鱗鎧は中国ではなく、西アジア発祥
ワグナー氏によると、当時の中国に革製のスケイルアーマーは存在しなかったという。
これまでの研究で、鱗鎧はBC1500年頃に、西アジアの技術者が当時の戦車の乗り手を守る目的で開発したことが分かっています。
その後、鱗鎧はペルシャやスキタイ、ギリシアに伝わったとのこと。
そのため、今回の鱗鎧も西アジアやその近隣地域で作られたものと推測されています。
もしこの説が正しければ、紀元前千年紀にユーラシア大陸を横断して西と東に技術が伝播していたことを証明する貴重な発見となります。
しかし、この鎧がどのような経緯でYanghai遺跡までたどり着いたのかは謎のまま。
埋葬された男性が西アジアから来た兵士だったのか、それとも異国の兵士から鱗鎧をもらったチェシ族だったのか、真相は藪の中です。
参考文献
Rare ‘bionic’ armor discovered in 2,500-year-old China burial
元論文
No borders for innovations: A ca. 2700-year-old Assyrian-style leather scale armour in Northwest China
提供元・ナゾロジー
【関連記事】
・ウミウシに「セルフ斬首と胴体再生」の新行動を発見 生首から心臓まで再生できる(日本)
・人間に必要な「1日の水分量」は、他の霊長類の半分だと判明! 森からの脱出に成功した要因か
・深海の微生物は「自然に起こる水分解」からエネルギーを得ていた?! エイリアン発見につながる研究結果
・「生体工学網膜」が失明治療に革命を起こす?
・人工培養脳を「乳児の脳」まで生育することに成功