アボカドにはさまざまなビタミンや良質な脂質が含まれているため、健康食として注目されています。

そして新たに、アメリカのイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校(UIUC)運動機能・地域保健学科に所属するナイマン・カーン教授ら研究チームは、アボカドが女性の腹部の脂肪分布を変化させると発表しました。

毎日アボカドを食べた女性の内臓脂肪が減少したのです。

研究の詳細は、6月30日付の学術誌『Journal of Nutrition』に掲載されました。

目次

  1. 内臓脂肪の割合が高いと糖尿病リスクが上昇する
  2. アボカドは女性の脂肪分布を変化させる

内臓脂肪の割合が高いと糖尿病リスクが上昇する

腹部の脂肪は2種類に分かれています。

1つは皮膚のすぐ下に蓄積される「皮下脂肪」であり、もう1つは内臓を取り囲むように蓄積する「内臓脂肪」です。

アボカドは女性の内臓脂肪を減少させると判明
(画像=腹部の脂肪分布の違い / Credit:Depositphotos、『ナゾロジー』より 引用)

内臓脂肪の割合が高い人は糖尿病の発症リスクも高い傾向にあるため、健康的でありたいなら、内臓脂肪を減少させ、皮下脂肪と内臓脂肪の比率を変化させる必要があるでしょう。

もちろん食事制限で摂取カロリーを下げたり、運動によって消費カロリーを上げたりするなら皮下脂肪と内臓脂肪は自然と減っていきます。

ただし、このようなダイエットが多くの人にとって難しいのも事実です。

では1つの食材を追加または変更するだけで、内臓脂肪を減少させることはできるのでしょうか?

研究チームは、健康食材であるアボカドに焦点を当て、実際にどのような効果があるか実験しました。

アボカドは女性の脂肪分布を変化させる

実験には、体重過多および肥満の成人155人が参加しました。

彼らは2つのグループに分けられ、それぞれ12週間、1回分の食事を研究チームが提供したものに変更しました。

一方のグループは「アボカドを含む食事」を受け取り、もう一方のグループはほぼ同じ成分・カロリーの「アボカドを含まない食事」を受け取りました。

ちなみに提供されたアボカドの量は、男性で175g、女性で140gでした。

アボカド1個の可食部は約150gなので、彼らは毎食1個分のアボカドを食べたことになります。

アボカドは女性の内臓脂肪を減少させると判明
(画像=毎日アボカドを食べた女性は、腹部の脂肪分布が変化していた / Credit:Depositphotos、『ナゾロジー』より 引用)

そして12週間後、アボカドを摂取したグループの女性参加者は、内臓脂肪が大幅に減少していました

これにより皮下脂肪と内臓脂肪の比率も変化。

つまりアボカドを食べた女性は、腹部の脂肪分布が変化したのです。

ちなみに男性の脂肪分布は変化せず、男女両方で血糖値を下げる能力に影響はありませんでした。

カーン氏は、今回の結果が女性にのみ表れたことについて、次のように述べています。

「女性にだけ効果があったので、食事調整の反応には性別差があると考えられます」

今後研究チームは、参加者の食事を毎食すべて管理した実験を行い、どのような男女差が表れるか調査する予定です。

女性の皆さん、内臓脂肪を減らしたいなら、総合摂取カロリーを気にしつつ、積極的にアボカドを食べると良いでしょう。

参考文献 Avocados Change Belly Fat Distribution in Women Toward a Healthier Profile

元論文 Avocado Consumption, Abdominal Adiposity, and Oral Glucose Tolerance Among Persons with Overweight and Obesity

提供元・ナゾロジー

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