シンガポールを拠点とするゲーミングデバイスメーカー「Razer」から、ゲーミングマスク「Zephyr」が販売されています。
個人用防護具(PPE)として開発されたわけではないので新型コロナ対策には不向きですが、花粉や飛沫対策としては十分な性能を備えています。
さらにこのほど、現行モデルのZephyrを改良し、マイクとスピーカーを追加した上位版「Zephyr Pro」が発表されました。
低性能の使い捨てマスクの代わりに、ゲーミングマスクを利用するのもアリかもしれません。
目次
虹色に輝くゲーミングマスク「Zephyr」「Zephyr Pro」
Zephyrはコロナ予防には不向きかも
虹色に輝くゲーミングマスク「Zephyr」「Zephyr Pro」
現在販売中の「Zephyr」は、カラフルに光る空気清浄マスクです。
どんな頭部サイズにもフィットするよう設計されており、口と鼻を密閉します。
空気循環用のファンが内蔵されているため、快適な呼吸が可能です。
また、口元には透明な素材と防曇コーティングが採用されており、装着者の表情がはっきり見えるようになっています。
さらに、最新のZephyr Proには音声増幅装置とスピーカーが追加されており、装着時でも声がこもらないのだとか。
ちなみに通気口やZephyr内部の色は、専用アプリによって1680万色から選択できます。
ゲーミングデバイスメーカーの製品にふさわしいデザインとなっていますね。
また、重さの増加についても、スピーカー部分の軽量化などにより、現行モデル(約206g)とほぼ変わらないとのこと。
さて、このゲーミングマスクZephyrの性能で一番気になるのは、「空気中の粒子をどれほど防げるのか」という点でしょう。
それを次に解説します。
Zephyrはコロナ予防には不向きかも
マスクの性能指標には、「BFE」「PFE」「VFE」などが存在します。
BFE(バクテリアろ過効率):細菌を含む3.0μmの粒子を防ぐ割合
PFE(微粒子ろ過効率):0.1μmの微粒子を防ぐ割合
VFE(ウイルスろ過効率):ウイルスを含む約1.7μmの粒子を防ぐ割合
ちなみに花粉は30μm、飛沫は3.0μm、PM2.5は2.5μm以下、インフルエンザウイルスと新型コロナウイルスは0.1μmと言われています。
そしてZephyrのマスク性能は「BFE99%」です。
つまり、花粉には有効ですが、新型コロナウイルス本体を完全に防ぐことはできません。
Razer社も「Zephyrは、医療機器、サージカルマスク、また個人用防護具(PPE)ではなく、医療・臨床現場での使用を目的にしたものではありません」とはっきり伝えています。
とはいえ、布マスクやBFE99%の使い捨てマスクを使うよりは、鼻と口が密閉されたZephyrの方が効果は高いと言えるでしょう。
加えてZephyrは、吸入する空気と吐き出す空気の両方をフィルター(3日交換)にかけます。
そのため自分を保護するだけでなく、周囲の人に自分の飛沫が飛ばないよう助けてくれるでしょう。
現在、Zephyrは99.99ドル(約1万1600円)で販売されており、Zephyr Proは149.99ドル(約1万7400円)になり、発売は年内を予定しています。
さて、新型コロナウイルスの蔓延を考えると、Zephyrのマスク性能に大きな信頼をおくことはできません。
それでもゲーミングマスクならではの独特のデザインから、「ちょっとつけてみたい」と思う人は多いのではないでしょうか。
参考文献
Razer Just Unveiled Its New Mask. With a Microphone and Speakers?
提供元・ナゾロジー
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