ESS(エネルギー貯蔵装置)に特化したバナジウムイオンバッテリー(VIB)を開発したスタンダードエナジーは、政府の規制サンドボックス実証特例を通じ、都心内の電気自動車の急速充電器にVIBを適用したESSを運営することになったと、15日明らかにした。

韓国産業通商資源部はこの日、第5回産業融合規制特例審議委員会を開き、スタンダードエナジーのVIBをはじめ炭素中立とデジタルへの転換を中心とした14件の案件を審議·議決した。

既存の電気設備技術基準の判断基準上、リチウム·ナトリウム·レドックスフロー系の二次電池を活用したESS技術基準のみが存在する。VIBを適用したESSは技術基準がない。そのため、使用前検査などVIBではESS関連の許認可を進めることができなかった。

規制特例審議委は「VIBが水を電解液として使用し、発火に対する安全性が高いと予想される。様々な実証を通じて安全性を検証し、技術基準を設ける必要があると判断して実証特例を付与した」と説明した。

ただし、安全事故発生に備えるため、産業部が提示した△設置基準、△製品の安全性検証、△屋外専用空間の設置などの条件を遵守するようにした。

今回の実証特例により、VIBが適用されたESSは、ハイマート狎鴎亭(アプクジョン)店の地上に設置される予定である。スタンダードエナジーは、ESSを電気自動車充電器の補助電力源として活用し、利用客に無償の充電サービスを提供する。

規制特例審議委は「今回の実証によりVIB ESSの安全性を検証できるものと期待される。今後、安全性が確認されれば、ESS連携の都心型急速充電スタンドなど電気自動車インフラの拡大につながると見込まれる」と述べた。

一方、スタンダードエナジーのVIBは、徹底してESS市場攻略を目標に開発された。電解液の主成分に水を使って火がつく危険がなく、バッテリーに穴が開いても爆発しない最強の安全性を誇る。

従来使われているリチウムイオンバッテリーの場合、熱や衝撃に弱い。ここ数年間、リチウムイオンを使ったESS施設で火災が相次ぎ、このようなリスクを負うのが負担となっている企業が投資を渋っているため、韓国のESS市場は事実上枯死状態に近い。

スタンダードエナジーのキム·ブギ代表は「リチウムイオンは生まれつき動く物体に使おうと作ったものだ。固定された場所で大容量の電気を貯蔵するESSには効率が高く安全な環境にやさしいバッテリーが必要である。どのような環境でも、発火や爆発を起こしてはならない」と述べた。

提供元・コリア・エレクトロニクス

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