アルコール中毒の根本的な原因が解明されました。

2月3日に『Science Advances』に掲載された論文によると、脳内で最初にアルコール依存を発症させる神経回路が判明したとのこと。

脳には快楽、恐怖、不安、痛みなどさまざまな機能を担当する神経回路が存在しますが、いったいどの回路が最初に「よっぱらった」のでしょうか?

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脳で最初にアルコール依存症になる神経回路を特定

脳で最初にアルコール依存症になる神経回路を特定

脳で「最初にアルコール依存症になる神経回路」を特定 現実逃避のお酒がもっとも危険
(画像=脳には様々な機能に対応する回路があるが、アルコール依存に走らせるのは快楽ではなく危険回避の脳回路だった / Credit:Canva、『ナゾロジー』より 引用)

お酒にはさまざまな効果があります。

楽しい気分にさせてくれるだけでなく、緊張がほぐれ、時には嫌なことを忘れさせてくれます。

しかし、これら一時の快感に魅了され過ぎてしまうと、お酒なしではいられないアルコール中毒になってしまうのです。

現在までアルコール中毒が発生する詳しい仕組みはわかっていませんでした。

脳には快楽、恐怖、不安、痛みなど、さまざまな機能を担当する神経回路が存在していますが、アルコールに対する感度はバラバラであり、どの回路が中毒(特に強迫的・衝動的な飲酒癖)の引き金となるかは不明だったのです。

そこで今回、研究者たちは脳内で最初にアルコール中毒になる神経回路を特定することにしました。

研究結果によると、中毒の引き金となっていったのは、覚せい剤などにみられる快楽の回路ではなく、意外にも危険を回避する回路だったのです。