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文脈依存記憶

文脈依存記憶

こうした文脈依存記憶の効果は、1975年に行われた非常に独創的な研究から明らかにされています。

この実験ではダイバーを使って陸上と水中でそれぞれ単語リストを記憶してもらい、2つの異なる自然環境で思い出す際にどのような違いが生まれうかが調査されました。

勉強は色々な環境でやろう。記憶が蘇るメカニズムから、有効な暗記術が明らかに
(画像=Credit:pixabay、『ナゾロジー』より 引用)

すると面白いことに、水中で覚えた単語は水中だとよく思い出され、陸上で覚えた単語は陸上でもっとも思い出されました。それぞれ覚えた環境と思い出す環境を入れ替えると、この傾向は見られなくなったのです。

しかし、この事実は物理的な場所に限定された話ではありません。

他の実験結果では、学習時と思い出すときの気分が一致すると記憶力が高まることが確認されています。重要なのは、覚えたときの気分、感情と記憶が結びついているということなのです。