NISA口座を開設した後、「別の金融機関に変更したい」あるいは「一般NISA口座からつみたてNISA口座に変更したい」と思う人もいるでしょう。このような場合、所定の手続きをすれば金融機関や口座種類を変更できます。今回はその方法をみていきましょう。あわせてNISA制度の概要とNISAを扱う主要ネット証券5社の特徴についても解説します。NISA口座を変更する際の参考にしてください。
NISA口座を変更する前の基礎知識
まずはNISA口座についての基本を確認しておきましょう。NISAは口座の種類や金融機関を変更できますが、1年に1回に限られます。また、一般NISAとつみたてNISAの併用は不可となっています。
NISA口座は1年ごとに変更できる
NISA口座の金融機関の変更や、一般NISA口座からつみたてNISA口座、あるいはつみたてNISA口座から一般NISA口座への口座種類の変更は、年単位で1年ごとに行えます。
出典:金融庁『NISAとは?』
ただし、変更できる時期には要注意です。たとえば2021年のNISA口座を変更するには、2020年10月1日から2021年9月30日までの間に手続きを完了する必要があります。また、2021年に一度でもNISA口座で商品の買付けを行っていると、2021年分のNISA口座の変更はできません。
金融機関の変更を希望する方は、変更したい年分の前年の10月1日から変更したい年分の属する年の9月30日までに変更の手続きを完了することで、変更することができます。(中略)
(注)変更したい年分の属する年の1月1日以降、変更前の金融機関のNISA口座で買付けがあった場合には、その年分については金融機関を変更することはできません。
すでに9月末を過ぎている場合や、その年にNISA口座で商品を買付けている場合は、翌年分以降の口座から変更できます。
NISA口座を複数申し込んでも開設できるのは1口座のみ
成人の場合、開設できるNISA口座は「一般NISA口座」と「つみたてNISA口座」のいずれか1人1口座のみです。
すでにNISA口座を開設している人が別の金融機関でNISA口座の開設を申し込んでも、税務署の審査で弾かれるため、新たな口座は開設できません。
NISA口座を開設していない人が複数の金融機関へ同時にNISA口座の開設を申し込んだ場合、税務署は最初に申請が届いた金融機関の口座開設を認め、それ以降の申請は受理しません。希望する金融機関でNISA口座を開設できなくなるおそれがあるため、申し込みは最も希望する金融機関のみで行いましょう。
複数の金融機関に申し込んでしまった場合、ご希望の金融機関でNISA口座の開設ができなくなることがあるため、いずれか1つの金融機関をお選びいただき、直ちに、NISA口座の開設・お取引を希望されない金融機関に対して、NISA口座の開設申込の取消しをお申し出ください。
税務署で申請が受理されNISA口座が開設されると、開設申込の取消しはできません。別の金融機関で口座を開設するには、通常の金融機関変更手続きが必要になるため、翌年まで金融機関の変更はできなくなります。
NISA口座の金融機関や一般NISA・つみたてNISAの口座種類を変更する手順
ここではNISA口座の金融機関を変更する方法(手順)をみていきましょう。「一般NISA口座」から「つみたてNISA口座」へ口座種類を変更する手続きもあわせて解説します。
NISA口座の金融機関を変更する際の流れ
NISA口座の金融機関を変更するには、変更前の金融機関のNISA口座を廃止し、変更先の金融機関でNISA口座を開設する手続きを行います。その流れは次の通りです。
<NISA口座の金融機関変更の流れ>
- 変更前の金融機関に「金融商品取引業者等変更届出書」または「非課税口座廃止届」を提出する
- 変更前の金融機関から「(非課税管理)勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」を受け取る
- 変更先の金融機関に「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」と「非課税口座開設届出書」を提出する
変更前のNISA口座で商品を保有したまま、金融機関を変更する場合は、「金融商品取引業者等変更届出書」を変更前の金融機関へ提出し、「勘定廃止通知書」を発行してもらいます。変更前のNISA口座を完全に廃止する場合は、「非課税口座廃止届」を提出し、「非課税口座廃止通知書」の交付を受けます。
NISA口座の金融機関を変更するには、変更したい年分の前年10月1日から当年9月30日までの間に変更を完了しなければなりません。書類の受け取りや返送にかかる時間も考慮し、なるべく8月までには手続きを始めましょう。
NISA口座をSBI証券に変更したい
他社からSBI証券へNISA口座の金融機関を変更するには、次のような流れで手続きします。SBI証券の証券総合口座を持っていない人は、変更前に開設が必要です。
<他社からSBI証券への金融機関変更の流れ>
- 変更前の金融機関に変更を依頼する
- 変更前の金融機関から受け取った「金融商品取引業者等変更届出書」に必要事項を記入し、提出する
- 変更前の金融機関から「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」を受け取る
- SBI証券へ金融機関変更の資料請求をする
- SBI証券から受け取った「非課税口座開設届出書」に必要事項を記入し、必要書類を同封して返送する
