オリエントは、セイコーやシチズンと並んで日本3大メーカーとも称される国産時計ブランドです。100年以上の歴史を誇り、いち早く海外市場へと参入。革新的な時計開発で存在感を示してきました。
世界屈指の高品質を実現しながら、そのクオリティに見合わない価格設定がオリエントの素晴らしい点。落ち着きのあるデザインと高精度の機械式ムーブメントで、”デキるビジネスマンの標準装備”としての地位を確立しつつあります。
今回は、そんなオリエントの魅力について紹介します。
オリエントの解説
オリエントとは?
オリエントの創業は1901年。吉田庄五郎という時計職人によって上野に設立された吉田時計店がルーツです。
元々は時計の輸入や修理を中心に事業を展開していましたが、1920年には東洋時計製作所を設立。そして日本の製造業において時計分野が本格化し始めた1951年、現在の社名であるオリエント時計株式会社に改名しました。
オリエントは、海外で圧倒的なシェアを誇っていたスイス製の時計に対抗するため、”高品質で低価格”というコンセプトを掲げます。事実、スイス時計よりも安価でありながら、修理店に持ち込まれる機会が極めて少なかったことから国内外で絶大な支持を獲得することとなりました。
デザインや機能面に関してもスイス時計にはないものを追求しており、卵型ケースの「オリエント・レーサー」やLED表示を搭載した「タッチトロン」などのヒット作を次々と生み出しました。
これらの革新性は現在もオリエントに受け継がれており、表裏スケルトンのモデルや電波ソーラーを備えたモデルなど、魅力的な腕時計を手がけ続けています。
特徴・こだわり
オリエントが長年にわたりこだわり続けているのが、機械式ムーブメントの製造です。
特にブランドを象徴するのが、46(ヨンロク)系と呼ばれるムーブメント。昭和46年に誕生したこのムーブメントは、精度や耐久性においてそれまでのムーブメントとは一線を画すクオリティを実現しました。
1970年代から1980年代半ば頃までのクオーツウオッチ全盛期には、日本ブランドはおろかスイスの老舗ブランドも、大多数の時計メーカーは機械式ムーブメントの製造をやめてしまいます。
しかし、そんな時代においてもオリエントだけは機械式ムーブメントを作り続けていました。クオーツウオッチに必要な「電池」の供給が困難な国のために機械式時計を製造することで、その技術力を絶やさなかったのです。
機械式時計の価値が正当に評価されている現代において、ムーブメントを作り続けてきたオリエントは時計愛好家から高い信頼を獲得しています。
オリエントのスケルトン
数多くの製品を展開される中でも、特に注目を集める1本が「オリエントスター スケルトン」です。
最大の特徴は、モデル名も示すとおりのスケルトンデザイン。裏蓋がスケルトン仕様の腕時計は近年のトレンドでもありますが、このモデルは文字盤側もスケルトンになっています。
39mmという絶妙なサイズ感のケースから、ブランドの代名詞でもある46系ムーブメントの動きが望めるのが「オリエントスター スケルトン」の魅力。職人の手作業によって複雑に組まれたパーツの一つひとつの駆動を思う存分堪能できます。
切削加工による波目・渦目模様など、細部に至るまでこだわりを追求した仕上げの美しさも見事の一言です。12時と6時表記はローマインデックスを採用しており、独創的なデザインながらクラシックで上品な雰囲気を宿しています。
愛用している有名人
世界的にも人気の高いオリエントですが、価格帯がやや大衆向けであることから有名人の愛用者は多くありません。
過去には、ドラマ『アンフェア』シリーズで北乃きいさんがメンズモデルの「キングマスター」を着用していました。また、宮崎あおいさんがオリンパスのテレビCMでオリエントの自動巻時計を着用しています。
実用性の高さや質実剛健なイメージから、ビジネスマンの愛用者が多いブランドだと言えます。
オリエントの定番シリーズ紹介
オリエントスター
オリエントスターは、現在の社名となった1951年の誕生以来、ロングセラーを続けるシリーズです。
“輝ける星”をイメージして作られ、オリエントを象徴する腕時計として多くの時計ファンに愛用されています。
秋田県羽後町にあるオリエントスターの時計工房では、職人が微小なパーツから針の1本まで丁寧に組み立てと仕上げを行います。
精度の高さはもちろん、芸術品のような美しさが魅力のシリーズです。
オリエントスター スケルトン WZ0041DX
誉れ高き46(ヨンロク)系ムーブメントが一望できるスケルトンモデルです。
ゴールドで仕上げられたムーブメントの美しさもさることながら、ブルーに磨き上げられた針も圧巻の完成度。時分針だけでなく、パワーリザーブインジケーターやスモールセコンドの針も絶妙なアクセントとなっています。
12時、6時のローマインデックスとクロコ型押しのレザーブレスがクラシックな雰囲気を醸し出します。
