2大トップライバー時代の終焉か?

viyaとAustin(李佳琦)は誰もが知る中国2大ライバーで、タオバオライブでは、それぞれ9,200万、6,000万人のフォロワーを獲得しているなど、他のライバーと格違いである。
そのため、本来宣伝してもらえる側であるブランドとの関係は、むしろ2人が主導権を握っており、2人にライブ配信商品として選んでもらうことは、ブランドにとって容易ではない。

最近の最も有名な事件としては、ロレアルの価格事件が挙げられるだろう。これは、ロレアル中国がAustinに販売を依頼したパックを「年間最安値」と謳わせたが、その後ロレアルが自社ライブコマースにおいてさらに安い値段で販売したことで生じた事件である。

これを受けAustinはロレアルとの協業を中止すると強硬の姿勢をみせ、世の中を騒然とさせたが、その後ロレアルがお詫びと消費者に補償案を出し、この事件はAustinとAustinをフォローする消費者が勝利を収める結果となった。

しかし、中国の脱税取締強化が雪梨cherieに次いで、viyaにも及んだことで、トップライバーがライブコマースを制覇する時代についに終わりを告げたようだ。

トップライバーのうち、唯一無事であるAustinは「我々は誠実的に経営し、本分を尽くしてライブ配信を行なっている。現在会社の経営はいつも通りだ」とコメントしている。

では、viyaや雪梨cherieのライブ配信活動停止によって、Austinが中国ライバーの一強になれるか、というとそうとも言えない可能性が高い。たとえAustinが中国の脱税取締強化を乗り越えられたとしても、中国ライブコマースにおける規制強化は引き続き行われている。

また、Douyin(Tik Tok中国版)やタオバオなど、ライブコマースのプラットフォームも近年、ブランドの自社ライブコマースを積極的に支援しているため、トップライバーの影響力はこれを機に衰えていきそうだ。

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