ふるさと納税の返礼品には美味しそうな食品がたくさんあります。ただ、生鮮食品が一度に大量に届くと、新鮮なうちに食べきれなかったり、保管場所に困ったりすることがあります。

ふるさと納税には、そのような悩みに応えてくれる「定期便」があります。定期便に申し込むと、毎月や2ヵ月に1度など定期的に返礼品を届けてくれます。

定期便は適量を複数回受け取れるため、保管場所の心配が少なく、家族が少なくても新鮮なうちに消費しやすいのが特徴です。

定期便のメリット・デメリットや注意点をおさえて、おすすめランキングから魅力的な返礼品を探してみましょう。

ふるさと納税の定期便とは?

ふるさと納税は、自治体に寄附すると返礼品が届く仕組みです。返礼品には通常の返礼品と定期便があります。

定期便とは、寄附した自治体の返礼品が、定期的に複数回届くサービスです。寄附を複数回行う必要はなく、1回の寄附で定期便に申し込めます。

返礼品で美味しそうな食品を見つけたものの、まとめてたくさん送られてくるため消費が難しい、と考えたことのある人もいるでしょう。そのような場合には、返礼品を分けて届けてくれる定期便が便利です。

定期便と通常の返礼品との違いや配達頻度についてチェックしましょう。

ふるさと納税の定期便は通常の返礼品と何が違う?

ふるさと納税の通常の返礼品は、1回の寄附で返礼品が1回届きます。定期便は、1回の寄附で返礼品が定期的に複数回届きます。

定期便は返礼品を分けて届けてもらいたい場合に便利です。定期便の返礼品は、食品や飲料が多く、分けて届くため消費しやすく、何度も楽しめます。

ふるさと納税の定期便で選択できる配達頻度は?

ふるさと納税の定期便では届く頻度を選べます。配達頻度は返礼品によって決まっていて、毎月届くのが一般的です。なかには、2ヵ月ごとや3ヵ月ごとなどに届く返礼品もあります。

配達頻度は、ふるさと納税のWebページなどで確認できます。

定期便ってお得なの?

定期便は使い方次第でお得です。お得なポイントは「新鮮なうちに消費しやすいこと」と「割引効果」の2点です。

消費しやすい適量の返礼品が届けば、魚介類やフルーツなどの旬な食品を新鮮なうちに美味しく食べられます。適量なら、余って廃棄するようなことも少ないので、無駄なくお得に消費できます。

割引効果として、定期便の返礼品1回あたりの寄附金額に換算すると、通常の返礼品より寄附金額が低いものがたくさんあります。通常の返礼品を複数回申し込むよりも、定期便を1回申し込むほうがお得なことがあるのです。

定期便返礼品の還元率の計算方法

返礼品がお得かを確認するには還元率をチェックします。

還元率とは、寄附金額に対してどれだけ還元されるかを表す割合です。還元率は返礼率と呼ばれることもあります。

このおすすめランキングでは、還元率を次のように計算します。

還元率(%)=返礼品の価格(商品価格+送料)÷寄附金額×100

返礼品は家まで届けてくれるため、送料を商品価格に加えた金額で還元率を計算します。商品価格や送料は通販で買った場合の価格を参考にします。

たとえば、寄附金額5万円で価格1万5000円(商品1万4000円+送料1000円)の返礼品が送られる場合の還元率は30%(1万5000円÷5万円×100)です。

2018年には総務省が還元率を3割以下にするよう自治体に通知しました。ただし、2021年時点でも3割を超える還元率の返礼品を届けている自治体もあるようです。

出典: 総務省『ふるさと納税に係る返礼品の送付等についての総務大臣通知』

ふるさと納税定期便のメリット・デメリット

ふるさと納税で定期便を利用する際のメリットとデメリットを解説します。

ふるさと納税定期便のメリット

ふるさと納税の定期便には多くのメリットがあります。

適量が定期的に届くため、保管の心配がなくなります。飲料やお米など重い食材を定期便で申し込めば、普段の買い物の負担が軽減します。また、旬の食材が届き、ふるさと納税の手続きに手間がかからず、まとめての申し込みによる割引の効果もあります。

ここではメリットを一つずつ紹介していきましょう。

・定期便のメリット1……日常のお買い物がお得になる

ふるさと納税を利用すれば、かさばるもの(トイレットペーパーやオムツなど)や重いもの(ビールやお米など)が自宅まで届くため、運ぶ手間を省けます。さらに、定期便なら分割して適量が届くため、保管場所に困ることもないでしょう。

