ネコを飼っている人にとって、ネコのお風呂はまさに戦争。
濡れるのを嫌がって暴れるネコを洗いながら、傷を負った飼い主さんも少なくないのではないでしょうか。
わが家のネコも、お風呂に注水するときなどはすすんで見に来るくせに、自分が濡れるとなると大暴れします。
トラなどの大型のネコ科の動物では自ら川に入り泳いでいる様子も見られますが、イエネコの多くが水を嫌うのはなぜなのでしょうか?
様々な研究により、イエネコはその祖先から受け継がれる身体的な特徴によって、水を嫌うことが明らかになりました。
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イエネコの祖先
イエネコの祖先
イエネコの祖先は、リビアヤマネコという品種です。
ネコと人との関わりはおよそ1万年前の新石器時代に遡ります。
当時、中東のティグリス・ユーフラテス川にほど近い「肥沃な三日月地帯」と呼ばれる場所で、人は農業をスタートさせました。
農業によって得られた穀物はネズミに狙われ、そのネズミを狩りにリビアヤマネコが人の集落へ近づいたのがネコと人の関係の始まりです。
ネズミを駆除してくれるネコは大変役に立つ存在だったため、人々はこの地から移動する際にもネコを連れていきました。
こうして、世界中にネコを飼育する文化が広がっていったのです。
リビアヤマネコは中東やエジプトの非常に雨が少なく乾燥した地方に住んでいる生き物で、普段水に濡れることはほとんどありません。
このため、リビアヤマネコから派生したイエネコたちもまた、水に濡れることを苦手としているのです。