イギリスの定期刊行物「エコノミスト」の調査部門、エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)が「生活費が高い都市ランキング」の2021年度版を発表しました。

生活費が最も高い都市として1位はイスラエルのテルアビブ、日本からは大阪が10位にランクインしています。

新型コロナウイルスの感染拡大で、サプライチェーンの問題が物価上昇率とランキングに大きな影響を及ぼしていることが明らかになりました。

目次

  1. 日本からは大阪が10位、テルアビブはパリを抜きトップに
  2. 過去5年間で最も高い物価上昇率、コロナ禍のサプライチェーンが順位に影響か

日本からは大阪が10位、テルアビブはパリを抜きトップに

2021年8月16日から同年9月12日の間に収集された調査データによる本ランキングは、イスラエルのテルアビブは昨年までトップのパリを抜き、昨年の5位から1位になりました。

EIUによるとテルアビブが首位となった理由に

  1. シェケル(イスラエルの通貨)が米ドルに対して強くなったこと(シェケル高ドル安)
  2. 食料品や交通機関の価格上昇 を挙げています。

日本からは大阪が10位にランクインしており、上位10か国のうちアジアが4か国を占める結果となりました。

本ランキングで最も大きく順位を上げたイランのテヘランは、アメリカの制裁による物資不足や物価上昇の影響を受け、79位から29位のランクアップとなっています。

  1. テルアビブ(イスラエル)
  2. パリ(フランス)
  3. シンガポール(シンガポール)
  4. チューリッヒ(スイス)
  5. 香港
  6. ニューヨーク(アメリカ)
  7. ジュネーブ(スイス)
  8. コペンハーゲン(デンマーク)
  9. ロサンゼルス(アメリカ)
  10. 大阪(日本)

過去5年間で最も高い物価上昇率、コロナ禍のサプライチェーンが順位に影響か

EIUによると、都市間の物価上昇率は昨年同時期の1.9%と比較し、過去5年間で最大の3.5%となりました。

現状、感染者が急増している大都市は依然としてあり、それに伴う供給の妨げにより世界的な物資不足や価格の高騰を招いています。

新型コロナウイルスのパンデミックが、物資の生産や貿易に影響を及ぼしたことで露呈したサプライチェーンの問題が、世界的な物資の不足や価格高騰に拍車をかけていると考えられます。

特に、原油価格の上昇で無鉛ガソリン価格が21%上昇したことから、交通費の急激な上昇が明らかになっています。

EIUのUpasanaDutt氏は

「来年は、多くの分野で賃金が上昇するため、多くの都市で生活費がさらに上昇することが予想される一方で、中央銀行はインフレ抑制のために慎重に金利を引き上げることも予想されます。故に、物価の上昇は今年のレベルから緩やかになり始めるはずです。」

「ランキング下位の都市の多くは通貨が米ドルに対して弱くなったこともあり、価格が停滞または低下しています。」

と述べています。

文・訪日ラボ編集部/提供元・訪日ラボ

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