いまや日本国内からでも海外の銘柄を使った運用が可能だ。その中でも注目を集めているのが中国株である。中国は経済成長著しく、今では日本を抜き、世界2位の経済大国にまで発展している。ここでは中国株による運用のメリットやデメリット、おすすめの銘柄や口座開設すべき証券会社の選び方についてまとめてみた。

中国株取引のメリット

中国株取引のメリット
(画像=/Engdaostock.adobe.com)

中国株取引がなぜ今おすすめなのか、そのメリットについてまずは紹介しよう。

中国株には、利益を得られる可能性が高い、リスクマネジメントができるなどの利点が期待できる。

経済規模の拡大が見込まれる

中国の経済に関する先行きの期待は、中国株に投資する理由となります
。 中国経済は今後当面拡大するだろうとみられている。 例えば2020年10~12月期の実質GDP成長率は前年同期比6.5%のプラスになっている。(出典=日本総研
中国は、海外企業からの受注により安い人件費でリーズナブルな製品を製造してきた世界の工場的な役割から、自国でオリジナルの商品やサービスを世界に提供する立場に変わりつつある。特にITやAI分野では世界をリードしつつある。

このような背景から中国の成長傾向は今後も続くと予想されているため、株価も当面は上昇トレンドが続くとみられている

値動きが大きい

中国株に投資をするメリットとして見逃せないのは、値動きの大きさです。

日本株と比較して大きく動くので、デイトレードなどの短期取引で収益が出やすい

ただし値動きが大きいのは、ハイリスクハイリターンとも言えます。予測と逆に株価が動けば、短期間で大きな損失が出る可能性もあるので注意が必要です。
山本牧男

デイトレーダーなど、短期取引の経験があり値動きの予測に自信がある人なら、中国株の運用を検討してみる価値はあるでしょう。

円資産とのリスク分散が可能

中国株を持つことで人民元建て、香港ドル建ての資産が手に入り、リスク分散できる点もメリットといえます。

円でない資産を持っていれば、たとえ円資産が減少しても、別の資産の値上がりでカバーできる可能性があるからだ。

円の今後を見てみると、貿易収支が低減傾向にある、海外と比較して低金利の状態が続いているなどの要因があるため、当面は円安ドル高のトレンドが続くとみられている。例えば2021年9月の貿易統計速報によると、貿易収支は6,228億円の赤字であった。貿易赤字は2カ月連続となる。

農林中金総合研究所の南主席研究員によれば、減産に伴う自動車輸出の鈍化、原油高による輸入額の上昇などを背景に資源価格が当面高止まりし、しばらく赤字基調が続くと見られている。(出典=ロイター)

山本牧男

もし中国株を持っていれば、円安傾向の局面でも資産の目減りリスクを減少させる効果が期待できます。

為替差益が得られる可能性がある

上で紹介した円安リスクに関連することですが、もし市況が円安に振れれば、中国株を保有していることによって為替差益の恩恵を受けられるのもメリットとなります。
日本では長年デフレの状態が続いているが、もしインフレに転じれば円の預貯金の価値は相対的に減少する。しかしもし中国株を保有していれば、円安になった場合為替差益と相殺され、ダメージを軽減することも可能だ。

中国株取引を行う証券口座を選ぶポイント

中国株取引を行う証券口座を選ぶポイント
(画像=編集部作成)