- SBI証券での書類審査、税務署での審査
- NISA口座開設完了
出典:SBI証券『NISA・つみたてNISA口座開設の流れ(他社でNISA口座を開設されている方)』
変更前の金融機関とSBI証券への請求は、並行して行うと手続きにかかる時間を短縮できます。
SBI証券への金融機関変更の資料請求の申込みは、WEBサイトから行います。このときにNISA口座とつみたてNISAのどちらを開設するかを選択でき、必要に応じて口座種類の変更も同時に行えます。
請求から5日ほどで「非課税口座開設届出書」が届くので、必要事項を記入しましょう。
記入した非課税口座開設届出書と、現住所の確認できる「本人確認書類」、マイナンバーを確認できる「個人番号(マイナンバー)記載書類」、変更前の金融機関から受け取った「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」を同封して、SBI証券へ返送します。
すでにSBI証券にマイナンバーを提示済みの場合は、個人番号記載書類の提出は不要です。
SBI証券での書類審査、税務署でのNISA口座開設に関する確認が完了すれば、口座開設完了です。口座開設完了の通知は、SBI証券WEBサイトにログイン後に表示される「重要なお知らせ」で確認できます。
NISA口座を楽天証券に変更したい
他社から楽天証券へNISA口座の金融機関を変更するには、次のような流れで手続きします。楽天証券の総合取引口座を持っていない人は、変更前に開設が必要です(同時開設も可)。
<他社から楽天証券への金融機関変更の流れ>
- 変更前の金融機関に変更を依頼する
- 変更前の金融機関から受け取った「金融商品取引業者等変更届出書」に必要事項を記入し、提出する
- 変更前の金融機関から「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」を受け取る
- 楽天証券へ「NISA口座申込書(届出書)」を請求する
- 楽天証券から受け取った「NISA口座申込書(届出書)」に必要事項を記入し、必要書類を同封して楽天証券へ返送する
- 楽天証券での書類審査、税務署での審査
- NISA口座開設完了
楽天証券への金融機関変更の資料請求の申込みは、WEBサイトから行います。登録住所に「スターターキット」が届くので、同封されている「NISA口座開設のための申込書」に必要事項を記入しましょう。
記入した申込書と「マイナンバー通知届出書」、変更前の金融機関から受け取った「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」を同封して、楽天証券へ返送します。
すでに楽天証券にマイナンバーを提示済みの場合は、スターターキットにマイナンバー通知届出書は同封されず、提出も不要です。
書類返送後、楽天証券での書類審査、税務署でのNISA口座開設に関する確認が完了すれば、口座開設完了です。口座開設完了の通知は、メールと楽天証券WEBサイトにログイン後に表示される「お知らせ」で確認できます。
一般NISA口座からつみたてNISA口座に変更する手順と注意点
NISA口座からつみたてNISA口座への口座種類(区分・勘定)の変更も年単位で行えます。その方法(手順)と注意点を確認しておきましょう。
・一般NISA口座とつみたてNISA口座は併用できない
一般NISA口座とつみたてNISA口座は、同じ年にいずれか一方しか利用できません。一般NISA口座を利用している人がつみたてNISA口座を利用するには、口座種類の変更手続きが必要です。
現在、一般NISA口座で保有している商品は、口座種類の変更後も非課税期間が終了するまで、そのまま非課税で保有できます。保有している商品をつみたてNISA口座に移したり、つみたてNISAの条件(非課税期間など)に変更したりはできません。
2015年1月1日以降金融機関を変更する場合、変更前の金融機関のNISA口座にお預けになっている上場株式や株式投資信託等を、変更後の金融機関のNISA口座に移すことはできません。
・同じ金融機関内で、つみたてNISA口座へ変更する手順
同じ金融機関内で一般NISA口座からつみたてNISA口座へ変更するには、口座種類変更を申し込みます。ほとんどのネット証券ではWEB上で手続きが完了します。
<一般NISA口座からつみたてNISA口座への変更手続き(楽天証券の場合)>
WEBサイトにログイン>「NISA・つみたてNISA」>「口座開設・区分変更」>の順に進み、「NISA口座区分を変更する」をクリック。手続きはリアルタイムで完了します。
出典:楽天証券『NISA口座(つみたてNISA/一般NISA)区分変更方法のご案内』
NISA口座の開設後、一般NISA口座で一度も買付けをしていない場合、9月30日までに手続きが完了すれば、その年分からつみたてNISA口座に変更できます。
すでに一般NISA口座で買付けをしている場合、10月1日から翌年9月30日までの間にNISA口座種類変更の手続きをすることで、翌年分からつみたてNISA口座に変更できます。その年分の変更はできません。自動積立や分配金再投資を設定していると、気付かないうちに翌年分の非課税枠を使ってしまうおそれがあります。その場合、翌年分も変更ができなくなってしまうので注意しましょう。
また、NISA口座開設手続中および税務署の審査中は口座種類変更を申し込めません。NISA口座の開設を申し込んだものの、やっぱりつみたてNISA口座に変更したいという場合は、NISA口座開設完了後に変更の申し込みが必要です。
