デザイン性の高いおしゃれスーツやここぞというときの勝負スーツ、パーティー用のスーツ、結婚式用のスーツ、さらにはそれぞれのシーンにあわせるための革靴やネクタイ、ポケットチーフ、シャツまで、様々なスーツ用アイテムをお持ちだと思います。しかし皆さん、靴下まで気を配っていますか?360度抜かりなくキメているように見えても、ソックスは油断しているなんていうことも。今回は紳士ならば履いておきたいロングホーズと呼ばれる、いわゆるハイソックスについて見ていきましょう。

●ロングホーズってなんだ?

スーツ着用時に履くロングホーズとは
(画像=rakuten.co.jp/rootweb/(ROOTWEB)、『KASHI KARI』より引用)

ロングホーズを知るにはスーツの歴史を知るのが1番です。ということで、スーツの歴史を少しだけ見てみましょう。
15世紀以前は、まだパンツという形が誕生していませんでした。そのため、男性もチュニックやスカートのような衣服をまとい、タイツを履いていました。15世紀に入ると、裾の短いジャケットに半ズボン、タイツというファッションが定着します。16世紀から17世紀には、フリルやレースをまとった襟をあしらうのが流行。首まわりの装飾はどんどん派手になっていきました。18世紀には、貴族たちはかつらを被るようになり、シューズはより美脚に見せるため、男性もヒールのあるパンプスを履くようになりました。
スーツのスタイルが現代にグっと近づいたのは、フランス革命が終わった18世紀後半からでした。それまで装飾性を最重要視した、派手で煌びやかなスタイルが主流でした。しかしジャケットはフロック・コートと呼ばれる、前部分が動きやすいようにカットされたものが主流になります。靴はヒールのあるパンプスではなくブーツに、パンツは長ズボンになり、タイツがなくなり靴下に移行しました。そして、19世紀半ばまでブーツスタイルは続きます。この間に生まれたのがロングホーズでした。

●乗馬用に考案された靴下

スーツ着用時に履くロングホーズとは
(画像=『KASHI KARI』より引用)

フランス革命後、パンツは長ズボンに移行しました。しかし馬にまたがって行う狩猟の際には、長ズボンとロングブーツでは少々動きにくいですね。そこで、狩猟用に半ズボンにロングソックス、ロングブーツというファッションが考案されたのです。
やがて19世紀半ばにロングブーツではなく、現代のスニーカー丈の革靴になりました。しかし、靴下はロングホーズがそのまま後世へ受け継がれてきたのです。