国家先端戦略産業特別法が11日、韓国国会本会議で可決したことを受け、韓国政府が本格的な後続措置に乗り出す。「半導体特別法」とも呼ばれる同法案は、経済と安保に及ぼす影響が大きいうえ、産業全般に及ぼす波及効果が大きいためだ。韓国メディア「ファイナンシャルニュース」が報じた。(写真:サムスン電子)

11日、韓国企画財政部や産業通商資源部(産業省)などによると、国家先端戦略産業特別法が国会本会議で可決され、韓国政府は公表後、施行令の制定に入る。

法案の主要内容には、国務総理室傘下の国家先端戦略産業委員会を設置し、基本計画(5年単位)と実践計画(1年単位)を立てるというのが含まれている。戦略技術保有企業が該当技術を輸出したり、買収合併(M&A)する場合には政府の承認を受けるようにした。戦略産業特化団地の運営を通じて、基盤施設の造成や運営に対する支援も可能にした。

細部では、特化団地造成に必要な許認可の迅速な処理、入居企業の設備投資支援と人材養成、研究開発(R&D)予算の優先反映、規制改善、技術・人材保護条項なども支援することにした。

韓国政府は関連法令の制定に着手する。実際、昨年末に発表された政府の2022年経済政策方向に、「今年2月に国家先端戦略産業特別法関連法令の制定に入る」と明示されている。半導体特別法制定の目的が、半導体など先端産業のグローバル覇権競争に対する積極的な対応だっただけに、所管部署は産業省だ。

産業省の関係者は「国会通過、政府公表を経て6カ月以内に国家先端戦略産業の範囲にどの産業が入るのか、施行令で規定する作業をしなければならない」と明らかにした。

施行令が制定されれば、技術調整委員会を構成する。技術調整委は、戦略技術を指定し、支援対象を確定する過程を担当する。企画財政部は経済政策方向で戦略技術を「経済安保の観点から特に重要で、産業競争力と雇用創出の土台になる技術」と明示した。

半導体を含め、バッテリー産業が戦略技術に含まれる見通しだ 昨年7月、政権与党の「共に民主党」が法案を検討する際、半導体産業に限られていたが、特定産業を別途支援すれば通商摩擦が懸念されるという指摘を受け、バッテリー(2次電池)やワクチンなども含まれるよう範囲を広げた。

戦略技術に選定されると、R&D、施設投資に対して税制支援が受けられる。大企業と中堅企業はR&D費用の最大40%、中小企業は最大50%が控除される。施設投資は大企業の場合6%、中小企業は16%だ。大企業の一般技術R&D費用に対する税額控除が2%であることを勘案すると、20倍程度と控除規模が大きい。

産業界は、法案可決にも要求事項が十分に反映されていないという立場だ。
専門技術人材不足問題を解消するため、首都圏の関連学科の大学定員を増やしてほしいと要請したが、特性化大学、戦略産業総合教育センターの指定などに限られた。化学物質登録基準の緩和、工場立地の撤廃なども除外され、その代わり、企業の規制改善申請および関係機関の検討(最大45日以内)義務化などに代替されたということだ。基盤施設(インフラ)支援や予備妥当性調査の免除拡大も、従来の議論案より後退した。

提供元・コリア・エレクトロニクス

【関連記事】
韓国の双竜自動車が日本で販売?「ヒュンダイも撤退したのに…」 韓国紙が関心
韓国がパワー半導体のSiC素材検査技術を国産化…「日本の半分のコストで開発」
LGグループが日本法人社屋を約200億円で急遽売却へ
米特許登録数 IBM1位、サムスン2位、LG3位、4位キャノン
フォルクスワーゲンが韓国二社とのEV電池取引を打ち切りか…特許紛争に嫌気?