・金融機関を乗り換えて、つみたてNISA口座へ変更する手順
現在、一般NISA口座を利用している人は、金融機関の乗り換えと同時につみたてNISA口座への口座種類変更ができます。
<金融機関を乗り換えて、つみたてNISA口座へ変更する流れ>
- 変更前の金融機関に「金融商品取引業者等変更届出書」または「非課税口座廃止届」を提出する
- 変更前の金融機関から「(非課税管理)勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」を受け取る
- 変更先の金融機関に「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」と「非課税口座開設届出書」を提出する(開設する口座種類として「つみたてNISA」を選択する)
ネット証券会社5社のNISA口座の特徴比較
NISA口座の金融機関を変更するなら、変更先の金融機関はしっかり選びたいところです。ここではネット証券5社のNISA口座の特徴を比較してみましょう。
<ネット証券5社のNISA口座の概要>
証券会社 | NISA口座での取扱 | 取引手数料 | ||||||||
国内現物 株式 |
国内株式 IPO |
外国株式 | 投資信託 | 単元未満株 | 国内株式 買付 |
国内株式 売却 |
投資信託 買付手数料 |
外国株式 買付手数料 |
海外ETF 買付手数料 |
|
SBI証券 | ○ | ○ | 9ヵ国 (※1) ※ETF含む |
○ | ○ | 無料 | 無料 ※単元未満株を除く |
無料 | 通常手数料 | 無料 |
楽天証券 | ○ | × | 6ヵ国 (※2) ※ETF含む |
○ | × | 無料 | 無料 | 無料 | 通常手数料 | 無料 |
マネックス証券 | ○ | ○ | 米国 中国(香港) ※ETF含む |
○ | ○ | 無料 | 無料 ※単元未満株を除く |
無料 | 無料 | 無料 |
auカブコム証券 | ○ | × | × | ○ | ○ | 無料 | 無料 ※単元未満株を除く |
無料 | − | − |
松井証券 | ○ | ○ | × | ○ | 売却のみ | 無料 | 無料 ※単元未満株を含む |
無料 | − | − |
※SBI証券、楽天証券、マネックス証券、auカブコム証券、松井証券の公式ホームページより筆者作成(2021年12月10日時点)
※1:米国、中国(香港)、韓国、ロシア、ベトナム、インドネシア、シンガポール、タイ、マレーシア
※2:米国、中国(香港、上海)、インドネシア、シンガポール、タイ、マレーシア
NISA口座での取扱商品や取引手数料はおおむね共通していますが、IPOや外国株式、単元未満株の取り扱い、外国株式の買付手数料、単元未満株の売却手数料に違いがみられます。
SBI証券のNISA口座……投資信託、外国株、IPOの取扱数は業界最多水準
SBI証券のNISA口座の魅力は、なんといっても充実した商品ラインアップでしょう。
投資信託の取扱銘柄数は2575本でネット証券トップクラスです(NISA対象銘柄、2021年12月10日時点)。三井住友カードを使った投資信託の積立購入もでき、購入額に応じてクレジットカードのポイントが貯まります。
出典:SBI証券『三井住友カードのクレカ積立』
SBI証券では投資信託は100円から取引できるので、無理のない金額で投資できるのもメリットでしょう。
IPO(新規公開)銘柄の取扱数も業界No.1です。2020年の取扱実績は85銘柄、2020年のIPO全93銘柄の9割超を取り扱っています。
出典:SBI証券『新規上場株式取扱実績』
SBI証券では9ヵ国の外国株式を取り扱い、こちらも主要ネット証券では最多です。メジャーな米国株や中国株のほか、アセアン株、韓国株、ロシア株もNISA口座で取引できます。
楽天証券のNISA口座……楽天ポイントで国内株や投資信託を購入できる
楽天グループ共通の「楽天ポイント」が貯まって、使える点が楽天証券の大きなメリットです。楽天ポイントは、楽天市場での買い物のほか、楽天証券の各種取引やサービスの利用でも貯まります。
<楽天ポイントを貯める方法>
- 株式取引(超割コース)……国内株式手数料超割コースの手数料1%相当が貯まる(大口優遇なら2%)
- 投信残高……投資信託の残高10万円ごとに毎月3〜10ポイント貯まる(ハッピープログラム利用者)
- 投信積立……楽天カード決済で毎月最大500ポイント貯まる(積立額5万円の場合)
- ハッピープログラム……楽天銀行との連携サービス「マネーブリッジ」利用+各種取引・サービス利用で貯まる
- 紹介プログラム……家族や友達を紹介すると貯まる
- 各種キャンペーン……キャンペーン中の各種取引・サービスの利用で貯まる
たとえば楽天カードを使って毎月5万円、年間60万円分の投信積立を行えば、年間6,000円相当のポイント還元を受けられます。NISA口座での投信積立も楽天ポイント付与対象です。
貯まった楽天ポイントは、NISA口座での国内現物株式や投資信託の購入にも使えます。
楽天証券は取扱商品も充実しており、投資信託2591本、米国株式4497銘柄など、業界トップクラスのラインアップを誇ります(NISA対象商品、2021年12月10日現在)。ただし、楽天証券のNISA口座ではIPO銘柄や単元未満株の取引はできないので注意しましょう。
