今年、「半導体マンモス」企業の歴代級設備・研究開発投資競争が本格化する見通しだ。急速に成長中のビッグデータや自律走行、モノのインターネット(IoT)など新規市場を誰が先に掌握するかをめぐり、いわゆる「銭の戦争」を始めるという。韓国メディア「デジタルタイムス」が報じた。(写真:サムスン電子平沢キャンパスP2ライン、サムスン電子)

16日、海外メディアや業界などによると、グローバルファウンドリ(半導体委託生産)業界トップの台湾TSMCは13日、2021年第4四半期の業績発表で、今年の設備投資を昨年より3分の1以上増やす計画だと明らかにした。

昨年のTSMCの投資規模は300億ドル(約37兆ウォン、約3兆4265億円)に達する。これを考慮すれば今年の投資規模は400億~440億ドル(約47兆5000億ウォン~52兆3000億ウォン、約4兆5686億円~約5兆255億円)に達する見込みだ。

昨年初めに発表した設備投資計画(280億ドル、約3兆1980億円)を超過して投資した点を考慮すれば、今年の実際の投資額も似たような推移を見せる可能性が高いというのが業界の分析だ。

半導体の供給難が長期化していることから、半導体生産設備、特にファウンドリに対する重要性がさらに高まっている中で、該当分野における準独占的地位をさらに強化するための戦略と解釈される。TSMCはグローバルファウンドリ業界で50%以上のシェアを保有している企業で、2位のサムスン電子が17%台のシェアを記録しているが、その格差を縮めるのは容易ではない。

TSMCのC・C・ウェイCEO(最高経営責任者)は「現在の事業は構造的な高成長区間に進入しており、業界水準を上回る成長性を示すことができるだろう」とし「今後数年間の売上の年平均成長率見通しを従来の10~15%から15~20%に上方修正したと説明した。

特にTSMCは昨年、高性能コンピューティング(HPC)と5Gモバイル通信などIT部門の成長が売上高成長に大きな役割を果たしたと説明し、今年の投資規模の70%以上を2~7nm(ナノ)工程開発に投資する予定だと強調した。

ファウンドリ市場で7ナノ以下の工程はTSMCとサムスン電子のみが生産可能だ。両社のシェアの違いも、全体市場と比べると微細工程の違いは大きくない方だ。

サムスン電子とTSMCは最近、3ナノ工程の量産時期をめぐり、プライドをかけて争っている。TSMCが今年下半期に3ナノ量産に入ると発表したが、サムスン電子はこれより最大6カ月繰り上げて上半期に3ナノ量産に突入すると発表した。

こうした状況でTSMCは、3ナノはもちろん、2ナノ工程導入にも速度を出しており、サムスン電子に主導権を奪われないために投資を拡大しているとの分析が出ている。

これに対抗してサムスン電子は2030年までにファウンドリを含むシステム半導体分野に総額171兆ウォン(約16兆4125億円)を投資するという計画を立て、昨年は今後3年間に半導体とバイオなど新成長事業に240兆ウォン(約23兆351億円)を新規投資すると明らかにしている。サムスン電子は昨年第3四半期まで半導体部門に計29兆9000億ウォン(約2兆8698億円)を投資した。業界ではサムスン電子が今年は平沢(ピョンテク)キャンパスの増設や米ファウンドリ第2工場の着工などを含め、計40兆ウォン(約3兆8392億円)規模の投資を行うものと見ている。

特に、上半期中に着工される予定の米ファウンドリ第2工場の場合、従来のオースティン工場とは違って、先端ファウンドリ工程が採用されるだろうという期待が出ている。

ファウンドリの再進出を宣言し、TSMCとサムスン電子の「ライバル」になるという抱負を明らかにしたインテルの投資規模にも関心が集まっている。インテルは昨年、ファウンドリ事業に再進出すると宣言し、米国と欧州に半導体工場を設立するのに約1000億ドル(約11兆4216億円)規模の投資を執行すると明らかにした。

提供元・コリア・エレクトロニクス

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