ジャケットの袖からちらりと見える機械式ムーブメントの機能美は思わず目を引くこと間違いなし。精巧な機械式時計の息づかいを堪能できるとともに、腕元でさり気ない存在感を演出できる1本です。
オリエントスター メカニカルムーンフェイズ RK-AM0001S
複雑機構のひとつであるムーンフェイズを備えた、オリエントスター初の機会式月齢時計です。
月の満ち欠けを示すムーンフェイズは、高級時計の証明とも言える機構。このモデルでは、同位置に日付を指し示す機構も備えられています。
12時位置にはパワーリザーブインジケーターを配置。さらにセミスケルトン仕様で、文字盤からテンプの動きを見ることができます。
風防には両球面サファイアガラスを採用しており、日光の下でも視認が可能です。ムーブメントは日差+15秒〜-5秒の高精度。スケルトンバックの裏蓋からは、青焼き仕上げのネジが美しいムーブメントを一望できます。
丹念に磨き上げられたラウンドケースやリューズの上品な形状も秀逸。あらゆる角度から眺めてもスキを感じさせないモデルです。
オリエントスター クラシック WZ0131DK
モデル名のとおりクラシカルでシンプルなデザインが魅力のモデル。アイボリーのダイヤル色がヴィンテージ感を際立たせます。
緩やかなボンベ文字盤や優しげな曲線のラウンドケースは、おもわず指でなぞりたくなるほど。セミスケルトンの窓から覗かせるテンプがアクセントの役割を担っています。
大人っぽい落ち着いた印象ながら、リーフ針やローマインデックスなど細かいディティールが随所に見られるのも魅力的。ビジネスからオフスタイルまで、幅広いシーンで着用できる王道ウォッチです。
オリエント クラシック
末永く支持されているオリエントの定番シリーズです。
長い歴史の中で培われたデザインや工法を踏襲しているのが特徴で、シンプルながらも洗練されたディティールが人気の理由です。
日差+25秒〜-15秒、パワーリザーブ40時間以上を誇るムーブメントを搭載しており、長年に渡って愛用できます。
クラシック RN-AP0003S
余計な装飾を排除した逸品。時分針とスモールセコンド、日付カレンダーという必要最低限の機能のみを備えています。
端正なラウンドケースに小ぶりなリューズ、型押しのレザーブレスレットが色気を演出。クラシカルな色味に仕上げられた文字盤も風格を漂わせます。
時代が移り変わっても決して飽きることのない、不変の美しさを備えた1本です。
クラシック RN-AG0007B
シンプルさを突き詰めた3針仕様に、セミスケルトンで個性を演出したモデル。ブラックの文字盤がモダンな印象を感じさせます。
仕上げの美しさこそオリエントスターの46ムーブメントには及ばないものの、機能性は申し分なし。他メーカーの同価格帯モデルと比較しても、非常にハイレベルな機能美を誇ります。
シンプルな時計を巻きたいけれど、ひと工夫欲しいという人に最適な腕時計です。
クラシック RN-AK0005S
スイス高級時計も顔負けの、さまざまな機構を搭載した1本。多彩な機能を備えながら、圧巻のコストパフォーマンスを実現しています。
特に注目すべきが、サン&ムーンフェイズです。太陽と月の絵を描いたディスクを搭載しており、機械式腕時計ながら昼と夜の判別が可能となっています。
日付カレンダーは、前後の日にちが見える仕様。さらに文字盤左上には曜日カレンダーまで備えます。
秒針は穴の空いたブレゲ針のディティールを採用しており、クラシックモデルの名に相応しい仕上がりとなっています。
オリエント スポーティ
アウトドアからスポーツ、さらにはビジネスユースにも愛用できるシリーズです。
電波ソーラーなど最先端の技術を採用したものや、プロ仕様の本格性能を備えたものがラインナップに並びます。
1970年代の機械式時計のテイストに現代的なデザインを加えているのが特徴。力強い外観とパワフルな性能で、男心をくすぐる機能美が魅力です。
スポーティ WV0041TX
画期的なソーラー電波仕様のクロノグラフ。クオーツムーブメントながら、3つのサブダイヤルから太陽光充電を行うため電池交換の必要がありません。
スモールセコンドや60分積算計、24時間積算計など本格的なクロノグラフとして性能面にも優れています。
ミルキーホワイトの文字盤は視認性も素晴らしく、カジュアルファッションはもちろんスーツスタイルにもよく映えます。
プッシュボタンは70年代のクロノグラフ時計に多く見られたT字型を採用することで、スポーティシリーズに相応しい懐かしさも演出しています。
スポーティ WV0101EL
プロスペックの300m防水を誇るダイバーズモデル。ねじ込み式リューズや逆回転防止ベゼルといったダイバーズウォッチに不可欠な意匠を備えながら、パワーリザーブインジケーターなど独自の要素も盛り込まれています。
ダイヤルは黒を基調としながら、ホワイトやレッドなどをさり気なく配置することで都会的な印象も窺わせます。
腕を痛めないことを考慮したリューズの配置も実に独創的。本格的なダイバーズウォッチながらタウンユースで使わずにはいられない1本です。