マネックス証券のNISA口座……NISA口座なら米国株・中国株の買付手数料が実質無料
マネックス証券のNISA口座は、国内外の株式や投資信託を手数料無料で買付できる点が魅力です。
米国株4500銘柄超、中国株(香港株)2000銘柄超を取り扱い、米国市場や香港市場に上場するほとんどの銘柄を取引できます。NISA口座での買付けなら、米国株・中国株ともに国内取引手数料が全額キャッシュバックされ、実質無料になるのも他社にはないメリットです。
マネックス証券のNISA口座では、IPO銘柄や単元未満株(ワン株)も取引でき、いずれも買付手数料はかかりません。
auカブコム証券のNISA口座……NISA口座でも取引できる「プチ株」が魅力
auカブコム証券のNISA口座は、単元未満株取引「プチ株」を利用できるのが魅力です。毎月500円以上1円単位で設定できる積立買付「プレミアム積立」を利用すれば、投資信託のように少額から株式の積立投資ができます。買付手数料は無料です。購入にPontaポイントを使えるのもメリットです(プチ株のみ、プレミアム積立は対象外)。
出典:auカブコム証券『ポイント投資とは』
auカブコム証券にNISA口座を開設すると、国内株現物取引のワンショット手数料(約定ごとの手数料)と、現物株式・信用取引共通の1日定額手数料が1〜5%割引になる「NISA割」が適用される特典もあります。割引率は1年目が1%、以後1年ごとに1%ずつ、最大5%までアップします。NISA口座以外でも株取引をする人にはうれしい特典です。
出典:auカブコム証券『NISA割』
auカブコム証券のNISA口座では、外国株やIPO銘柄の取引はできないため、これらに投資したい人は注意しましょう。
松井証券のNISA口座……無料で使える情報ツールが充実
松井証券は、個人投資家に役立つ情報サービスや分析力に定評があり、無料で使える投資情報ツールが魅力です。
たとえばQUICK情報では、株価や国内外の市況ニュース、決算情報、値上り率/値下り率や信用倍率などの各種株式ランキングをリアルタイムで確認できます。さまざまな条件から銘柄を検索するスクリーニング機能も搭載されており、投資銘柄探しにも大いに役立つでしょう。
出典:松井証券『QUICK情報』
QUICKリサーチネットには、国内外のマーケットや個別銘柄のレポート、QUICK企業価値研究所の独自取材による株主優待情報、注目企業の人気サービスなどを取材した「とれんど選隊」など投資に必要な情報が満載です。経済状況の把握や投資銘柄探しに役立つほか、読み物としても楽しめます。
出典:松井証券『QUICKリサーチネット』
NISA口座の金融機関を変更するメリット……投資できる商品の幅が広がる、キャンペーンなど
NISA口座の金融機関を変更することで、投資できる商品の幅が広がるなどのメリットが期待できます。
金融機関変更で期待できるメリット
- 少額投資が可能になる
- お得なキャンペーン
- 米国株やIPOへの投資
金融機関変更のメリット1,少額での取引が可能なNISA口座がある
金融機関によっては、月100円から投資信託を購入できたり、単元未満株取引を利用して1株単位で数百円から株を購入できたりします。
たとえば、楽天証券や松井証券など大手ネット証券の大半は100円から積立投資が可能で、SBI証券やマネックス証券ではNISA口座で単元未満株が購入可能です。
このような金融機関を選べば、無理のない金額で柔軟に投資できます。また、投資枠が限られたNISA口座では、1株単位でより多くの銘柄に投資できるのは大きなメリットでしょう。
金融機関変更のメリット2,NISA口座変更・新規開設による、お得なキャンペーンがある
NISA口座を他社から変更した人や新規に口座開設した人を対象に、現金やポイントをプレゼントするキャンペーンを実施している金融機関もあります。プレゼント目的の安易な乗り換えはおすすめできませんが、もともと金融機関の変更を考えていた人にとっては、お得に乗り換えるチャンスでしょう。
<NISA口座変更・新規開設キャンペーンの例>
- SBI証券……NISA・つみたてNISA乗換キャンペーン|金融機関変更で1,000名様に2,000円が当たる!(開催期間2021年10月1日〜2022年2月15日)
- 楽天証券……NISA金融機関変更でポイントプレゼントキャンペーン|金融機関変更で1,200名様に2,000ポイントが当たる!(開催期間2021年10月1日〜2022年2月15日)
- 松井証券……つみたてNISA応援キャンペーン|松井証券で初めてつみたてNISAを利用し、期間中にトータルで7,000円以上投資信託の積立を行った人を対象に、積立金額の1%相当の松井証券ポイントをプレゼント(開催期間2021年9月1日〜2022年3月31日)
金融機関変更のメリット3,NISA口座で米国株取引やIPO投資にも挑戦できる
NISA口座で米国株やIPO銘柄を取引できるかは、金融機関によって異なります。現在NISA口座を開設している金融機関がこれらを取り扱っていない場合は、金融機関の変更によって投資対象を広げられます。
大手ネット証券5社のうち、NISA口座で米国株を購入できるのは、SBI証券、楽天証券、マネックス証券です。IPOに対応しているのは、SBI証券、マネックス証券、松井証券の3社です。
NISA口座の金融機関変更のデメリット……ロールオーバーできなくなる
NISA口座の金融機関変更には、「ロールオーバー」ができなくなるデメリットがあります。
NISAの非課税期間終了時のロールオーバーとは?
