大晦日の夜から新年を迎えるタイミングで鳴り響く「除夜の鐘」。日本人なら誰しも慣れ親しんでいる除夜の鐘ですが、鐘を鳴らす意味や108回もの回数を鳴らす理由は何なのでしょうか?
今回は、除夜の鐘を鳴らす意味と鳴らす回数の由来について徹底解説!さらに、知っておくと便利な除夜の鐘についてのマナーなど、豆知識までご紹介します!

目次
1 除夜の鐘とは?鳴らす意味と31日に鳴らす理由
2 除夜の鐘を鳴らす回数について、除夜の鐘のマナー

1 除夜の鐘とは?鳴らす意味と31日に鳴らす理由

除夜の鐘とは?除夜の鐘を鳴らす意味と108回の回数について解説!
(画像=『店通-TENTSU-』より 引用)

除夜の鐘を鳴らす意味

除夜の鐘を鳴らす風習は、もともと中国の宋の時代から伝わった仏教行事の一つだと言われています。日本では鎌倉時代の頃に伝わり、室町時代から徐々に広がりはじめ、江戸時代には日本の伝統行事として根付いていったとされています。
また、除夜の鐘は、大晦日の12月31日の夜から新年の1月1日を迎える際に寺院で鳴らすことが一般的とされています。この鐘を鳴らす行為は、大晦日から新しい年への引継ぎを行うための大切な儀式とされています。

除夜の鐘を31日につくようになったのはなぜ?

除夜の鐘の「除」という漢字には、「古いものを捨て、新しいものに移る」という意味が込められており、大晦日は翌日には新年を迎える日にあたることから、別名「除日(じょじつ)」と呼ばれています。そのため、大晦日の夜から新年にかけ、この除夜の鐘は鳴らされているのです。

2 除夜の鐘を鳴らす回数について、除夜の鐘のマナー

除夜の鐘とは?除夜の鐘を鳴らす意味と108回の回数について解説!
(画像=『店通-TENTSU-』より 引用)

除夜の鐘はなぜ108回?

除夜の鐘は、多くの寺院で108回鳴ることが多いとされています。この108回という回数には諸説あるといわれていますが、今回は一番有名な一説をご紹介します!

それは、人間の煩悩の数から来ているというものです。人間の煩悩は108個あると言われており、鐘を鳴らすことでそれらを祓う意味合いから108回鐘を鳴らすというようになったそうです。 この煩悩とは、「眼(視覚)」「耳(聴覚)」「鼻(嗅覚)」「舌(味覚)」「身(触覚)」の五感に加え、第六感ともいえる「意(意識)」による「六根」から生じた心の働きから生み出されると考えられています。
これらから起こる感情として、「好(良い)」「悪(悪い)」「平(どちらでもない)」の3つに分けることができ、さらに、その状態は「染(汚れたこと)」「浄(清らかなこと)」の2つに分けられます。
また、煩悩によって人は過去・現在・未来の「三世」によって悩みや苦しみが続くと考えられており、これらを計算すると、6(六根)×3(良・悪・平)×2(染・浄)×3(三世)=108になるのです。

除夜の鐘を鳴らす回数の理由には他にも諸説あるため、108回鳴らさない寺院や、場所によっては200回以上もの回数を鳴らす寺院もあるようです。

除夜の鐘をつく際にマナーはあるの?

実は、除夜の鐘を鳴らすことができる寺院も日本には多く存在します。こちらでは除夜の鐘を鳴らす際に、どのようなことに気を付けておけば良いのかマナーなどの豆知識をご紹介します。 除夜の鐘を鳴らすタイミング 除夜の鐘は、107回目までは前年の内につき、最後の一回は新年になってからつくことが正式なつき方と言われています。こちらには、108個の煩悩をすべてきれいに祓って新しい年を迎えるという意味合いが込められています。また、108回もの回数鐘を鳴らすため、時間帯に関しては、大晦日の22時頃から鐘をつきはじめる寺院が多いようです。

参拝の前に鐘を鳴らす

除夜の鐘を鳴らす際に注意したいのは、本堂へのお参りの前に鳴らすということです。なぜなら、本堂へお参りした後に鐘を鳴らすことは、「戻り鐘」と呼ばれており、縁起が悪いとされているからです。また、鐘の近くまで進んだら、合掌・一礼してから鐘をつくようにしましょう。