point
- 太陽の10年間を記録したタイムラプスが公開される
- 太陽活動周期のほぼ1周期分が収められており、活動ピーク時の違いを比較できる
- 金星通過などのイベントも確認可能
NASAは、太陽観測衛星「ソーラー・ダイナミクス・オブザーバドリー(SOD: Solar Dynamics Observatory)」が記録した太陽映像のタイムラプスを公開しました。
2010年から10年に渡って記録された太陽の映像は約1時間にまとめられており、太陽の歴史を簡単に眺めることができます。
太陽の10年間が詰まったタイムラプス
SODはNASAによって2010年2月11日に打ち上げられ、この時以来0.75秒ごとに太陽の写真を記録してきました。
その結果、これまでに4億2500万枚以上の高解像度画像を取得しており、そのデータ量は2000万ギガバイトを超えています。
そして今月、NASAゴダード宇宙飛行センターの科学者たちは、2010年6月2日から2020年6月1日までの10年間の画像を使用して約1時間のタイムラプスビデオを作成しました。
1時間の観察時間ごとに1枚の写真が使用されており、合計87000枚の画像が繋ぎ合わされています。
ちなみに、ビデオの1秒間は地球での約1日に相当します。
太陽タイムラプスの見どころ
太陽の表面では、磁場によって生じる黒点や太陽フレアと呼ばれる爆発現象を見ることができます。
さらに、ビデオの経過時間によって、それらの現象の規模に違いがあることに気付くでしょう。
この違いは「太陽活動周期」と呼ばれるものです。
これは太陽がもつ約11年ごとのサイクルのことであり、1つの周期の中で太陽放射レベルや太陽黒点、フレア活動が変化します。
太陽周期はこの活動の最小値を基準としているので、新しい太陽周期が始まると徐々に活動が活発になります。そして、ピーク(最大値)を迎えた後は再び縮小していきます。
ビデオでは22:00頃から2014年が始まります。この時に太陽活動はピークを迎えており、ビデオの最初や最後に比べると非常に活発です。
このような太陽活動周期による変化は、10年間をまとめたタイムラプスだからこそ明確に感じ取れるものですね。
もちろん、このビデオには他の様々な見どころがあります。
例えば、2012年6月5日(ビデオ12:24付近)を注視してください。黒い小さな点が太陽の前を通過しています。
これは金星であり、次に同じ現象が起こるのは2117年だと言われています。
また、いくつかの場面で日食も観測できます。
他にも見どころはたくさんありますので、ビデオのコメントなどを参考にして見つけてみてください。
NASAの声明によると、NASAは少なくとも今後3年間SODによる太陽観測を続けるようです。これからも貴重な太陽映像に期待できるでしょう。
このタイムラプスの詳細は6月24日、「NASA」のサイトで公開されました。
提供元・ナゾロジー
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