ロールオーバーとは、一般NISAで5年間の非課税期間が終了した商品を翌年の非課税枠に移し、さらに5年間非課税で保有できる仕組みです。
たとえば2017年中に一般NISA口座で購入した商品は、2021年末に非課税期間が終了します。ロールオーバーをすると非課税期間は5年間延長され、2026年末まで非課税で保有できます。
ロールオーバーをしない場合は、非課税期間終了までに売却するか、非課税期間が終了する2021年末時点の評価額を新たな取得価格(購入価格)として、課税口座に移されます。
NISAでロールオーバーができるのは同じ金融機関内だけ
ロールオーバーは、同一金融機関内でのみ可能です。またロールオーバーができるのは一般NISAのみです。
たとえば2017年にA証券の一般NISA口座で購入した商品は、2022年のA証券の一般NISA口座にしかロールオーバーができません。
<2017年にA証券の一般NISA口座で購入した商品のロールオーバー可否>
2022年の非課税口座 | ロールオーバー可否 |
A証券の一般NISA口座 | ○ |
B証券の一般NISA口座 | × |
A証券のつみたてNISA口座 | × |
※筆者作成
A証券からB証券へ金融機関を変更し、2022年の非課税口座がB証券の一般NISA口座の場合、2017年にA証券の一般NISA口座で購入した商品はロールオーバーができません。
A証券の一般NISA口座をつみたてNISA口座に変更して、2022年を迎えた場合も同様にロールオーバーはできません。
2018年にB証券の一般NISA口座へ変更した後、2021年に再びA証券に変更して2022年を迎えた場合はロールオーバーができます。
変更前のNISA口座で保有していた商品はどうなる?
NISA口座変更前の口座で保有していた商品は、売却しない限り変更後も変更前の金融機関のNISA口座で保有され、当初の非課税期間が終了するまで非課税で保有できます。
NISAの非課税枠(非課税管理勘定)は年単位で設定されます。金融機関や口座種類を変更しても、すでに設定された非課税枠はそのまま残り、その口座で購入した商品には影響しません。ただし、非課税期間終了後にロールオーバーができなくなるおそれがあるので注意が必要です。
一般NISAとつみたてNISAの両方を取り扱うネット証券会社は?
ネット証券会社で一般NISAとつみたてNISAの両方を取り扱っているのは、次の6社です。
証券会社 | NISA (取扱商品) |
つみたてNISA (取扱銘柄数) |
SBI証券 | 国内株式(ETF・REIT・IPO・単元未満株含む) 投資信託 外国株式(9ヵ国・ETF含む) |
176本 |
楽天証券 | 国内株式(ETF・REIT含む) 投資信託 外国株式(6ヵ国・ETF含む) |
179本 |
マネックス証券 | 国内株式(ETF・REIT・IPO・単元未満株含む) 投資信託 外国株式(米国/中国・ETF含む) |
152本 |
auカブコム証券 | 国内株式(ETF・REIT・単元未満株含む) 投資信託 |
163本 |
松井証券 | 国内株式(ETF・REIT・IPO含む) 投資信託 |
172本 |
SBIネオトレード証券 | 国内株式(ETF・REIT・IPO含む) 投資信託 |
1本 |
※SBI証券、楽天証券、マネックス証券、auカブコム証券、松井証券、SBIネオトレード証券の公式ホームページより筆者作成(2021年12月10日現在)
SBI証券
SBI証券はネット証券会社最大手で、取扱商品の充実度は業界トップクラスを誇ります。NISA口座はIPO銘柄や単元未満株を含む国内株式、投資信託、9ヵ国(米国、中国、韓国、ロシア、ベトナム、インドネシア、シンガポール、タイ、マレーシア)の外国株式の取引に対応しています。つみたてNISA対象銘柄は 176本を取り扱い、選択肢の豊富さが魅力です。
楽天証券
楽天証券はSBI証券と業界トップを争うネット証券会社の雄です。楽天ポイントを使って国内株式や投資信託に投資できるのは大きな魅力です。NISA口座は国内株式、投資信託、6カ国(米国、中国、シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア)の外国株式の取引に対応しています。つみたてNISA対象銘柄は179本を取り扱い、ネット証券会社で最多を誇ります。
マネックス証券
マネックス証券は米国株と中国株の取り扱いが充実し、IPOの取扱数も多い証券会社です。NISA口座はIPO銘柄や単元未満株を含む国内株式、投資信託、米国株・中国株の取引に対応。外国株の買付手数料が全額キャッシュバックされ、実質無料になるのが魅力です。つみたてNISA対象銘柄の取り扱いは152本と、十分なラインアップを取り揃えています。
au カブコム証券
au カブコム証券は三菱UFJフィナンシャル・グループのネット証券会社です。NISA口座では単元未満株を含む国内株式、投資信託を取り扱っています。つみたてNISA対象銘柄のラインアップは163本と豊富です。NISA口座またはつみたてNISA口座を開設すると「NISA割」が適用され、国内株式の取引手数料が最大5%割引になります。
松井証券
松井証券は100年以上の歴史を持つ老舗の証券会社で、革新的なサービスを多く生み出してきました。充実した投資情報サービスも魅力のひとつです。NISA口座はIPO銘柄を含む国内株式、投資信託の取引に対応しています。つみたてNISA対象銘柄は172本を取り扱い、業界トップクラスです。
SBIネオトレード証券(旧:ライブスター証券)
SBIネオトレード証券はSBIグループのネット証券会社で、株式取引手数料は業界最安水準を誇ります。たとえば約定代金5万円以下の手数料は税込50円で、SBI証券、楽天証券の同55円を下回ります。国内株の取引がメインで、なるべく手数料を抑えたい人におすすめの証券会社です。つみたてNISAの利用を検討している場合、対象商品は「ひふみプラス」のみなので注意しましょう。
NISAとは?