・定期便のメリット2……自治体から旬のものが届く

旬がある食品はいちばん美味しく食べられる時期に味わいたいものです。通常の返礼品は旬に関係なく届くことがありますが、定期便なら最旬期に届くように返礼品を送ってくれるケースがほとんどです。

定期便を利用することで、今まで食べたことがないような、その食材本来の美味しさを味わい、楽しめるようになるでしょう。

・定期便のメリット3……手続きは一度で沢山の返礼品を受け取ることができる

定期便なら、一度の寄附で返礼品を複数回受け取れます。複数の自治体や返礼品を探すための時間や手間が省けます。

返礼品が一度で終わらずに、何度も届くのは嬉しいものです。たくさんの返礼品を受け取れば、寄附した自治体への思い入れも高まるでしょう。

・定期便のメリット4……割引が効いてお得

定期便は複数回の返礼品を一度にまとめて申し込みます。まとめ買いの割引のように、割引が効いてお得に返礼品を受け取れることがあります。

たとえば、寄附金額が1万2000円の通常の返礼品があるとします。同じ商品の5回の定期便の寄附金額が5万円なら、定期便は1回あたり1万円に換算でき、1回あたり2000円お得です。

ふるさと納税定期便のデメリット

ふるさと納税の定期便は多くのメリットがありますが、デメリットにも目を向けてみます。

ふるさと納税は寄附金が税金から控除される制度です。控除される金額は、自己負担額の2000円を除いた全額です。控除金額には上限があるため、控除上限額の範囲で返礼品を選びます。

出典: 総務省『ふるさと納税ポータルサイト』

定期便は寄附金が高額な傾向にあります。そのため、高額な定期便では、控除上限額の範囲内に収まらない場合があります。また、定期便を途中でキャンセルできないこともデメリットです。

これらのデメリットを一つずつ紹介していきましょう。

・定期便のデメリット1……寄附金が高額

定期便は返礼品が複数回届いて、毎回の送料もかかることから、高額な寄附金のものが多い傾向にあります。

控除上限額が少なめの人には、選べる定期便が限られるため利用しにくいのがデメリットです。

寄附金額が1万円を下回るなど少額の返礼品を探す場合には、通常の返礼品を選択するのがおすすめです。

・定期便のデメリット2……控除上限額の範囲内での寄附が難しい場合もある

定期便の寄附金は高額な傾向があり、控除上限額に合わせた寄附金額の調整が難しいことがあります。

たとえば、寄附金額10万円の定期便の申し込みを考えてみます。控除上限の目安額は、総務省「全額控除されるふるさと納税額(年間上限)の目安」のデータからの引用です。

出典: 総務省『ふるさと納税ポータルサイト』

夫婦+子2人(大学生と高校生)の家族構成で控除上限目安が10万円を超えるのは、ふるさと納税をする人の給与収入が850万円の場合であり、控除上限額の目安は10万8000円です。その給与収入を超える人は限られるため、高額な定期便を利用できる人が限られます。

ふるさと納税の控除上限額は、所得、家族構成、住宅ローン控除や医療費控除などの他の控除により変わります。また、事業者や年金収入のみの人の控除上限額も異なるのです。

控除上限額を超える寄附をしても、その分は税金が返ってこないため、見返りのない寄附になります。

控除上限額までの残り金額が少ない場合には、定期便ではなく寄附金額が低い通常の返礼品を利用すれば、控除上限額を超えることなく寄附ができるでしょう。

・定期便のデメリット3……途中でキャンセルできない

定期便に限らず、ふるさと納税の寄附は申し込み完了後に原則としてキャンセルできません。特に定期便では、複数回届く返礼品の途中でもキャンセル不可です。

たとえば、雑誌などの定期購読では途中で解約できるサービスもあり、解約した場合には購読料の一部が返ってくることがあります。

しかし、ふるさと納税は商品やサービスを購入するわけではなく、自治体に寄附をしたお礼として返礼品が届く仕組みです。商品の購入と違いキャンセル不可です。

ふるさと納税はキャンセルしないように、よく考えてから申し込みましょう。

定期便返礼品に寄附する際の注意点

注意点として、寄附する定期便を申し込む際に、返礼品が届く時期と問題なく受け取れるかを確認しておきます。

定期便の注意点1……届く時期は寄附前に確認しておく

定期便は、届く時期、回数、期間がそれぞれ違います。定期便を申し込む前に、いつ、何回、いつまで届くのか確認しておきましょう。

届く時期を忘れないように、どこかに記録しておくといいでしょう。たとえば、スマホのカレンダーに登録すればリマインダー設定ができます。

定期便の注意点2……引っ越しなどで受け取りが難しい場合は自治体に連絡を

引っ越しや長期不在などで返礼品を受け取れない場合には、返礼品を受け取るために自治体に必ず連絡しましょう。

自治体の連絡先は、ふるさと納税サイトの返礼品のWebページなどから確認できます。

なお、ふるさと納税の寄附をしてから引っ越しをすると、控除のための手続きが必要になることがあります。もし、引っ越しの予定があるなら、引っ越し後に定期便を申し込むのがおすすめです。

ふるさと納税の定期便はどんな人におすすめ?

