肉食化の原因は食糧不足だった

肉を食べる「ミツバチ」の腸内細菌はハゲタカ・ハイエナと同じだった!
(画像=蜜や花粉が不足すれば代替品をみつけるしかない / Credit:Canva、『ナゾロジー』より 引用)

今回の研究により、肉食ミツバチは腸内細菌も肉食に対応したものに変わっていることが示されました。

腸内環境が酸性化して酸を好む菌が増えているのは、肉に繁殖する雑菌を殺すためだと考えられています。

肉で繁殖する雑菌はライバルを減らそうと毒素を出しあってけん制しているため、そのまま食べれば高確率で病気になってしまいます。

そのためハイエナやハゲタカ、そして肉食ミツバチは腸内の酸性度を高め雑菌に対する抵抗力を手に入れていたのです。

なお肉食ミツバチには複数の種類が存在しており、肉食度合いに応じて作られる蜂蜜も少しずつ違っているようです。

なかには採取した肉を熟成させる熟成室を蜂蜜の貯蔵庫とは別に巣に持つものもいるとか。

草食性だったミツバチが肉食化した原因については、環境変化にともなう蜜の不足などが原因だと研究者たちは考えています。

肉食ミツバチが作る肉分多めの蜂蜜は貴重ながらも一部、市販されているものもあるようです。

どんな味がするか確かめてみるのもいいかもしれませんね。


参考文献

When bees get a taste for dead things: Meat-eating ‘vulture bees’ sport acidic guts

元論文

Why Did the Bee Eat the Chicken? Symbiont Gain, Loss, and Retention in the Vulture Bee Microbiome


提供元・ナゾロジー

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