目次

  1. 少ないおもちゃが創造性を育む
子どもにおもちゃを与えすぎると創造性が失われると判明
(画像=Credit: CC0 Public Domain、『ナゾロジー』より引用)

子どもの成長とともに増えるおもちゃ。

おもちゃの適正量や与え方については、「より多くのおもちゃを与えることで愛情の深さを示せる」というものもあれば、「多すぎるおもちゃは親への関心を失ってしまうのでは」など、様々な意見があります。

今回アメリカで行われた心理学実験では、「子どもにおもちゃを与えすぎると創造性を奪ってしまう」という結論が出たようです。

では、子どもにとっての正しいおもちゃの与え方とはどういったものなのでしょうか。

少ないおもちゃが創造性を育む

アメリカのトレド大学の研究チームは、「幼児の行動と発達(Infant Behavior and Development)」誌の論文で、子どもたちが遊ぶ時、おもちゃの数が少ない方がより創造的であることを発表しました。

この実験では、両親は子供を遊び場に連れてくるように指示され、子供は4個もしくは16個の玩具で一人で30分間遊ぶように伝えられます。研究者が観察したのは、被験者である36人の幼児における活動内容の数と創造性です。

すると16個のおもちゃで遊ぶ幼児に比べ、4個のおもちゃで遊ぶ幼児の方が創造的であることがわかりました。

さらに驚くことに、数が少ないおもちゃを選んだ幼児は、1個づつの玩具で長く遊び続けることができました。 幼児たちは一つのおもちゃであっても別の遊び方を見つけ、それを取り入れることによってかなり長い時間遊ぶことができたのです。

研究者は、少ないおもちゃで遊ばすべきだと言及しているわけではありません。その代わりに、子どもたちは彼らが少ないおもちゃで遊ぶ状況の方が、より創造的であることを証明しているのです。

親は子どもが遊んでいる間、ほとんどのおもちゃをしまい込んだ方が良いのかもしれません。

■海外掲示板の反応

◯幼稚園の先生やってたけど、子どもは砂とか水とか、ガラクタみたいなもののほうが創造性を発揮するよ。おもちゃの数はそんなに重要じゃない。大事なのは、子どもの心の中でそれを「本物」にするために、どれくらいおもちゃに対して創造的になれるか。

◯私はこの研究の30分という設定時間は短すぎて非現実だと思う。もちろん幼児は30分でも創造的な遊びをしようとするけど、本当は数週間は見てから創造的におもちゃを使ってるかチェックしたほうがいいんじゃないかな

◯今親が子どもに必要としてるおもちゃはスマホだけなのでは?

◯どんな単純な棒も、子どもにとっては超絶カッコいい剣になるぞ

子どもにとって大事なのは、おもちゃの数の多さではありません。どんなガラクタでも宝物にしてしまう創造力です。そして多くのおもちゃの中から一つを選ぶというのは、実は難題でもあります。色々なおもちゃを買い与えたい気持ちは山々ですが、子どもの将来の才覚を養うには、限られたおもちゃで工夫して遊ばせることが必要なのでしょう。

via: medicalxpress.com / text by nazology staff

提供元・ナゾロジー

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