20~30年働く未来シミュレーション年表」に記された目標はあなたにとっての希望です。この先の人生、会社に依存せず自分の力で生きていこうとするなら、浮き沈みもあれば、想定外の苦労もあると思います。それらを乗り越えていくためにも、この希望が大切なものになるのです。
 
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前川孝雄(まえかわ・たかお)
㈱FeelWorks代表取締役/青山学院大学兼任講師。1966年、兵庫県明石市生まれ。大阪府立大学、早稲田大学ビジネススクール卒。㈱リクルートで『リクナビ』『就職ジャーナル』などの編集長を務めたのち、2008年に㈱FeelWorks設立。「上司力研修」「50代からの働き方研修」などで400社以上を支援。2017年に㈱働きがい創造研究所設立。一般社団法人企業研究会研究協力委員、ウーマンエンパワー賛同企業審査員なども兼職。

提供元・ZUU online library

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