NISAとはどのような制度なのか。一般NISAの概要について、つみたてNISAやジュニアNISAとの違いを含めて整理しておきましょう。
NISAの概要と特徴
NISA(ニーサ、一般NISA)は、2014年にスタートした少額投資に対する非課税制度です。イギリスで導入されていた「個人貯蓄口座(ISA/Individual Savings Account)」を見本にしており、「日本版ISA」を略して「NISA」と呼ばれています。
出典:金融庁『NISAの概要』
NISA制度には、「一般NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」の3種類があり、それぞれ投資対象や非課税限度額、非課税期間、対象者などが違います。
つみたてNISAと一般NISAの違いは?
つみたてNISAは、より長期的な資産形成をサポートする制度で、一般NISAとは次のような違いがあります。
<一般NISAとつみたてNISAの違い>
一般NISA | つみたてNISA | |
---|---|---|
利用可能年齢 (口座開設年の1月1日現在) |
20歳以上 | 20歳以上 |
非課税期間 | 最長5年間 ※ロールオーバーにより最長10年間 |
最長20年間 |
非課税投資枠 (年間投資額) |
120万円 | 40万円 |
非課税対象 | 株式・投資信託等から得られる配当金・分配金、譲渡益 | 一定の投資信託への投資から得られる分配金、譲渡益 |
投資対象商品 | 上場株式、ETF、上場REIT、外国上場株式、公募株式投資信託など | 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託(ETF含む) |
投資(口座開設)可能期間 | 2023年まで ※制度改正の上、2028年まで延長が決定 |
2037年まで ※現行制度のまま、2042年まで延長が決定 |
管理・運用者 | 本人 | 本人 |
買付方法 | 通常買付、積立買付 | 積立買付のみ |
購入手数料 | 金融機関による | なし |
口座からの引き出し | いつでも可能 | いつでも可能 |
保有可能口座数 | 1人1口座 ※一般NISAとつみたてNISAのいずれか一つを選択 |
|
金融機関変更 | 年単位での変更が可能 |
※金融庁HP、金融庁『令和2年度税制改正について』より筆者作成、2021年12月10日時点
つみたてNISAで投資できる商品は、投資初心者が長期的な資産形成を行うことを支援するという制度趣旨から、長期分散積立投資に適した投資信託とETFに限られています。
つみたてNISAの投資対象商品は201本です(2021年10月25日時点)。それに対し、一般NISAでは、投資信託のほか、国内外の株式やREITなど幅広い商品に投資できます。
出典:金融庁『つみたてNISAの対象商品』
つみたてNISAの年間非課税投資枠は40万円で、一般NISAの120万円に比べて少なくなっています。その代わり非課税期間は最長20年と一般NISAの4倍です。毎年上限額まで投資した場合に非課税で保有できる投資総額は、つみたてNISA(合計800万円)のほうが一般NISA(合計600万円)より200万円多くなります。
2020年度の税制改正ではNISA制度が大幅に見直され、一般NISAは2階建ての制度に変更した上で投資可能期間の5年間延長、つみたてNISAは現行制度のまま投資可能期間の5年間延長が決まっています。
※出典:金融庁『令和2年度税制改正について』
ジュニアNISAは未成年者向けの制度
一般NISAとつみたてNISAが20歳以上の人が対象であるのに対し、ジュニアNISAは19歳未満の未成年者を対象にした制度です。子供や孫の将来に向けた長期投資のサポートが目的で、実際の管理や運用は親や祖父母(原則、親権者)が行います。
<ジュニアNISAの概要>
利用可能年齢 (口座開設年の1月1日現在) |
0歳〜19歳 |
非課税期間 | 最長5年間 ※非課税期間終了後、新たな非課税投資枠へ移管(ロールオーバー)して20歳まで継続保有可能 |
非課税投資枠(年間投資額) | 80万円 |
非課税対象 | 株式・投資信託等から得られる配当金・分配金、譲渡益 |
投資対象商品 | 上場株式、ETF、上場REIT、外国上場株式、公募株式投資信託など |
投資(口座開設)可能期間 | 2023年まで ※制度廃止が決定 |
管理・運用者 | 登録親権者(原則) |
買付方法 | 通常買付、積立買付 |
購入手数料 | 金融機関による |
口座からの引き出し | 原則18歳まで不可 ※制度廃止に伴い、2024年以降はいつでも引き出し可能 |
保有可能口座数 | 1人1口座 |
金融機関変更 | 原則不可 |
※金融庁HPより筆者作成、2021年12月10日時点
ジュニアNISA口座で投資した資金には払出制限があり、原則18歳までは途中引き出しができません。引き出す場合にはそれまでの利益に課税され、ジュニアNISA口座は廃止されます。
ジュニアNISAは利用が伸び悩んだことなどから、2020年度の税制改正により、2023年末での新規口座開設終了と制度廃止が決まっています。制度廃止に伴って、2024年以降はこれまでの払出制限が解除され、ペナルティなくいつでも資金を引き出せるようになります。
未成年者口座開設可能期間は延長せずに終了することとし、その終了にあわせ、令和6年1月1日以後は、課税未成年者口座及び未成年者口座内の上場株式等及び金銭の全額について源泉徴収を行わずに払い出すことができることとする。
そもそもNISAのメリットは?