国内銘柄同様、中国株で資産運用するなら証券会社に口座を開く必要がある。

ではどの証券会社を利用すべきか、比較すべきポイントについて紹介しよう。

手数料

まず比較すべきなのは手数料だ。

とくに約定手数料は株のトレードをするたびに発生するコストなので、手数料が高いとそれだけ収益を出すのが難しくなります。

手数料は証券会社によって異なるので、口座開設前に十分比較しておくべきだ。

取扱銘柄数

取扱銘柄数で比較するのも一つのポイントだ。

証券会社によって売買できる銘柄の種類には違いがみられる。

取引できる銘柄数が多ければ多いほど、それだけいろいろな業界の銘柄を使って運用が可能になり、収益も挙げやすくなります。

またリスク分散の意味でも取扱銘柄数の多い方がおすすめだ。

関連性のあまりない銘柄を複数購入することで、どれかが値下がりしてもほかでリカバリーできる可能性は高い。

山本牧男

収益確保とリスクマネジメント両方の観点から、選択肢の多い証券会社を選びましょう。

提供するツール・アプリの利便性

パソコンやスマホアプリを使って自分の判断でトレードを行うなら、ソフトやアプリの使い勝手についても比較すべきでしょう。

株価情報やチャート、銘柄別の財務データなどが見やすいか、チャートなどのレイアウトを自分でカスタマイズできるかなどをチェックしよう。

山本牧男

また情報量の多寡についても確認しましょう。ニュースやプロのアナリストによるレポートなど、情報を多く得られればそれだけ正確にマーケットの現状を把握できます。

マネックス証券とSBI証券は手数料が最低クラス

マネックス証券とSBI証券は手数料が最低クラス
(画像=Zerbor/stock.adobe.com)
中国株を取り扱う主要な証券会社のうち、手数料が安いのはマネックス証券とSBI証券です。

具体的な各社の中国株取引手数料は以下の通り。

それぞれ約定金額に対する割合で示されている。

マネックス証券:0.275%
SBI証券:0.286%
内藤証券:0.3877%~
楽天証券:0.55%

マネックス証券とSBI証券の手数料は、3番目に安い内藤証券の手数料と比べても0.1%以上の差がある。

山本牧男

とくにデイトレーダーのように高頻度で取引をする場合、コストの安いマネックスもしくはSBI証券を選択するのがおすすめです。

マネックス証券とSBI証券の中国株取引を徹底比較

マネックス証券とSBI証券の中国株取引を徹底比較
(画像=編集部作成)

中国株取引の手数料が安い証券会社としてマネックス証券とSBI証券を紹介した。

ここでは、マネックス証券とSBI証券についてさらに詳しく紹介していく。

主要な項目について両者を比較すると、以下のような結果になった。

マネックス証券 SBI証券
手数料 約定金額の0.275% 約定金額の0.286%
最低手数料 49.5香港ドル 51.7香港ドル
上限手数料 495香港ドル 517香港ドル
取扱銘柄数 2,000超 約1,350銘柄
提供するツール・アプリ名 ・銘柄スカウター中国株(ツール) ・マネックス証券アプリ(アプリ) ・HYPER SBI(ツール) ・SBI証券 米国株 アプリ(アプリ)
アプリのAppStore評価 4.3 2.6
SBI証券マネックス証券の公式ページをもとに筆者作成。2021年11月8日現在。

手数料

手数料に関しては、両者とも業界でトップクラスの安さですが、その中でもマネックス証券の方がやや低めです。

特に上限手数料が適用になった場合、その時々の為替レートにもよるが

日本円でおよそ300円程度の差額が発生する計算
だ。

山本牧男

スキャルピングのような1日に何度もトレードするスタイルの利用者にとっては、より手数料の安いマネックス証券の方がおすすめと言えます。

取扱銘柄数

取扱銘柄数が多いと、それだけ運用の選択肢も広がるため、収益をあげられる確率が高まる。

マネックス・SBI双方とも中国株の銘柄数は多い方ですが、マネックスの方が頭一つリードしています。

マネックス証券で売買できる中国株は2,000銘柄を超え、SBI証券と大きな差をつけている。

しかしSBI証券も取扱銘柄数を増やしている。2021年11月時点での取扱銘柄数は約1,350程度だが、2010年時点で459銘柄だったことを踏まえると、この10年少々で取扱量が3倍近く増えている計算だ。
山本牧男

SBI証券でも、将来的にはマネックスと比較してもそん色ないだけのバラエティに富んだ中国株取引ができるかもしれません。

提供するツール・アプリの利便性

ツールやアプリを比較してみると、今のところマネックス証券の方に一日の長があるようです。

アプリのレビューを見ても、マネックス証券のものはおおむね高評価である。

一方SBIのアプリの評価が低い理由としては、作りの粗さが気になるという意見が多いようです。
もっともマネックスについても不満の声が見られる。ログインが急にできなくなる、エラーが頻繁に出るという意見もあるので取り扱いには注意が必要だ。

しかし両者ともデザインがシンプルで使いやすいという意見はしばしば見られた。

中国株取引の基礎知識

中国株取引の基礎知識
(画像=編集部作成)

ここでは中国株の取引に関する基本的な事項について見ていこう。

どのような取引所があるのか、下部の区分はどうなっているのかについて紹介する。

また国内同様、中国マーケットでも代表的な指数がいくつかあるのでここでピックアップしてみた。

日本で株が買える中国の取引所一覧

中国株のトレードができる取引所は、上海取引所・深セン取引所・香港取引所の3つです。

上海取引所は主に大企業、深セン取引所は主にベンチャー系の銘柄を取り扱っている。

香港の場合、別項で詳しく見ていくが2種類のマーケットが存在していて、それぞれ異なる特徴を有している。取り扱っている銘柄は一部重複しているものも見られるが基本的には異なる。