定期便のメリット・デメリットや注意点を踏まえると、おすすめできるのは次のような人です。

小分けに返礼品をもらいたい人

量が多い返礼品を消費しきれない人や、保管する場所の確保がたいへんという人には定期便が適しています。

また、好きな食材がたくさん送られてくると一度に食べ過ぎてしまうため、小分けにして送ってもらい、何度も楽しみたい人にもおすすめです。

生鮮食品の返礼品は、小分けに送られてくれば毎回新鮮なうちに食べ切りやすいでしょう。

定期便のなかには、旬の食材を毎回違う内容で届けてくれるものもあります。定期的にさまざまなものを楽しみたい人にも、定期便をおすすめできます。

申請の手間を減らしたい人

定期便は一度の申請でまとまった金額を寄附できます。定期便は少ない申請回数で済むので、申請の手間が減ります。

申請に手間をかけずに、返礼品を何度も届けてもらいたい人にとって、定期便は便利でおすすめです。

逆に、申請の手間を惜しまずに、さまざまな返礼品を届けてもらいたい人なら、通常の返礼品が適しているかもしれません。

ふるさと納税の定期便に申し込む方法

ふるさと納税の定期便は、次のように3ステップで申し込めます。

ステップ1:控除上限額を調べる

ふるさと納税のシミュレーター(楽天「かんたんシミュレーター」など)を利用すると簡単です。

出典:楽天『かんたんシミュレーター』

ステップ2:寄附する自治体と定期便を選ぶ

控除上限額に合わせて、返礼品内容、届く時期、回数、期間などを加味して選びましょう。

ステップ3:選んだ定期便の自治体に寄附する

定期便の申し込み後に控除手続き(ワンストップ特例制度または確定申告)を忘れないようにしましょう。

出典: 総務省『ふるさと納税ポータルサイト』

ふるさと納税の「定期便」に関するよくある質問

Q:ふるさと納税の定期便の頻度は?

定期便の頻度は毎月が一般的です。なかには、2ヵ月ごとや3ヵ月ごとに届く返礼品もあります。

初回の発送予定時期や発送頻度、発送回数は、ふるさと納税のサイトなどで参照できます。届く時期と受け取りに問題ないかを確認しておきましょう。

Q:ふるさと納税の定期便はお得なの?

定期便では、通常の返礼品の回数分よりも値引きされ、お得な寄附金額のものが多くあります。同じ返礼品で、通常の返礼品と定期便の両方が用意されていれば比較可能です。

たとえば、通常の返礼品の寄附金額が1万2000円で、5回の定期便が5万円の場合には、1万円お得(1万2000円×5回-5万円=1万円)です。

まずは通常の返礼品を試して、気に入ったらお得な定期便に申し込むのもいいでしょう。

Q:定期便の期間内に引っ越す場合はどうしたらいいの?

返礼品をすべて受け取っていない場合に引っ越しが決まったら、寄附した自治体へ住所変更と新しい住所への送付開始希望日を連絡します。

控除については、引っ越しで手続きが必要になる場合があります。控除に関する手続きは、ふるさと納税サイトなどの情報を参照しましょう。

Q:ふるさと納税で定期便を利用する際に注意することは?

定期便の利用での注意点は、届く時期を確認して、返礼品を問題なく受け取ることです。定期便が届くことを忘れていて、旅行などの不在により受け取れないことは避けたいものです。

定期便が届く時期を忘れないように、カレンダーに記入しておくか、リマインダーが通知されるカレンダーアプリなどを利用するのがおすすめです。

引っ越しで住所が変わる場合や長期不在になる場合には、寄附した自治体へ連絡します。

まとめ

ふるさと納税の定期便には、肉、海産物、フルーツ、野菜、お米、アルコール飲料など、美味しそうなものが揃っています。

定期便を利用すれば、保管場所をあまり気にせずに、旬の返礼品を複数回楽しめます。

定期便は寄附金額が高めですが、控除上限額の範囲で好きなものを見つけましょう。なかには、毎回違う旬のものが届く定期便もあります。

魅力的な返礼品が多いため目移りするかもしれません。お得な定期便を見つけて、自治体を寄附で応援しましょう。