ラットを用いた実証実験が進行中

マウスには捕食者の熱を検知する「赤外線探知毛」があるかもしれない
(画像=赤外線を感じ取る毛の実在がマウスで確認されれば、ノーベル賞も夢ではない / Credit:Canva . ナゾロジー編集部、『ナゾロジー』より引用)

今回の研究により、マウスなどのげっ歯の毛には、捕食者の発する赤外線を検知できる可能性が示されました。

全身にはえているガイドヘアを捕食者が発する赤外線を探知するセンサーにすることができれば、捕食者がどんなに静かに暗闇から迫っても、接近に気付いて逃げることが可能になります。

一方で、捕食者たちの赤外線を隠すような飛び掛かりパターンは、赤外線感知能力を回避するために獲得されたとも考えることが可能です。

ベイカー氏は現在、フクロウの目と同じパターンで赤外線を発する装置をラットの背後に設置し、ラットの反応を調べる実験を計画しているとのこと。

もしラットが特定の赤外線パターンにのみ反応して身を隠したり、毛刈りによって赤外線に反応しなくなることが確認できれば、より直接的な証拠になるでしょう。


参考文献

Some Mammals May Use Specialized Hairs to Detect Predators’ Heat

元論文

Infrared antenna-like structures in mammalian fur


提供元・ナゾロジー

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