香港証券取引所における株の区分

香港証券取引所には2つのマーケットが併設されており、それぞれメインボード、GEMと呼ばれます。
メインボード

メインボードは日本でいうところの東証一部のような位置づけである。メインボードの中でも株式は3つに区分されており、H株とレッドチップ、およびその他の3つに分けられる。

H株は中国本土を登記地にしている企業が香港で発行している銘柄で、道路や電力などの国有企業が、海外の資金を調達するために上場していることが多い。

山本牧男

ちなみにH株のHとは「Hong Kong」の頭文字をとったものです。

レッドチップとは中国政府資本が3割以上を占める銘柄を指す。

中国本土に主要な事業資産を保有する海外の企業だ。香港のほかにはバミューダやケイマン諸島などのタックスヘイブンに登記されたものが多く、会計制度などのルールは登記地のものに準じる。
山本牧男

レッドチップ銘柄は、1990年代以降通信やテクノロジー関連がメインとなっています。

H株にもレッドチップにも属さないものがその他銘柄 であり、香港の地場企業や海外の香港上場企業などが属する。

GEM市場

香港証券取引所におけるもう一つのマーケットことGEM市場は「Growth Enterprise Market」の頭文字をとったもので、日本語に訳すと「成長企業市場」になる。1999年11月に新たに作られ、中小の成長株をメインに扱っている。日本でいうところのマザーズやジャスダックに似た性格を持っており、株主数や売上高などの審査がメインボードと比較して甘めといわれている。中には周知徹底を目的として、GEMからメインボードに鞍替えする企業も少なくない。

中国株の代表的な指数

中国株の全体的な状況について表した指数がある。

中国株の運用をする場合、以下で紹介する4つの指数に着目するといいだろう。

香港ハンセン指数
香港ハンセン指数は、香港取引所の中でもメインボードに上場している銘柄の指数である。最大50銘柄がピックアップされ、時価総額加重平均で算出する。ちなみに基準値は100である。
中国企業指数
中国企業指数は、香港取引所の中国国営企業で構成されているH株を対象にした指数である。H株の中でも優良と判断された銘柄をピックアップし、時価総額比率で加重平均して算出される。
香港レッドチップ指数
香港レッドチップ指数は、レッドチップの中から優良なものを一部ピックアップして構成された指数だ。
香港GEM指数
香港GEM指数は、その名の通り香港のGEM市場に上場している主要銘柄によって構成された指数のこと。香港取引所とスタンダード・アンド・プアーズというアメリカの格付け機関が共同で開発した指数である。

おすすめの中国株5銘柄

おすすめの中国株5銘柄
(画像=編集部作成)

中国株で運用するといっても、数ある銘柄の中からどれを購入すればいいかわからないという人もいるだろう。

そこで今回、おすすめの銘柄を5つピックアップしたので参考にしてほしい。

以下の銘柄は2021年11月8日時点の前日比の値上がり率をベースに選定している。

ワールド・ハウスウエア……PVCパイプや管継手の生産をメインに、幅広い事業に取り組む

会社名 世界(集団)有限公司
創業年月 1968年
上場市場 メインボード
証券コード 00713
ワールド・ハウスウエア

ワールド・ハウスウエアは正式社名を「世界(集団)有限公司」という企業だ。ポリ塩化ビニール製のパイプや管継手の生産をメインに、家庭用の製品や接続金具などの生産・販売を実施している。他にも不動産投資や食品廃棄物のリサイクル事業など幅広い事業に取り組んでおり、リサイクルなどのSDGs事業も手掛ける。シャワーカーテンやテーブルクロス、ランチョンマット、コースターなど私たちの日常生活にも密接に関係している商品も製造している。

2021年11月8日の段階で、前日比25.88%の株価上昇を記録している。

山本牧男

年間でもプラス190%弱の値上がりを見せており、注目の銘柄といえます。

黄河実業……香港やマカオでも事業を展開する金融サービス業者

会社名 黄河実業有限公司
創業年月 2001年
上場市場 メインボード
証券コード 00318
黄河実業

黄河実業のメインの事業は証券や不動産投資などの金融サービス事業だ。中国本土のほかにも、香港やマカオでも事業を展開している。投資事業をメインとしているが、メディアやアミューズメント、食品・飲料、通信など幅広いジャンルの事業に取り組んでいる。投資事業が今後不振に陥ったとしても、ほかの分野でリカバリーできる可能性は高い。

