目次
「時節柄ご自愛ください」「ご自愛のほどお祈り申し上げます」のように使用される「ご自愛ください」。正しい使用方法や言い換え方に迷う人も多いのではないでしょうか。
本記事では、「ご自愛ください」の意味や使用できるシーン、よくある誤用などを紹介。「ご自愛ください」と似たような言葉も紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
・「ご自愛ください」を使用できるシーンと例文
・「ご自愛ください」と似たような言葉・言い換え方法
「ご自愛ください」の意味とは?目上の人に使っていいの?
そもそも「ご自愛ください」とはどのような意味なのかあまり知らずに使っている人もいるのではないでしょうか。
「ご自愛ください」とは、「自分を愛すること」つまり、自分の体や健康を大切にすることをいいます。
「お体を大事にしてくださいね」という言葉を丁寧に和らげた言葉なので、目上の人にも問題なく使用できます。
「ご自愛ください」の使い方や例文
「ご自愛ください」だけで使用しても、相手を敬う気持ちは十分に伝わります。
しかし、一般的には「お忙しいとかと存じますが」「暑さが続きますので」のように一言付け足して使います。
また、「〜ください」と命令しているような形が気になる人は「ご自愛のほどお願い申し上げます」とするとより丁寧な表現になるでしょう。
・暑さが続きますので、ご自愛のほどお願い申し上げます。
・季節の変わり目ですので、どうぞご自愛ください。
・寒さが続きますので、どうかご自愛のうえお過ごしくださいませ。
「寒さ厳しき折」のように時候の挨拶とともに「ご自愛ください」を使用すると、季節感がある年賀状になりますよ。
コロナ禍の「ご自愛ください」の使い方
コロナ禍の現状では「ご自愛ください」を使用する場面も多いのではないでしょうか。
特にコロナ禍なことにフォーカスして「ご自愛ください」を使用したい場合は以下の例文のように伝えてみましょう。
・コロナ禍厳しき状況下、ご自愛のほどお願い申し上げます。
・未曾有の災禍の中、どうぞご自愛ください。
「ご自愛ください」を使用できるシーンと例文
「ご自愛ください」はシーズン関係なく使用できる万能な言葉です。
しかし、季節感を感じさせる言葉と掛け合わせて使用することで、より心のこもったメッセージを送れます。
以下では、「ご自愛ください」がよく使わるシーンと例文をご紹介します。
年賀状
年賀状を書くときに、相手の健康を祈る言葉を書くことが多いのではないでしょうか。
まずは、年賀状で使用される「ご自愛ください」の例文をご紹介します。
・寒い日がまだまだ続きますが、どうかご自愛ください。
・寒さ厳しき折、ご自愛のほどお願い申し上げます。
「寒さ厳しき折」のように時候の挨拶とともに「ご自愛ください」を使用すると、季節感がある年賀状になりますよ。
暑中見舞い
暑い夏が続く頃、暑中見舞いを出す人も多いのではないでしょうか。
暑さ故に体調を崩さないようにという思いは、「ご自愛ください」を用いて以下のように表現できます。
・暑さ厳しい折、ご自愛ください。
・夏の暑さで体調を崩さないように、どうぞご自愛のうえお過ごし下さい。
ビジネスメール
ビジネスメールの最後の結びの言葉では「よろしくお願いいたします」と通り一遍の言葉になってしまっている人も多いのではないでしょうか。
ビジネスメールでも「ご自愛ください」を使用して「語彙がある人」「相手を慮れる人」というポジティブな印象を持ってもらいましょう。
・激しい暑さでお体を崩されないように、ご自愛のほどお祈り申し上げます。
・季節の変わり目ですので、どうぞご自愛のうえお過ごし下さい。
暑くなってきたり、寒くなってきたりするときは特に体を崩しやすいので、相手を気遣う気持ちをメールで送れると一歩上のビジネスパーソンになれるでしょう。
「ご自愛ください」と似たような言葉・言い換え方法
いつも「ご自愛ください」を使用しているから、たまには違う言葉を使ってみたいと思っている人もいるのではないでしょうか。
以下では、「ご自愛ください」と似たような言葉・言い換え方法をご紹介します。相手を心配する言葉の幅があればあるほど、自分の気持ちにあった言葉を選べるようになるでしょう。
お労わりください
「お労(いた)わりください」は、「体を労る」つまり「体に気にかける」ことを願う言葉です。
「ご自愛ください」とは違い、「お労わりください」は体調が悪い人に使われる表現です。
風邪や病気などを患っている人に対して、「どうぞお労りください」「お身体をお労りください」のように使用されます。
お体にお気をつけください
「お体にお気をつけください」は、「健康でいてほしいこと」を願う言葉です。
「ご自愛ください」と同様に、体調を崩している人には使えないので注意しておきましょう。
