ワールドは1月13日、子供服ブランドを展開するナルミヤ・インターナショナル(以下「ナルミヤ」)を買収すると発表した。ワールドはナルミヤに対して連結子会社化することを目的として1株1230円で公開買付け(TOB)を実施し、資本業務提携契約を締結する。ワールドは現在、ナルミヤ株式を25.00%を所有する筆頭株主だが、今回のTOBによってナルミヤの所有比率を51.58%まで引き上げる。TOBの成立以降もナルミヤは上場を維持する予定だ。

ワールドは2018年9月28日に東証1部に上場し、4月からはプライム市場に移行予定の総合アパレル企業だ。2021年3月期の売上高は1803億2200万円(前年は2362億6500万円)、営業利益は216億3700万円の赤字(同123億5100万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は171億4900万円の赤字(同80億8000万円)と、コロナウィルス感染症拡大の影響を受け大幅な減収減益だった。

一方、ナルミヤは2019年9月6日に東証1部上場、4月からはスタンダード市場移行予定の子供向けファッションブランドを多数展開する。コロナ禍では、百貨店やショッピングセンターへの出店店舗の休業を余儀なくされるなか、Eコマースへ販売をシフトすることで、2021年3月期の売上高は295億1100万円の黒字(前年は329億6200万円)、営業利益は10億6700万円(同16億6400万円)、親会社に帰属する当期純利益は3億9600万円(同9億9900万円)とこちらも減収減益だった。

ナルミヤのドメインである子供服の国内市場規模は2019年時点で、約9100億円といわれている。2020年時点でのアパレル全体の市場規模である約7.5兆円と比較するとニッチなマーケットであるうえ、子供服の少量多品種という特性ゆえに、新規参入が少ないとワールドは認識している。しかし、こうした環境の中、子供服の専業アパレルとして30年以上の実績があり、Eコマースによる販路を拡充するなど、マルチチャネル・マルチブランド戦略によって子供服市場での存在感を高めている。日本では少子高齢化が進む中、ワールドとナルミヤは子供一人に費やす金額は今後年々増えていくとも見込んでいる。ナルミヤの社外取締役には、ワールドの上山健二社長やトッズ・ジャパンの元副社長の宅間頼子氏らが務めており、両社が今度どのようなシナジー効果を発揮していくか注目したい。

文・セブツー編集部/提供元・SEVENTIE TWO

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