目次

  1. 怒りは健康に悪い
  2. 怒りにはメリットがある?
  3. 怒りを表現する最善の方法は「感情ラベリング」
「怒ること」は人間にとってメリットはあるの?
(画像=Credit:lifenoggin、『ナゾロジー』より 引用)

これまでに怒ったことのない人はいないでしょう。

怒りはどこからでもやってくるからです。特定の人やイベント、さらには過去の記憶を思い出すことでも生じます。

すべての人にとって身近な感情である「怒り」は、わたしたちにどんな影響を与えるのでしょうか?

Youtubeチャンネル「Life Noggin」は、「怒りにはメリットがあるの?」という疑問に対する科学的な答えをビデオで教えてくれています。

怒りは健康に悪い

怒りは人間関係に悪影響を及ぼす恐れがあり、健康を害することさえあります。

いくつかの研究は、怒りが血圧を上昇させ、反応時間を延ばし、さらには意思決定を損なうと指摘しています。

「怒ること」は人間にとってメリットはあるの?
(画像=Credit:lifenoggin、『ナゾロジー』より 引用)

さらに、否定的な感情や怒りには、心臓病、過食症、2型糖尿病などの状態と関連しているとの報告もあります。

では、怒りは抑えるべきなのでしょうか?

研究では、怒りの抑制も悪い結果を誘発すると報告しています。加えて、不安、抑うつ、高血圧、高血圧への影響もあるとのこと。

ですから、建設的な方法で怒りを表現することは実際的であり、有益だと言えるでしょう。

怒りにはメリットがある?

研究は、怒りを表現することが個人の力とコントロールを高め、さらには交渉や対立関係において、良い助けとなることもあると報告しています。

「怒ること」は人間にとってメリットはあるの?
(画像=『ナゾロジー』より 引用)

「喧嘩するほど仲がいい」とか「喧嘩の後に親友になる」のもこれに含まれるかもしれませんね。

しかし、そのようなメリットが得られるのは、怒りの表現が「建設的である」場合だけです。

加えて、怒りには身体的なメリットもあります。

アスリートに関する小規模な研究では、幸せまたは中立であった参加者に比べて、怒っている参加者の方が身体的パフォーマンスが大幅に高かったようです。

「怒ること」は人間にとってメリットはあるの?
(画像=『ナゾロジー』より 引用)

また他の研究によると、怒りによって「短期間だけ」創造力を高めることがあるようです。

「怒ること」は人間にとってメリットはあるの?
(画像=『ナゾロジー』より 引用)

これらの研究からすると、怒りを感じた場合は「適切な仕方で表現する」ことが望ましいようです。人を傷つける目的で怒ることは、決して許されないことです。それは他人にも自分にも、有害な影響を与えます。

怒りを表現する最善の方法は「感情ラベリング」

では、怒りを表現する最良の方法は何でしょうか?

暴言を吐いたり、わめいたりするのはもちろん違います。これは相手を傷つけ、怒らせるだけです。

また、物を壊すこともおすすめできません。後味が悪く、怒りも残留するので効果的ではないでしょう。

「怒ること」は人間にとってメリットはあるの?
(画像=『ナゾロジー』より 引用)

負の感情を管理する効果的な方法は、「感情のラベリング」と呼ばれるものです。

「怒ること」は人間にとってメリットはあるの?
(画像=『ナゾロジー』より 引用)

これは、自分の気持ちを話すこと、または書き留めることによって行えます。

自分の感情を言語化することで、脳内の負の感情を減少させることができるのです。嫌な出来事について言葉で表現してみたり、日記に書いたりできます。

つまり、怒りを外に向けるのではなく「怒っている自分自身」に目を向けるのです。

「怒ること」は人間にとってメリットはあるの?
(画像=『ナゾロジー』より 引用)

実際に、慢性疼痛患者に関する研究では、自分の怒りについて紙に書いた患者は、中立的な話題について書いた患者と比べて、痛みをコントロールできるようになり、憂鬱な気分が減少しました。

もちろん、「感情のラベリング」に加えて、怒りに対処する健康的な方法はたくさんあります。

休憩して自分を落ち着かせたり、怒りの原因となった問題を解決したり、ユーモアで緊張をほぐしたりできるでしょう。

「怒ること」は人間にとってメリットはあるの?
(画像=『ナゾロジー』より 引用)

そして、制御不能なほどの怒りを感じたり深く傷ついたりしたなら、いつでもセラピストや他の医療専門家を通して助けを求めることができます。

怒りには一時的なメリットがありますが、全体的にはマイナスが大きいものです。抑制するのではなく上手に表現することで、怒りをコントロールしましょう。

reference: lifenoggin / written by ナゾロジー編集部

提供元・ナゾロジー

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