これまで「ポストヴィンテージな腕時計」と題して1970年代以降の時計を連載で取り上げ、続いて「かつて人気を博した90年代の時計たち」として1990年代に登場し人気を博したモデルを連載で紹介してきた。そして今回からは2000年になってから発売され、現在は生産終了となっている時計を連載でクローズアップしてみたいと思う。題して「気になるちょい古時計」である。

 その第1回は、前回の「かつて人気を博した90年代の時計たち」でも取り上げたIWCのGSTクロノグラフとファッションブランドのプラダ(PRADA)とのダブルネーム、つまりレギュラーコレクションにはない、ちょっとした特別感を備えた限定モデルだ。

【気になるちょい古時計 No.01】IWC GSTクロノと PRADAのコラボモデル
(画像=『Watch LIFE NEWS』より引用)

 このGST クロノ・オートマティック for PRADAは、2003年にプラダグループのヨットチーム、ルナ・ロッサ艇が4年に1度開かれる世界最高峰のヨットレース、アメリカズカップへチャレンジすることを記念して誕生したモデル。ベースモデルになっているのは、生産終了後の現在も人気の高いIWCのGST クロノグラフだ。

 ベースモデルとの最大の違いは、9時位置にあったスモールセコンドを廃してタテ目の2カウンター仕様としている点だ。カラーリングもシルバーダイアルにブラックのインダイアルという通称パンダ仕様のツートーンにしているため雰囲気もだいぶ違っており、ファッションメゾンらしい洗練された雰囲気が感じられる。

 世界限定2000本と限定数としては比較的多いため、いまだに探せば見つかる。調べてみたところ当時50万円台半ばの定価に対して、現在のUSED実勢価格は40万円台後半ぐらいで流通する。ちなみにベースとなったGSTクロノグラフは30万円台。

GSTクロノクロノグラフ オートマティック for PRADA
■商品データ
型番:Ref.370802
素材:ステンレススチールケース&ブレス
ケース径:39.7mm
防水性:120気圧防水
駆動方式:自動巻き(Cal.7922)
その他:クロノグラフ(30分積算計、12時間積算計)、日付け・曜日表示
当時の国内参考定価55万1250円
菊地 吉正 – KIKUCHI Yoshimasa

【気になるちょい古時計 No.01】IWC GSTクロノと PRADAのコラボモデル
(画像=『Watch LIFE NEWS』より引用)

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。 2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!

提供元・Watch LIFE NEWS

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