NISAには次のようなメリットがあります。
NISAのメリット
- 運用益が非課税
- NISA口座なら手数料無料の金融機関が多い
NISAのメリット1,運用益が非課税
NISA口座の運用益には税金がかからず、利益はすべて手元に残ります。
通常であれば株や投資信託を売却したときの利益(譲渡益)や、株の配当金、投資信託の分配金には20.315%の税金がかかります。利益が10万円であれば、2万315円の税金がかかり、手元には7万9685円しか残りません。NISA口座なら10万円がすべて手元に残り、利益が実質2割増しになります。
出典:国税庁『株式・配当・利子と税』
NISAのメリット2,NISA口座なら手数料無料の金融機関が多い
NISA口座では、株式の取引手数料や投資信託の購入時手数料を無料にしている金融機関が多く、取引コストを抑えられるのもメリットです。
たとえば、ネット証券大手のSBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券、auカブコム証券では国内株式の売買手数料と信託報酬の購入時手数料は無料です。
その他、単元未満株や外国株など、どの手数料が無料になるかは金融機関によって異なるため、主に取引する商品の手数料が無料の金融機関を選ぶとよいでしょう。
NISAのデメリット
利益が非課税になるNISAのメリットはよく知られている反面、損失が出たときのデメリットなどを理解せずに利用している人は少なくありません。NISAを利用するなら、デメリットまで理解した上で利用しましょう。
NISAのデメリット
- 損益通算や繰越控除ができない
- 利益が出ていなくても税金がかかることがある
- 非課税投資枠は上限があり、売却後の再利用や翌年への繰り越しはできない
NISAのデメリット1,損益通算や繰越控除ができない
NISA口座で生じた損失は、他の利益との損益通算や翌年以降への繰越控除ができません。税計算上の利益だけでなく、損失もなかったことになるのです。
NISAで取引した損益は、他の口座(一般口座や特定口座)と損益通算ができません。また、損失を翌年以降に繰り越しすることもできません。
たとえば、課税口座のA商品で10万円の利益、B商品で20万円の損失が生じた場合、損益通算によって利益はゼロになり、税金はかかりません。相殺しきれなかった損失10万円は、確定申告をすれば翌年以降3年間繰り越しが可能で、翌年以降に生じた利益と相殺できます。
しかし、B商品がNISA口座で保有していた商品だと損益通算はできず、A商品の利益10万円に対して2万315円の税金を払わなければなりません。
NISAのデメリット2,利益が出ていなくても税金がかかることがある
NISAの非課税期間が終了してNISA口座内の商品が課税口座に移されるときは、非課税期間終了時点の評価額が新たな取得価格(購入価格)になります。
たとえば、当初100万円で購入した商品が80万円になったタイミングで非課税期間が終了したとしましょう。この商品が課税口座に移された後100万円まで値上がりし、売却した場合、新しい取得価格80万円からの値上がり分20万円に対して20.315%、4万630円の税金がかかります。
このように、利益が出ていないにも関わらず、税金がかかるケースもあるのです。
NISAのデメリット3,非課税投資枠は上限があり、売却後の再利用や翌年への繰り越しはできない
一般NISAの非課税投資枠は年間120万円、つみたてNISAは年間40万円です。投資枠は1度しか使えず、NISA口座で購入した商品を売却しても、その商品の投資枠は再利用できません。
たとえば一般NISAの場合、A銘柄を50万円、B銘柄を50万円購入すると、残りの投資枠は20万円になり、50万円のC銘柄には投資できません。仮にA銘柄やB銘柄を売却しても投資枠は復活しないので、投資できるのは20万円までです。
この状態でどうしてもC銘柄に投資したい場合は、単元未満株を利用するのもひとつの手です。100株では50万円ですが1株なら5,000円、40株までなら残った非課税枠内で購入できます。
また、非課税投資枠は年単位で設定されるため、その年に使い切れなかった非課税投資枠は翌年に繰り越せません。
一般NISAやつみたてNISAでよくあるQ&A
一般NISAは何が非課税になるの?
一般NISA口座で購入した商品で得た利益にかかる税金が非課税になります。具体的には、株式や投資信託の売却による利益(譲渡益)、株式の配当金、投資信託の分配金です。
一般NISAとつみたてNISAって何が違うの?
投資対象や非課税限度額、非課税期間が異なります。
一般NISAでは、投資信託のほか、国内外の株式やREITなど幅広い商品に投資できます。それに対し、つみたてNISAでは、長期分散積立投資に適した一定の投資信託とETFに限られています。
年間非課税投資枠は一般NISAが120万円、つみたてNISAが40万円です。非課税期間は一般NISAが最長5年、つみたてNISAが最長20年となっています。
つみたてNISAで損をしない投資はできますか?
