3. 雑談とワンポイントアドバイス
今回ご紹介した「剱岳」と「立山三山」は、私の計測では3日間の全行程で約20kmの距離を歩きましたが、テント泊の荷物を背負っての登山でしたので歩き応えがありました。3日間とも雨とは無縁でしたので雷鳥に会うことはできませんでしたが、1日目の剱沢キャンプ場では半日以上突風に見舞われテントが吹っ飛んでしまわないか、気が気でない状態でした。
深夜突風が吹き荒れる中、周りのテントからペッグを打ち直す音が何度となく響いて来ました。2日目は剱岳に徹した1日を過ごしましたが、せっかくこの山深い所まで来たのだから、時間に余裕もあるし、登山道も空いていたので、もったいない精神で2度登頂できたことは良い思い出になりました。
現在の登山道が整備される前の明治末期、山岳測量隊の方々による登頂は凄まじい状況であったことだろうと改めて感じるものがありました。現代みたいに登山靴やレインウェア等はなく草鞋に蓑で雨や雪を除けての登山はとても想像がつかない過酷さだったと思います。
みなさんも剱岳を登山する前には、小説『劒岳 点の記』を読んでから(映画化もされています)登ると感動もひとしおだと思います。私は下山後に、歩いた場所を回想しながら小説を読み返しました。これも登山の楽しみ方のひとつです。
3日目も朝から快晴で剱岳を背に立山三山を縦走しましたが、飽きる事のない眺望が連続して現れ、室堂まではあっという間に時間が過ぎてしまいました。
やはり天気の良い稜線歩きは爽快で気持ちがいいですね。おすすめです。
雄山まで来ると、さすが紅葉の連休でもありましたので、登山の客足が一気に急上昇。雄山神社には参拝客も多く訪れていましたが、道はとても整備されて運動靴でも歩けるほどです。
季節的に高山植物の花を見かける事は少なかった今回ですが、真夏の頃は可愛らしい高山植物の「チングルマ」が、見渡す限りのお花畑として楽しめることでしょう。
岩稜帯登山では、通常の登山道とは異なる岩場ルートの注意点がたくさんありますので、初めての方は経験者と同行することが絶対です。ヘルメットも必ず準備してください。
また、関東近郊には岩稜を歩くことができる山も多くありますので、いきなりアルプスの岩山ではなく、近郊で歩き慣らしてから出掛けることをおすすめします。
日本アルプスの名立たる岩稜帯ルートから滑落でもしたら、もう戻ることなどできませんので!
日本アルプスの山々へ、機会があったら私と一緒に登ってみませんか?
登山の紹介はまだまだ続く。。。
文・写真・倉山(くらさん)/提供元・たびこふれ
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