誕生石とは1月から12月までの各月にあてはめられている宝石のことで、自分の誕生月の宝石を持っていると加護が得られたり、幸せになったりすると言われています。

その誕生石が2021年12月20日に63年ぶりに改定され、10種類も追加されたと話題になっています。喜びの声やがっかりの声も。

そこで今回は、誕生石の話をお届けします。

目次
そもそも誕生石って誰が決めたの?
誕生石の一覧&追加された宝石の魅力

そもそも誕生石って誰が決めたの?

63年ぶりに誕生石が追加! 誕生石の一覧と新入り宝石の魅力
(画像=Credit: LEONALD JEWEllery、『ナゾロジー』より引用)

上はアメリカの誕生石の以前のバージョンです。12月のタンザナイトをのぞけば、日本もこれがスタンダードでした。では、そもそも誕生石ってどのように始まったのでしょう?

西洋では、1300年ほど前から旧約聖書に書かれたユダヤの高僧が身につけていた12種の石にちなみ、それらの石を各月に身につけていたのだとか。誕生石の原型と言えそうですね。

そんな宗教文化的な習わしでしたが、1912年にアメリカの宝飾協会が石を各月にあてはめて誕生石を公式に制定。複数の国は、それをベースに自国の誕生石を決めています。ただし、その国独自のアレンジが加わるので、日本では3月にサンゴ、5月には翡翠と、古来から宝飾品として愛されてきた2つを入れることもあります。

とはいえ、アメリカが制定したものとはかなり違う誕生石を制定している国も。しかし、今回の日本の誕生石の改定は、4月のモルガナイト以外、2016年にアメリカが改定したものを、ほぼそのまま採用したようです。

どうせ変えるなら、もう少し日本のオリジナリティを盛り込んでもよかったのでは、と思いますが…。

誕生石の一覧&追加された宝石の魅力

それでは、従来の誕生石と新入りの宝石を加えて、その特徴や魅力を紹介します。なお、追加された宝石は太字です。

1月

ガーネット

2月

アメシスト

クリソベリル・キャッツアイ

63年ぶりに誕生石が追加! 誕生石の一覧と新入り宝石の魅力
(画像=Credit: AliExpress via IGI、『ナゾロジー』より引用)

日本語で書くと猫目金緑石。はちみつ色の宝石の真ん中にひとすじの光が入り、まるで金色の猫のような妖しい魅力があります。クリソベリルは、コランダム(単体だとサファイヤやルビー)がベリリウムと合体した鉱物です。

3月

アクアマリン

(サンゴ)

ブラッドストーン

63年ぶりに誕生石が追加! 誕生石の一覧と新入り宝石の魅力
(画像=Credit: Wikipedia、『ナゾロジー』より引用)

黒に近い緑色の玉髄(石英が緻密に固まった鉱物)で、赤い斑点を持っています。この斑点が血を連想させるため、この名前がついています。メインの用途は宝飾品ではなく、パワーストーンとしてが一般的。

アイオライト

63年ぶりに誕生石が追加! 誕生石の一覧と新入り宝石の魅力
(画像=Credit: Robert Weldon via GIA、『ナゾロジー』より引用)

見る方向によって色が変わる多色性を持つので、バイキングたちは羅針盤として、また「海のサファイア」と航海中のお守りとして重宝していたそう。最近知名度と人気が上がってきています。

4月

ダイヤモンド

モルガナイト

63年ぶりに誕生石が追加! 誕生石の一覧と新入り宝石の魅力
(画像=Credit: Minerals.net、『ナゾロジー』より引用)

アクアマリンやエメラルドと同じベリルの仲間ですが、発見されたのが1911年と新しいのと、産出量がそんなに多くないため、認知度はいまひとつ。硬度もあってピンク色で可愛らしいため、誕生石に選ばれたことでポピュラーになるかも。

5月

エメラルド

(翡翠)

6月

真珠

ムーンストーン

アレキサンドライト

63年ぶりに誕生石が追加! 誕生石の一覧と新入り宝石の魅力
(画像=Credit: Ceylon Gem Hub、『ナゾロジー』より引用)

ロシアでは「皇帝の宝石」と呼ばれる、世界五大宝石に挙げられる宝石。商業的にすでに6月の誕生石とされていたので、むしろ改めての認定が意外です。1830年にロシアで発見され、カラーチェンジの代名詞の宝石。太陽光では青緑、白熱灯では赤紫にガラッと色が変わるのが魅力です。

7月

ルビー

スフェーン

63年ぶりに誕生石が追加! 誕生石の一覧と新入り宝石の魅力
(画像=Credit: GIA、『ナゾロジー』より引用)

ダイヤモンドよりも光の分散が強いうえ、一条の光線をとらえて分光するので、ギラギラと虹色の光を放ちます。華やかで美しいですが、硬度が5.0-5.5とあまり高くないので、指輪などで身につけるときは注意しましょう。

8月

ペリドット

サードオニックス

スピネル

63年ぶりに誕生石が追加! 誕生石の一覧と新入り宝石の魅力
(画像=Credit: Ofugutan ルビーによく似た赤、青、ピンクとはっきり色が違うが、いずれもスピネル、『ナゾロジー』より引用)

歴史的に赤のものはルビーと間違えられてきたため、「偽物」として不当な評価を受けていた鉱物。しかし、実際はルビーより産出量が少ないうえ、加熱など処理なしで美しいため、宝石としてのスペックは高いです。さらにさまざまな色があり、最近人気が上がっています。『バイオハザード4』の換金アイテムで知った人も多いかも。

9月

サファイア

クンツァイト

63年ぶりに誕生石が追加! 誕生石の一覧と新入り宝石の魅力
(画像=Credit: GIA、『ナゾロジー』より引用)

1902年に発見された石。『セーラームーン』の敵キャラの名前で聞いたことがある人もいるかも。四天王スポジュミンという石の仲間で、見る角度によって色が変わる多色性と、太陽の紫外線にあてたあとで暗い部屋にもっていくと、光を放つ「燐光性」を持っています。

10月

オパール

トルマリン

11月

トパーズ

シトリン

12月

トルコ石

ラピスラズリ

タンザナイト

63年ぶりに誕生石が追加! 誕生石の一覧と新入り宝石の魅力
(画像=Credit: GIA、『ナゾロジー』より引用)

発見されてまだ50年ほどですが、商業的にはすでに12月の誕生石として知られ、人気のある宝石です。現在、サファイアをのぞくカラーストーンの売上高を追い抜いているほどだとか。タンザニアの夕暮れに例えられるとおり、青から紫に見え方が変わる多色性が魅力です。

ジルコン

63年ぶりに誕生石が追加! 誕生石の一覧と新入り宝石の魅力
(画像=Credit: GIA、『ナゾロジー』より引用)

人工石の「ジルコニア」に名前が似ているため、しばしば混同されて不当に扱われていましたが、れっきとした天然石。なんと地球上で最古の鉱物(44億年)と言われています。屈折率と光の分散度が高く、無色のものはダイヤモンドの代用品とされたほど。さまざまな色や硬度もあるので、誕生石をきっかけに評価が上がりそうな宝石です。