2021年11月8日の時点で前日比19.05%の値上がりを記録している。

年間では1.96%株価が落ちているようだが、月間では7.53%のプラスと上昇トレンドに入りつつある。

中国南方航空……中国の民航系航空会社の中では最大規模

会社名 中国南方航空股フン有限公司
創業年月 1995年
上場市場 メインボード
証券コード 01055
中国南方航空

中国南方航空は1995年に中国民用航空総局の甲州管理局を引き継ぐ形で設立された航空会社だ。中国内の主要な路線を有するほかにも国際線も就航している。民航系の航空会社の中では最も規模が大きい。それだけでなく旅客数や便数、売上高でも中国国際航空という中国のフラッグキャリアを上回っている。

2021年11月8日の時点で前日比14.35%の値上がりを記録しており、年間でも9%を超える値上がり率を記録している。

コロナ渦が落ち着いている中国では移動も活発になりつつあるので、航空会社の株価も今後上昇していく可能性は十分期待できる。

東方支付集団……タイで勢力を伸ばすカード決済仲介業者

会社名 東方支付集団控股有限公司
創業年月 2018年
上場市場 GEM
証券コード 08613
当方支付集団

東方支付集団は、中国支付通という香港のGEM市場に上場している企業から独立し、2018年に上場した企業である。カード決済の仲介業務を主要事業として展開している。特にタイの観光地の小売店で加盟店を新規開拓している。タイは中国人観光客が多数訪れるので、中国人ユーザーを多く獲得できる可能性が高い。

2018年11月8日の株価は前日比プラス13.98%と、GEM市場の中でもっとも値上がりした銘柄である。

しかも年間で見ても19%以上の上昇を記録している。

コロナ禍でタイなどの海外旅行を控える動きもあったが、今後ワクチンが広くアジア諸国でも普及していくだろうし、服用薬の開発も進んでいるので再び海外旅行熱が高まることに期待できる。

サムソナイト……コロラド発の老舗スーツケースメーカー

会社名 新秀麗国際有限公司
創業年月 1910年
上場市場 メインボード
証券コード 01910
サムソナイト

サムソナイトはカバンに詳しい人ならご存知の方も多いかもしれない。旅行カバンブランドの中でも最大手で、1910年にアメリカのコロラド州で創業した老舗の企業である。スーツケースをメインとしているが、ビジネスバッグやカジュアルバッグなどの生産にも取り組んでいる。

2021年11月8日時点で前日比12.50%の値上がりを記録している。

しかも年間で見ると104%以上の値上がりを記録しているのも注目ポイントだ。

サムソナイトは軽量で耐久性に優れた高品質のバッグを多数ラインナップしている。

コロナ渦が落ち着きつつある現在、カバンを使用する機会もビジネス・プライベート両方で増えてくる可能性が高い。大容量サイズから機内持ち込みできるようなコンパクトサイズのスーツケースも取り扱っている守備範囲の広さも、安定した売り上げの記録できる理由の一つだ。

中国株取引のデメリット

中国株取引のデメリット
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中国株を取り扱った運用にはメリットがある半面、デメリットも存在する。

ここではデメリットについて主なものを紹介するので、今後投資を検討しているのであれば注意していただきたい。

政策の影響が大きい

中国株を運用するにあたっては、中国の政策に注意しなければなりません。

中国は現在共産党による一党体制で運営されている。

日本のような民主主義国家ではなく、中国政府の方針によって経済活動も大きく変化する可能性がある。

例えば2021年には中国政府が「学習塾禁止令」を出したことにより、中国各地で学習塾が相次いで閉鎖されてしまった。受験戦争の過熱をあおっているとして、学習塾が取り締まりの対象になったわけだ。
山本牧男

このように、政府の一存で一つの業界が大きな影響を受ける可能性があることは留意しておくべきでしょう。

情報が得にくく、信ぴょう性に疑問がある

株式運用で重要なのは、いかに正しい情報を多く得られるかだ。

正しい情報を得られれば、今後のトレードの精度も増す。

しかし中国株の場合、情報がなかなか出てこない点がデメリットになります。
インターネットが普及したことで、一昔前と比較して海外の情報もだいぶ入ってきやすくはなっている。中国の情報も同様だが、経済全般の情報は入ってきても個別の銘柄に関する情報を得るのは難しい。海外のため、製品を取り寄せたり、企業訪問したりするのも困難である。

