目次
LEDライトのエネルギー効率が良い理由

LEDライトのエネルギー効率が良い理由

LEDライトが従来の照明器具と比べて省エネなのは、いくつかの特徴があるからです。

1つ目の特徴は、LEDのエネルギー変換効率です。

エネルギー変換効率とは、電気エネルギーを可視光線に変換できる割合のことです。

なぜLEDライトはエネルギー効率が良いのか?
(画像=白熱電球は、ほとんどの電気エネルギーを熱に変換してしまう / Credit:Depositphotos、『ナゾロジー』より 引用)

白熱電球は電流を流してフィラメントと呼ばれる細い金属を熱することで光をつくります。

そのため電気エネルギーのほとんどは熱に変換されてしまい、エネルギー変換効率はたったの10%になってしまいます。

また蛍光灯は水銀が入ったチューブに電流を流して、その作用で光を発生させる仕組みです。

こちらも熱エネルギーに多くが変換されるため、エネルギー変換効率は20%程度です。

対してLEDライトは、先ほど解説した仕組みにより、電気エネルギーを直接光に変換できます。

そのためLEDライトのエネルギー変換効率は50%にもなるのです。

なぜLEDライトはエネルギー効率が良いのか?
(画像=白熱電球、蛍光灯、LEDライト。省エネなのはLEDライト / Credit:Depositphotos 、『ナゾロジー』より 引用)

2つ目の特徴は、LEDの指向性です。

白熱電球などの従来の光源は、360°すべてに光が拡散します。

そのため照明器具にすると、一部の光はどうしても有効活用されません。

白熱電球や蛍光灯は背面に鏡や傘がかぶせてありますが、あれは無駄に拡散する光を集めたり、光の方向を制限するためです。

対してLEDライトは光の発する角度が狭いため、無駄になる光エネルギーがほとんどありません。そのためLEDライトの背面に鏡や傘がつくことはありません。

なぜLEDライトはエネルギー効率が良いのか?
(画像=LEDの指向角。製品によって異なるが、白熱電球などに比べると光の発する方向が定まっているため明るく見える。 / Credit:mycraft,LEDの指向角[半値角(半減角)]とは?(2010)、『ナゾロジー』より 引用)

3つ目の特徴は、寿命です。 LEDライトは、フィラメントのような高熱が加わったり経年劣化で切れたりする部分がありません。

そのため従来の照明器具に比べて長持ちします。

白熱電球の光源寿命が最大2000時間なのに対し、LEDライトの光源寿命は4万時間以上だと言われているのです。

さて、これらの特徴により、LEDライトの消費電力は従来の照明器具に比べて最大75%小さくなります。

今後も、省エネなLEDライトは世界中で活躍していくでしょう。

もし身近な照明器具がまだLEDでないのなら、交換してみる価値はありそうです。


参考文献

Why Are LED lights So Energy-Efficient?


提供元・ナゾロジー

【関連記事】
ウミウシに「セルフ斬首と胴体再生」の新行動を発見 生首から心臓まで再生できる(日本)
人間に必要な「1日の水分量」は、他の霊長類の半分だと判明! 森からの脱出に成功した要因か
深海の微生物は「自然に起こる水分解」からエネルギーを得ていた?! エイリアン発見につながる研究結果
「生体工学網膜」が失明治療に革命を起こす?
人工培養脳を「乳児の脳」まで生育することに成功