東京の都心をぐるりと一周する「山手線」。その周辺は日本の首都の中心地であり、不動産も高額で売買されている。現在、どの駅の周辺でマンションの値上がりが顕著なのだろうか。今回は、駅別の値上がり率ランキングを紹介する。

山手線、どの駅周辺のマンションの値上がり率が高い?

中古マンションの売買ができるアプリ「カウル」の運営会社であるHousmartは、JR山手線全駅の徒歩10分圏内にあるマンションを対象に平米単価を調査し、その結果を2021年12月に発表した。

2019年12月の平米単価に対して2021年12月の平米単価がどれだけ値上がりしているかを調査してランキング化したもので、どの駅の周辺のマンションが最も値上がり率が高いかがわかる。

結果は以下のとおり。ちなみに山手線全30駅のうち、東京駅や有楽町駅など6駅は売り出されているマンション数が1件以下であり、他の駅と比較できないためランキングから除外した。

<マンションの値上がり率が高い山手線の駅ランキング>
順位 駅名 値上がり率
1位 高輪ゲートウェイ駅 144.9%
2位 日暮里駅 141.0%
3位 渋谷駅 137.1%
4位 御徒町駅 131.7%
5位 池袋駅 131.6%
6位 西日暮里駅 129.2%
7位 大塚駅 119.4%
8位 田端駅 119.2%
9位 巣鴨駅 119.1%
10位 大崎駅 117.5%
出典:Housmart

1位は「高輪ゲートウェイ駅」、4位の「御徒町駅」周辺も上昇傾向

1位は「高輪ゲートウェイ駅」だ。高輪ゲートウェイ駅は2020年3月14日に開業し、周辺の再開発が進む中、周辺マンションの平米単価が2019年と比べて144.9%も上昇した。

同駅に近い品川駅は、2027年にはリニア中央新幹線の始発駅となることから、高輪ゲートウェイ駅周辺のマンション価格の値上がりに、さらに拍車がかかりそうだ。

今回の調査結果については、報道発表の中で「利便性が高いにも関わらず中古マンション価格が手ごろな地域が注目され、価格が大きく上昇した」という分析が紹介されている。その一つが「御徒町駅」周辺だ。

御徒町駅周辺は、さまざまな駅へのアクセスが良いことやマンション価格の相場が安いことで注目を浴び、近年は価格が上昇傾向にあるという。

今後の順位の変動にも注目を

不動産価格の値上がり率ランキングは、そのエリアの人気度を如実に表す。来年、再来年と順位がどのように変動していくのか、引き続き注目したい。

執筆・
国内・海外の有名メディアでのジャーナリスト経験を経て、現在は国内外の政治・経済・社会などさまざまなジャンルで多数の解説記事やコラムを執筆。金融専門メディアへの寄稿やニュースメディアのコンサルティングも手掛ける。

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