編集部員が注目モデルを実機でレビュー。今回は、カスタマイズウオッチの人気に火を付けた先駆的ブランドとして知られるUNDONE(アンダーン)から、フォージドカーボンを採用した限定モデルをお届け。
【今回レビューするモデルはコチラ】
UNDONE(アンダーン)
アンダーン×ニコラ・フォルミケッティ コラボレーション“シュンガイト”
ファッションデザイナー、ニコラ・フォルミケッティ氏がディレクションを手がけた、世界限定199本のスペシャルモデル。甲冑(かっちゅう)をイメージしたという多面的でソリッドなケース、手裏剣をモチーフにしたスケルトンダイアルなど、日本で育ちアジアにルーツをもつ彼ならではのデザインが印象的だ。
逆回転防止ベゼル、200m防水を備えた機能性の高さに加え、フォージドカーボンをケースに採用しつつ、10万円台という手の届く価格を実現していることも大きな魅力。ほかでは見られない特殊な素材、200m防水のスペック、個性的で洗練されたデザインと、3拍子揃った満足度の高いモデルと言えるだろう。

■Ref.COL-NCF-SGT。フォージドカーボン×TI(43mm径)。200m防水。自動巻き(セリタ Cal. SW200-1)。15万6200円
》エッジを利かせたフォージドカーボンケース

甲冑をイメージしたというフォージドカーボンケースがインパクト抜群。直線的な面を複雑に組み合わせたフォルムに仕上げられており、光の当たり方で生まれる陰影が立体感を際立たせている。

立体感のあるフォルムも魅力的だが、やはり目を引きつけるのがフォージドカーボンならではの独特の質感だろう。フォージドカーボンとは、フォージド(鍛造)という言葉が示すように、金型に詰めたカーボンファイバーに圧力をかけて鍛造成形する炭素繊維素材。ステンレススチールの約5倍の強度と軽さを兼ね備えているという点に加え、炭素繊維を折りかさねることで生まれる独特の模様も大きな魅力といえるだろう。

オーデマ ピゲのロイヤルオーク オフショアなどに採用されている高級素材だが、シュンガイトでは従来とは異なる製造方法(従来はケース一つひとつを鍛造して成形していたため時間とコストが必要であったが、本作では、最初に大きなひとつのフォージドカーボンの塊を成形し、そこから必要な数だけ個別に切り出して、それを精密CNCマシンで個別に切断している)を採用することで、約15万円という価格を実現している。
》文字盤デザインの質感や印象は?

甲冑をイメージした立体的なケースと同じく、日本の伝統価値にリスペクトを捧げた手裏剣形のスケルトン文字盤。機械式ならではのメカニカルな造形を際立たせつつ、モダンなデザインに仕上げられている。針とインデックスには2色のスーパールミノバ夜光を塗布。スケルトン文字盤だが視認性もしっかり確保されている。
》時計のサイズと装着感は?

サイズは43mm、厚さ16.5mm。大きめのサイズと立体感のあるデザインが強烈な存在感主張するが、フォージドカーボンを採用したことで見た目からは想像できない軽い着け心地を実現している。

ケースとベルトを一体化させ(ベルトはケースの裏側に設置)、ベルト接続部分と手首の間に隙間が生じないようにデザインされているため、美観、装着感ともに上々だ。ケースはフォージドカーボンだが、裏ブタはチタン製。ニコラのサインとともに数量限定であることを示すシリアルナンバーをデザイン。限定モデルらしい所有欲をくすぐる仕様と言えるだろう。
【問い合わせ先】
アンダーン・ジャパン
TEL:03-5774-1447
文・船平卓馬/提供元・Watch LIFE NEWS
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