SNSや動画サイトなどでは、ペットが登場する様々な動画や写真、あるいは漫画やイラストなどによるエピソード再現などが山のように公開されており、その中には国内外から多くの支持を集めているコンテンツも少なくありません。

しかしながらそうした「人気のペットさん動画・静画」の中には、実際にはいわゆるヒヤリハット事例というべきケースもしばしばみられるのですが、そうした「これはヒヤリハットです」という指摘は、あくまで筆者が確認する限りでは極めて少数なのが現実です。

なぜ、そのような「これはヒヤリハットです」という指摘がされにくいのでしょうか。

筆者も何度か指摘している「特に現代(日本)社会では、『ペット動物の賢さへの過信』が時として『人間による自分(たち)自身の賢さへの過信』以上に過激化・先鋭化しがちである」という理由も大きいですが、他にも例えば「ペット動物(や、そのペットを写した動画や静画)に『癒し』『幸せ』を見出す空気に水を差すこと(とみなされる行為)」を強く忌避する価値観の存在なども、ヒヤリハットをヒヤリハットとしてきちんと認識することを妨げる深刻な要因の一つだといえるでしょう。

しかし矢張りそうした「ペット動物に『癒しや幸せ』を見出す空気に水を差したとみなされる行為」を忌避することが、巡り巡って当のペット動物を不幸にしてしまうことも実際にはあります。

今回のテーマも、そうした幾つかの例を元にした架空の事故です。

ペットのヒヤリハットを探せvol.10なぜこうなった?3
(画像=『QUIZ BANG』より引用)

とある飼い主さんは、自分の家の中だからと油断して歩きスマホをしてしまっていたところペットの猫につまづいてしまいました。幸い猫に特にケガはなく、餌やペット用おやつのおねだりをしたので早速液状おやつをやり、ひと安心しました。

そして飼い主さんがこのことを再現漫画にしてSNSに上げたところ、ほのぼのネタとして大いにもてはやされました。そして実はこうした軽い(とご本人や多くのファンの人々が思う)アクシデントは以前にも何回かあったという補足をすると、これまた「ちょっと間抜けで憎めない飼い主さん」「災いを転じておやつをせしめる賢いニャンコさん」としてほのぼのネタ扱いになり、これから注意しようという視点は欠落したままでした。

ただ中には、さすがに「これはヒヤリハットですよ」という指摘をした人々も数は極めて少ないですがいました。

しかし、飼い主さんや「SNS上のお取り巻き」化したファンの人々はそうした指摘を黙殺するばかりでした。

ペットのヒヤリハットを探せvol.10なぜこうなった?3
(画像=『QUIZ BANG』より引用)

そしてそれから1年もしないうちに、結局飼っていた猫は死亡してしまいました。ここでの猫の死因としては、何が考えられるでしょうか(今回は自由回答です)?

・・・正解例は、「飼い主さんが間違って蹴ってしまったことによる致命傷」「おやつの過剰摂取による肥満が原因の病気」などです。

以前に間違って蹴ってしまうことがあってもケガをしなかった、ということがラッキーな偶然である(従って、そういったことが起きないよう注意するべきだ)という視点の欠落により、家の中を移動する際に注意を払わなくとも大事には至らないと思うようになり、結果としてアンラッキーな事故につながってしまった可能性もあります。

一つの大きな事故の裏には複数の軽微な事故、その軽微な事故の裏には数え切れないほど多くのヒヤリハットが潜んでいるといいますが、そのことを忘れてはいけません。

更にいうと、その「数え切れないほどのヒヤリハット」の中には、ヒヤリハットであると認識されないものも随分ある(つまり、ヒヤリハットであると認識されなくとも様々な偶然次第で大きな事故につながり得る)ということも、忘れないようにしたいものです。

また、おやつの過剰摂取による肥満を引き金とする病気で寿命が縮まった可能性にも、注意が必要です。糖尿病や尿結石など泌尿器系の疾患のリスクを高めてしまったり、関節に過剰な負担をかけてしまうからです。

<参考サイト>

猫におやつ、あげすぎてない?最低限知っておきたい3つのルール

猫におやつをあげすぎるとどうなる?正しい3つの与え方

提供元・QUIZ BANG

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