つみたてNISAの対象商品に元本保証の商品はありません。損をするリスクはゼロにできませんが、短期的な値動きに一喜一憂せず、成長が期待できる対象に長期的に投資することでリスクは下げられます。20年の非課税期間があるつみたてNISAなら、それが可能です。
定期的、機械的に投資していく積立投資には、プロでも難しい売買のタイミングの判断が必要ありません。感情的な投資判断で失敗しやすい投資初心者にはぴったりの投資方法といえるでしょう。
投資信託・上場投資信託(ETF)って何?
投資信託とは、投資家から集めたお金を、運用の専門家であるファンドマネージャーが運用し、得られた利益を投資額に応じて投資家に分配する金融商品です。
上場投資信託(ETF:Exchange Traded Fund)は、TOPIX(東証株価指数)やS&P500など、対象とする指数に連動して運用されるインデックスファンドの一種で、証券取引所に上場されているものを指します。証券会社に口座があれば、株式同様にリアルタイムで売買できます。
一般NISAやつみたてNISAを始めるのに必要な書類は?
口座開設に必要な申込書は、口座開設を希望する金融機関に請求して送付してもらいます。
自分で準備する書類は、以下の2点です。
- マイナンバー確認書類……マイナンバーカード(裏面)、マイナンバー通知カード、マイナンバー記載の住民票の写しなど
- 本人確認書類……マイナンバーカード(表面)、運転免許証、住民票の写し、各種保険証、住民基本台帳カード、在留カードなど
現在「一般NISA」を利用中の場合、「つみたてNISA」に移行したほうが良いですか?
投資目的や投資期間、投資したい商品、許容できるリスクなど、自分の投資スタイルにあった制度を利用することが大切です。
一般NISAの非課税期間が最長5年間であるのに対し、つみたてNISAは最長20年間と長く、コツコツ投資していきたいなら、つみたてNISAが向いているでしょう。上限額まで投資した場合に非課税で投資できる総額は、つみたてNISAのほうが200万円多くなります。
株式やつみたてNISA対象外の投資信託に投資したい人、比較的短期間で利益を狙いたい人などには一般NISAが向いています。
「iDeCo」と「つみたてNISA」どっちがお得なのかわかりません
つみたてNISAとiDeCoは、運用益が非課税になる点では共通しています。
iDeCoには、掛金が全額所得控除になるメリットがあります。ただし、老後資金準備を目的とした制度のため、60歳まで積立資金を一切引き出せないデメリットがあります。
出典:iDeCo公式サイト
つみたてNISAは所得控除の対象にはなりませんが、お金が必要になったときはいつでも売却して引き出せます。老後資金以外の資金にも活用できる点は大きなメリットです。
iDeCoとつみたてNISAは併用できます。資金に余裕があれば両方利用すれば良いでしょう。投資できる資金が限られている場合は、優先順位を決め、利用する制度や投資資金の配分を考えましょう。
一般NISAとつみたてNISA、どちらが「得」か?
どちらが「得」とは一概にいえません。投資目的や投資期間、投資したい商品、許容できるリスクなど、自分の投資スタイルにあった制度を選びましょう。
変更を行った場合、NISA口座はどうなる?
NISA口座は年単位で設定される「枠」です。そのため金融機関や口座種類を変更しても、変更前の口座(枠)は変化せず、購入した商品はそのままその口座で保有します。2020年のNISA口座(枠)、2021年のNISA口座(枠)というように、複数の口座(枠)を持っている状態といえます。1人1口座というのは、その年に新たに投資できるNISA口座が1口座のみという意味です。
変更前のNISA口座で購入した金融商品は、変更後のNISA口座には移せません。5年間の非課税枠は商品を購入した金融機関で設定されているので、非課税期間が終了するまで、あるいは売却するまではその金融機関で保有する必要があります。
金融機関変更に伴って、変更前の金融機関の非課税口座(非課税投資枠)は廃止されるので、変更前の金融機関での新規購入はできません。
「一般NISA」「ジュニアNISA」「つみたてNISA」と複数の口座を開設できる?
できません。
20歳以上の人は「一般NISA」または「つみたてNISA」のいずれか一方の口座を開設できます。19歳未満の人は「ジュニアNISA」口座を開設できます。
1人1口座なので、家族で異なる種類の口座を持つのは構いません。夫が一般NISA口座、妻がつみたてNISA口座、子どもがジュニアNISA口座を持つといった具合です。1人が複数のNISA口座を持って非課税枠を増やすことはできませんが、家族がそれぞれNISA口座を持てば、世帯としての非課税枠は増やせます。
まとめ
この記事では、一般NISAからつみたてNISAへ切り替える方法と注意点について解説しました。
NISA口座は年単位で金融機関や口座種類を変更できます。現在の金融機関に不満があったり、より魅力的な金融機関があったりすれば、金融機関の変更を検討すると良いでしょう。投資目的などが変わった場合は、必要に応じて口座種類を変更しましょう。
※この記事は2021年12月10日現在の情報をもとに構成しています。サービス内容は変更になる場合がありますので、口座開設の際は最新の情報をご確認ください。