「くれぐれもお身体にお気をつけください」「どうぞお身体にお気をつけください」と「くれぐれも」「どうぞ」を使用すると柔らかい言葉になりますよ。
お大事になさってください
「お大事になさってください」は、病院や歯医者などでよく使用される言葉です。
一般的に重い病気ではなく、軽い病気のときに使用されます。
相手が重い病気の場合は「静養なさってください」「養生なさってください」と声をかけてあげるといいでしょう。
お体をおいといください
「お体をおいといください」という表現を聞いたことがある人は少ないのではないでしょうか。
「いとう」とは大和言葉特有の柔らかい響きを持つ言葉です。「お体をおいといください」とサラッと言えると、知識がある人は「言葉を知っている人だ」と一目置いてもらえるかもしれません。
「お体をおいといくださいますようお祈り申し上げます」「どうかお身体をおいといください」のように使用します。
ご健康を心よりお祈り申し上げます
「ご健康を心よりお祈り申し上げます」は、「ご自愛ください」よりも直接的に健康を祈っていることが伝わります。
また「〜ください」よりも「お祈り申し上げます」と伝えることでさらに言葉が柔らかい響きを持ちます。
上記でご紹介したように、相手の健康を祈る言葉はたくさんあるので状況によって使い分けてみてはいかがでしょうか。
注意しておきたい「ご自愛ください」のよくある誤用
「お体をご自愛ください」と使われているのを見たことがある人もいるのではないでしょうか。
実は「お体をご自愛ください」は、間違った使い方です。そもそも「自愛」に体を大切にするという意味が含まれているので、「お体をご自愛する」は二重表現になってしまいます。「ご自愛ください」を使用する際は、「お体を」をつけないように注意しましょう。
漢字を間違えて「ご慈愛ください」と書かないように注意です。「慈愛」は深い愛情のことなので、「愛情をください」という意味になり誤解を生じかねません。
また、「ご自愛ください」はそもそも元気な人に使用する言葉です。体調が悪い人に「体を大切にしてください」はプレッシャーをかけてしまう可能性があります。そのため、病気の人に「ご自愛ください」を使用するのも間違いだとされています。
体調が悪い人には「お大事になさってください」「回復をお祈り申し上げます」のほうがよいでしょう。
「ご自愛ください」の気持ちがこもったメールの例文
メールで「ご自愛ください」を使ってみたいけれど、どのように使用するべきかわからないという人もいるのではないでしょうか。
以下では、「ご自愛ください」の気持ちがこもったメールの例文をご紹介します。
大変お世話になっております。株式会社〇〇、営業部佐藤です。
この度は〜〜の件、大変ありがとうございました。
まだまだ暑さが続きますが、どうかご自愛ください。今後ともよろしくお願いします。
「ご自愛ください」のメールの返信文例
「ご自愛ください」と体の調子を心配してもらったメールをもらったことがある人もいるのではないでしょうか。
「ご自愛ください」と言ってもらったのに、ただ「よろしくおねがいします」と返すのはそっけなく感じられる可能性があります。
以下では、「ご自愛ください」と言ってもらったメールの返信文例をご紹介します。
お忙しいところ失礼します。株式会社〇〇 営業部部長 山田太郎です。
こちらこそ〜〜の件では・・・(本文)
お気遣いいただきありがとうございます。佐藤様もどうかお身体をおいといくださいませ。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
「ご自愛ください」を正しく使用して相手を敬う気持ちを伝えよう
・健康な人に対して使い、体調が悪いには使用を避ける
・「ご自愛ください」の言い換え表現も覚えておくと便利
本記事では、「ご自愛ください」の正しい使用方法や、言い換え表現などを詳しくご紹介しました。
相手のことを気遣う気持ちは、いろいろな言葉で言い表せれます。相手が「ご自愛ください」を使用してくれた場合、他の言葉で返せるとよりスマートでしょう。
本記事を参考に、相手をいとう言葉を使用して良好な人間関係を築いてみてはいかがでしょうか。
提供元・U-NOTE
【関連記事】
・【例文】初めての相手・取引先に好印象!ビジネスメールの挨拶文の書き方
・誠意が伝わる「謝罪文・お詫びメール」の書き方と例文8選|件名・締め、社内・お客様など事例別
・【敬語の意味・違い】承知しました/了解しました/かしこまりました/了承しました
・引用・参考文献・参考URLの正しい書き方:プレゼン資料の「参考文献リスト」作成時の注意点とは?
・【例文】添付ファイル・資料送付メールの書き方マナーと5つの注意点