為替差損が出る可能性がある

中国株のメリットとして、為替差益の発生する可能性について紹介しましたが、差益の生じるケースと全く逆のことが起きた場合デメリットになります。

もし円高局面に入った場合、為替差損の発生する恐れがあるため注意が必要だ。

中国株投資の場合、人民元の動向にだけ注意すればいいかというとそうではない。中国株のトレードでは香港取引所を中心に米ドルや香港ドルを使うことも少なくない。これらのドルの円に対する価値の変動状況によっては収益が目減りしたり、損失が拡大したりといったこともあるので注意が必要だ。

中国株取引のために複数の証券口座を持つメリット

中国株取引のために複数の証券口座を持つメリット
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当サイトでは中国株取引におすすめの証券会社としてマネックス証券とSBI証券を紹介してきた。

どちらを利用するか迷っているのであれば、両方に口座を持つのもおすすめだ。

両者に口座を持つことで、両証券のメリットを享受できる。

たとえばマネックス証券は2,000以上、SBI証券は1,400前後の銘柄に対応している。もちろん中には被っているものもあるが、一方しか取り扱いのない銘柄もある。両方に口座を持っていれば、一方がカバーしていない銘柄のトレードも可能になる。

また複数の口座を持つことで、利用できるトレードツールが増えるのもメリットの一つだ。

アプリの評価でマネックス証券とSBI証券を比較した場合、マネックスの方が評価は高かった。しかし自分が使ってみるとどうもマネックスのアプリと相性が悪いということもあるだろう。2つに口座を持っていれば、より自分にとって扱いやすいツールを使って運用することも可能だ。

またより多くの情報が手に入るのも複数口座を持つメリットである。

2社の口座を開設すればより多くのアナリストによるデータが入手できるので、より正確な情報をもとに投資の判断が下せる。

山本牧男

口座を持つだけでは手数料はかかりませんので、ぜひ複数口座の開設を検討してください。

中国株取引ができる証券口座についてよくある5つのQ&A

最後に中国株取引についてよくある質問について紹介しておく。もし何かわからないことがあれば、以下を参照していただきたい。

中国株取引のメリットは?
国内株と比較して値動きが大きいので短期間で大きな利益をあげられる可能性がある、外国資産を手にすることで円資産に何かあった場合のリスクマネジメントができるなどのメリットが期待できる。世界2位の経済規模を有し、今後も成長に期待できるところもメリットといえる。
中国株取引のデメリットは?
中国は民主主義国家ではなく、共産党の実質一党独裁のため、共産党の意向次第で経済が大きく動く可能性がある。海外のマーケットであるため、日本国内で入手できる情報に限界がある。異なる通貨で運用するため、為替変動リスクが付きまとうといったところがデメリットであり、リスクになりうるので対策が必要である。
中国株取引におすすめのネット証券会社は?
手数料などコストのあまりかからない証券会社がおすすめである。また取扱銘柄数の多い方がトレード対象の選択肢が増えるので、利益をあげる機会も増える。手数料の安さがトップクラスで2,000を超える銘柄の売買ができるマネックス証券、1,400前後の銘柄でトレード可能なSBI証券などがいいだろう。
中国株取引に際して知っておきたい指数は?
香港市場でトレードする場合には香港ハンセン指数や香港レッドチップ指数、香港GEM指数についてチェックしておいた方がいいだろう。H株銘柄であれば香港ハンセン指数、レッドチップ銘柄なら香港レッドチップ指数、GEM市場に参加するなら香港GEM指数をチェックすべきである。全般的な銘柄で中国経済の全体的な傾向を確認するなら、中国企業指数も確認しておきたい。
おすすめの中国株銘柄は?
2021年11月の株価の値上がりが顕著なワールドハウスウエア・黄河実業・中国南方航空・東方支付集団・サムソナイトがおすすめだ。航空会社や観光関係はコロナ渦が落ち着きつつある状況下で、需要の盛り返しが期待できるので値上がり傾向にある。また環境への配慮など、SDGsに関連する銘柄についても値上がり傾向がみられる。


執筆・山本牧男
北海道大学経済学部を卒業後、東証一部上場の大手企業へ入社。その後独立しトレーダーとして活動する傍ら投資・金融系ライターとして活動中。お金にまつわるコラム、お役立ち記事を発信している。

北海道大学経済学部を卒業後、東証一部上場の大手企業へ入社。その後独立しトレーダーとして活動する傍ら投資・金融系ライターとして活動中。お金にまつわるコラム、お役立ち記事を発信している。

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