燻(いぶ)すことで香りも旨味も各段にアップする燻製。食材と燻製材の組み合わせはバリエーションが豊富で、その奥深さにハマる人も多い。作り方をマスターすれば、キャンプなどアウトドアでの楽しみも広がる。燻製の工程の中で一番重要な温度管理について詳しく解説する。
目次
- 燻製作りの基本~温度管理によって旨みが変わる~
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燻製作りにおいて重要となるのが温度管理である。食材やシーンによって適した燻製材と時間を使い分ければ、家でもアウトドアでもこだわりの燻製がいつでも味わえるようになる。
燻製作りの基本~温度管理によって旨みが変わる~
燻製の基本は「味付け」「乾燥」「燻煙」の3ステップ。まず、「味付け」では塩や調味料、スパイスを加えたソミュール液で食材に味をつける。生肉からベーコンを作る場合は、丸ごと塩漬けにして一週間ほど冷蔵庫で寝かせる。
次に、味付けした食材の表面を30分~1時間程度風にさらす「乾燥」。食材の水分が残っていると、煙と反応して酸味が出てしまうので、注意が必要となる。なお、チーズやナッツ類、ハムやソーセージなどの肉類加工品は味付けと乾燥の工程をスキップできる。
最後に、「燻煙」の工程に入る。燻製材を焦がして煙を出し、温度や時間によって特有の風味を加えていく。燻煙には3種類あるのでそれぞれ詳しく解説する。
熱燻
80~140℃以上の高温で燻す方法。10~60分と短時間で一気に仕上げるので、キャンプシーンや初心者におすすめだ。表面の風味付けがメインとなるので、保存食としての燻製作りではない。
温燻
30~80℃で数時間~1日程度燻す方法。ベーシックな燻製法で、熱燻に比べて保存が利く。仕上がりの水分量は50%程度で長期保存には向かないが、口当たりがやわらかく食べやすい。
冷燻
15~30℃程度の低温で、数日から数週間と長時間燻煙をかける方法。水分が飛ぶので長期保存できる。噛むほどに旨味を感じる燻製に仕上がる。外気も考慮した温度管理が必要になるため、ある程度慣れてからチャレンジするとよい。
スモークを堪能。温度によって燻煙材を使い分ける
チップは火にかけて煙をおこすため、温度が高くなる熱燻に向いている。食材は炙って焼いたような口当たりが楽しめる。チーズやミックスナッツ、牡蠣やホタテなどの魚介類がおすすめだ。どんな食材にも合う万能チップはクルミ、ピート、ヒッコリー。チーズは香りの高いヒノキ、魚介はカエデ、ブナと相性がよい。
温燻や冷燻には主にスモーキングウッド(ブロック形状)を使用する。熱源を必要とせず、着火剤のついている箇所に火をつければ一定時間煙を出し続けるので、燻製器のサイズや時間によって割ったり、2種類合わせたりする。ベーコンやソーセージなどの加工品はサクラ、ブナ。冷燻のスモークサーモンはウイスキーオークが一般的だ。
燻製材のチップやウッドを食べ比べするのも面白いが、自分好みにブレンドして理想の香りを探すのもまた楽しい。食材、シーン、燻製器、火加減や数量で味ががらりと変わるのも燻製の醍醐味である。
男の隠れ家デジタル編集部
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提供元・男の隠れ家デジタル
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